いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

エッセイ

未経験で司書の転職を目指す【本好きの下剋上~国会図書館の対応を受けて~】

本好きの下剋上~国会図書館の対応を受けて~ 前回の記事の日付が8月18日なので、約2週間ぶりのブログ更新です。 その間、私が何をしていたかというと、図書館司書への転職活動です。 どういうことか、順を追ってご説明します。 私は以前、国会図書館のデメ…

国立国会図書館で読んで良かった本・資料【雑誌記事・絶版本・新刊本】

雑誌記事・絶版本・新刊本 国会図書館では膨大な資料を読めますが、開館時間は9時半から19時なので読める本は限られます。 館外への資料貸し出しはしていないので、読む方法は、 国会図書館内で読む 印刷して持ち帰って読む のどちらかです。 よって、国会図…

国立国会図書館のデメリット【読めない本もある】

読めない本もある 国会図書館のメリットはこちらです。 メリットに比べれば、デメリットは大したことありません。 ですが、多少なりともデメリットは感じましたので、書いておきます。 デメリットは、 家から遠い(私の個人的な問題です) 駅から図書館まで…

国立国会図書館のメリット【ノマドワーカーのコワーキングスペースにおすすめ】

ノマドワーカーのコワーキングスペースにおすすめ 国立国会図書館に行ってきました。最高でした。 最高だった理由は、 設備 食堂(喫茶室) 環境 の3点です。 設備 国会図書館では、ほとんどの本を読むことができます。 ただ、本は書庫にあるので、公立図書…

ノートパソコンスタンドを使った感想【肩こり解消、タイピングスピード向上におすすめ】

肩こり解消、タイピングスピード向上 ノートパソコンスタンドを買いました。私が使っているノートパソコンは、11.6型です。 ノートパソコン スタンド PCスタンド改良 折りたたみ式 iVoler タブレット スタンドラップトップスタンド 高さ・角度調整可能 アル…

『大家さんと僕 これから』矢部太郎(著)の感想【血のつながらない親族】

血のつながらない親族 前作『大家さんと僕』の続編です。 『大家さんと僕』の感想はこちらです。 冒頭の、大家さんと僕の人物紹介に、 大家さん:知的なイケメンがタイプ 僕:大家さんとの日々を漫画にしたら思わぬ大ヒットに とあります。前作の人物紹介に…

読書メーターの「芥川賞・直木賞特集ページ」にレビューが掲載された経緯

読書メーター「特集ページ」への掲載経緯 読書メーターとは、読んだ本の管理や感想(レビュー)を記録できるサービスです。 今回、読書メーターの「芥川賞・直木賞特集ページ」に、私の感想が掲載されたので、その経緯を記しておきます。 「芥川賞・直木賞特…

『大家さんと僕』矢部太郎(著)の感想【Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)のおすすめ】(手塚治虫文化賞)

Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)のおすすめ 『大家さんと僕』、一気読みしました。 なぜ、一気読みできたかというと、 上品な大家さんが魅力(挨拶が「ごきげんよう」、伊勢丹によく行く) 芸人だがうまく喋れない僕が魅力(矢部さん本人) 周りの…

『文學界(2021年2月号) (創刊1000号記念特大号)』の感想【文學界と私/作家の節目】

文學界と私/作家の節目 本書の「エッセイ特集」では、第一線で作品を書いている作家の、 デビュー前 デビュー当時 の話が書かれています。 今や誰もが知る作家にも、苦労していた時代があったとわかります。 中でも、 宮本輝さんの「同人誌のころ」 吉田修…

この1年の変化【母が別荘を買った】

母が別荘を買った 母がマンションを買いました。 住居用ではなく、別荘用です。 ですが、別荘というより秘密基地に近いです。 1LDKの秘密基地。 その場所に行くには、曲がりくねりながら登っていく山道を、車で走らなければいけません。 道のイメージは、「…

『「山奥ニート」やってます。』石井あらた(著)の感想【働かないで生きる選択肢】

働かないで生きる選択肢 著者の石井さんは、和歌山の限界集落でニートをしています。 住んでいる場所は、最寄り駅から車で2時間かかる山奥の、廃校になった小学校の校舎です。 そこに、10代から40代の男女15人が住んでいます。 石井さんは、 浪人、留年、中…

『漫画家入門』浅野いにお(著)の感想【漫画家の厳しい現実】

漫画家の厳しい現実 漫画家になるためのノウハウ本ではありません。 「浅野いにお」という漫画家の日常を記した、エッセイです。 では、なぜタイトルが『漫画家入門』なのでしょうか。 「入門」というと、漫画家になるための第一歩というイメージです。 むし…

『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン(著)の感想【勝ち負けにこだわらない生き方】

勝ち負けにこだわらない生き方 著者のワンさんは、イラストレーターと会社員のダブルワークをしていました。 ですが、40歳になる直前、会社を辞めました。 え、40歳で? って感じです。 ワンさんは、独身で一人暮らし。家は賃貸で、車は持っていないそうです…

『絶歌』元少年A(著)の感想②【元少年Aの「人を殺してはいけない理由」】

元少年Aの「人を殺してはいけない理由」 感想①はこちらです。 ――どうして人を殺してはいけないのか? もし元少年Aが、10代の少年に問われたら、以下のように答えると言います。 「どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対にしないでください…

『僕の人生には事件が起きない』岩井勇気(著)の感想【日常を楽しめる角度】

日常を楽しめる角度 ハライチ岩井さんの初の著書(エッセイ)です。 日常で起きる些細な出来事を、独自の視点で描きます。 起こる出来事は、本書のタイトルどおり、「事件」とは言えないものばかりです。 例えば、 久々の同窓会で、マウントを取ってくる同級…

