いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『約束のネバーランド』20巻(漫画最終巻)の感想【『わたしを離さないで』と似てるか】

『わたしを離さないで』と似てるか この作品を読み始めたとき、カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』に似てると思ってしまいました。 作品を、別の作品と比較するのは好きではありませんが、 「寿命が決まっている少年少女」 という設定が強烈だっ…

『首里の馬』高山羽根子(著)の感想【にくじゃが まよう からしの答え】(芥川賞受賞、三島賞候補)

選評を読んで 吉田修一さんは芥川賞の選評で、 高山さんはおそらく「孤独な場所」というものが一体どんな場所なのか、その正体を、手を替え品を替え、執拗に真剣に、暴こうとする作家 と書いています。 確かに、『首里の馬』の登場人物はみな孤独な場所にい…

【芥川賞予想】第164回芥川賞候補作発表、掲載誌まとめ(2020年下半期)

第164回芥川賞候補作発表 2020年12月18日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、2021年1月20日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめ、受賞予想をいたします。 宇佐見りん『推し、燃ゆ』(文藝秋季号) 初の候補入りです。 前作『かか…

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』神田桂一,菊池良(著)の感想【良い意味でジャンク】

良い意味でジャンク カップ焼きそばを作る様子が、文豪たちの作風で、描かれます。 村上春樹風の「はじめに」から始まり、 レイモンド・チャンドラー JK・ローリング 川端康成 相田みつを 西野亮廣 など、幅広いジャンルの方の作風を真似て、「カップ焼きそ…

『零落』浅野いにお(著)の感想【売れることが一番重要か】

売れることが一番重要か 主人公は、30代中盤の漫画家です。 連載が終わっても、次の漫画を描けない漫画家です。 著者の浅野さんと似た境遇なので、主人公が浅野さんと重なって見えます。 例えば、主人公の発言、 狭量で懐古主義な漫画ファンたちが漫画業界の…