いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『村上春樹 ロング・インタビュー 暗闇の中のランタンのように』の感想【小説を読む理由】

デビューから『騎士団長殺し』まで 村上春樹さんへのロングインタビューです。 デビュー作『風の歌を聴け』から作品を振り返りつつ、小説の持つ力について語ります。 『騎士団長殺し』の話がメインですが、読んでいなくても問題ありません。 作品の内容より…

『カラフル』森絵都(著)の感想【人生は少し長めのホームステイ】(産経児童出版文化賞)

人生は少し長めのホームステイ 生きづらさを感じるのは、多くを一人で抱え込みすぎているからかもしれません。 例えば、何かやるときに、相手がどう思うかを考えすぎると、誰とも関わらないのが一番になってしまいます。 どうしてそうなるんでしょう。 相手…

『心と響き合う読書案内』小川洋子(著)の感想【必ず見つかるあなたの一冊】

紹介する52作品に共通するのは「文学遺産」 作家の小川洋子さんが、52の文学作品を紹介します。 外国文学も日本文学も、恋愛小説も絵本も、古典も現代作家も、分け隔てがありません。共通しているのは、文学遺産として長く読み継がれてゆく本、というただそ…

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子(著)の感想【学校では教えてくれない金のこと】

きれいごとは一切ない 世の中の多くの人は、カネのハナシをしない。 特に大人は子どもに「お金の話をするのははしたない、下品なことだ」と言って聞かせたりする お金の話って学校で教わらないですよね。 むしろ、 お金がすべてじゃない 幸せはお金では買え…

『ことり』小川洋子(著)の感想【コミュニケーションが苦手なだけ】(芸術選奨文部科学大臣賞)

コミュニケーションが苦手な兄弟 小鳥の小父さん(おじさん)と呼ばれる人は、毎朝幼稚園の鳥小屋を掃除します。 彼は近所の幼稚園の小鳥たちを、二十年近くに亘って世話していた時期があった。誰に頼まれたわけでもない、全くの奉仕活動だった。その間にい…