登場人物がからっぽと言われて
私は数年間、物語を書いています。
公募にチャレンジしていますが、二次選考止まりです。作品を読んでくれた人から、「登場人物がからっぽ」と指摘を受けました。
自分では書けているつもりでも、他人の目から見れば、ご都合主義であったり、からっぽの登場人物だったりするわけです。
物語の流れ、キャラクタ―のつくり方を学びたく、手に取りました。
途中で書けなくなるのはラストを決めずに書き始めるから
プロで活躍している人の中には、「結末は決めずに書き始めたほうが面白い」という人もいます。
しかし、プロでない人間がたやすくできることではありません。凡人には凡人なりのやり方があります。
- 物語全体の流れを作る
- キャラクター(主人公、敵対者、援助者)を作る
これらを考えてから書き始めることで、途中で挫折せずに最後まで書ける可能性が高まります。
物語全体の流れ
- セットアップ:冒頭。いつ(時代)、どこで(舞台)、誰が(主人公)を提示。
- 最初の事件:クライマックスに関係のある事件を起こし、好奇心を刺激。
- 展開・葛藤:物語の大半を占める、クライマックスまでの過程。障害を一つずつクリアしていく。
- クライマックス直前:クライマックスの逆をやる。ギャップを演出する。
- クライマックス:ラストの出来事。具体的な成功指標をクリアするかどうか。
- 解決:余韻。読者へのフォロー。
いつ、どこで、だれと、どのように、何をする、なぜ(動機)を考えていきます。
人物がからっぽなのは、動機や欲求が見えないから
どんなに素敵なキャラクターでも、舞台に棒立ちのままでは映えません。その魅力を引き立たせるには、何かしらの行動――恋愛なり、戦いなり――をさせなければなりません。そして行動するからには、そのように行動するだけの動機や欲求があるはずです(p26)
私は、ストーリーを描くときに、映像を浮かべ、その映像を書き出すことで物語を作っていました。
しかしそれだけだと、登場人物が、物語の都合の良いように動かれる駒です。
その行動に至った動機や欲求を理解し、物語に提示しなければいけなかったのです。
人には欲求(動機)、価値観(好み、善悪の判断)、能力があります。それらを踏まえた上での行動でないと、読み手の感情が乗っていきません。
変化を描く
ドラマとは、葛藤や対立と同時に、変化を描くことでもあります。(p.164)
それを体験する前と後で、何かしらの変化を生じさせてくれる作品は貴重だと、改めて感じました。