『絶歌』元少年A(著)の感想①【心は揺さぶられた】

心は揺さぶられた 1997年、酒鬼薔薇聖斗と名乗る人物は、少女1人と少年1人を殺害しました。 犯人は、14歳の少年でした。その少年(元少年A)の手記です。 書かれているのは、 少年Aの生い立ち 犯行に至るまで(ナメクジ切断、猫殺しなど) 犯行(少年少女の…

『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』乗代雄介(著)の感想【感服しました】

感服しました 乗代さんの何がすごいって、 高校時代、模試でわざと間違った答えを書き、点数を下げていた 大学時代、教授から長文メール(あなたの文章に惚れ込んでいますという内容)をもらった ことです。そんな人がいるのかと、唖然としました。 1につい…

目標を持たないこと、何もしない言い訳

目標を持たない ある試験勉強をきっかけに、 本を読むこと ブログを書くこと を辞めていました。 読書やブログを書くことは、時間がかかるからです。 ですが、 試験勉強が終わってからも、以前のように、 本を読んだり ブログを書いたり できませんでした。 …

『猫を棄てる』村上春樹(著)の感想②【父親の期待に背くこと】

父親の期待に背くこと 感想①はこちらです。 村上さんの父親は、戦場で生き残りました。 戦争から戻った父親は、京都帝国大学で文学を学びます。 村上さんの母は、 あなたのお父さんは頭の良い人やから と、よく言ったそうです。 父親に比べ、村上さんは、 学…

『猫を棄てる』村上春樹(著)の感想①【父親との確執】

父親との確執 村上さんが、父親について語ります。 思い出すのは、日常のありふれた光景だと言います。 父親とのエピソードに、「猫を棄てたこと」があります。 村上さんが小学校低学年の頃、父親と一緒に海岸へ行き、猫を棄てます。 「かわいそうだけど、ま…

本を読んだときに気を付けている3つのこと

1.もっと早く読めば良かった 本を読んだときに、最も気を付けている感想は、 もっと早く読めば良かった 学生時代に読みたかった です。 そのような感想を持ってしまうと、 今読めた自分を否定してしまいます。 さらに、読んだ本から学ぶ意識が薄れてしまい…

新型コロナウイルス(緊急事態宣言)が教えてくれた【本当に必要なもの、なくてもいいもの】

本当に必要なもの 新型コロナウイルス(緊急事態宣言)が教えてくれたことは、 本当に必要なものは何かを考えることでした。 緊急事態宣言下では、 店の営業自粛や営業時間の短縮 在宅ワーク リモート会議 などで、人と接する機会が極端に減りました。 人と…

『給水塔』岸政彦(著)の感想【大阪での断片的な出来事】

大阪での断片的な出来事 著者の岸さんは、大学入学以降、大阪に住んでいます。 大阪に住んだ岸さんは、 ベースを始めて、仕事として演奏 バーテンダーのバイト 大学院に落ちて、発掘現場や建設現場で日雇い労働 と、勉強以外に一生懸命です。 発掘現場のバイ…

『高橋弘希の徒然日記』高橋弘希(著)の感想【歌人、俳人、廃人】

歌人、俳人、廃人 エッセイというより随筆です。 語り口が堅い(古風な)分、語られている内容のおかしさが浮き出ます。 例えば、アニメ「けものフレンズ」を「一切、理解できぬ。」と言いながら最後まで視聴したり、コアファンしか知らないコラボ企画に参加…

『はじめての沖縄』岸政彦(著)の感想【沖縄について考えることから考える】

沖縄について考えることから考える 「はじめての沖縄」というタイトルですが、初心者向けの沖縄旅行本ではありません。 この本は、沖縄の時事問題や歴史的事件についてわかりやすく解説した、「役に立つ」本ではない。むしろ、そんなことを考えて何になるの…

『断片的なものの社会学』岸政彦(著)の感想【分析も解釈もできない出来事】

分析も解釈もできない出来事 著者の岸さんは社会学者で、 普段は、人々の語りを聞き取るスタイルで、調査しているそうです。 ただ、本書は違います。 社会学として、語りを分析することは、とても大切な仕事だ。しかし、本書では、私がどうしても分析も解釈…

『自由思考』中村文則(著)の感想【文学、社会、政治を考える】

文学、社会、政治を考える 2002年のデビューから2019年までに書いたものをまとめた、エッセイ集です。 3つの章に分かれています。 エッセイと文学論的なもの 社会問題や政治 エッセイと受賞関連の文 書き下ろしは、以下の3つです。 作家志望の方々に この国…

『東京を生きる』雨宮まみ(著)の感想【幸せとは何か】

幸せとは何か 幸せになりたい。誰もが願います。 その漠然とした、幸せとは何でしょう。 「そんなことしてたら、ずっと幸せになんかなれないよ」。 そう言うときの人の顔が、いちばん醜いと思う。(p.185) 「幸せになんかなれないよ」という言葉は、足を引…

『なるべく働きたくない人のためのお金の話』大原扁理(著)の感想【やりたくないことから逃げる】

やりたくないことから逃げる 「やりたいことをしよう」 成功している人がよく言うイメージです。 ですが、やりたいことがわからない人もいます。 「やりたいことがわからないんです……」 と言おうもんなら、 「絶対あるから。探そう」 そんなときは、逆の発想…

『旅の人、島の人』俵万智(著)の感想【石垣島移住で母子が再生していく】

震災を機に石垣島に移り住む 2011年の東日本大震災のとき、俵万智さんは仙台に住んでいました。 震災のニュースばかり見ていたら、小学生の息子に指しゃぶりや赤ちゃんがえりのような症状が出始めたそうです。 石垣島に引っ越した旧友を思い出し、俵さんから…