概要
NHKの創作テレビドラマ大賞を受賞した作品のドラマ化。
弁当屋の店頭代理として働く26歳の主人公が、週休4日を希望する同い年の女性と出会い、交流していく話。
主要人物
- 高橋:26歳の店長代理。仕事はしたくないけど、生きるためには仕方ない。3年働いて有給休暇は使ったことがない。
- はな:高橋の勤める弁当屋でパートを始める26歳。食べるために働いているはずなのに、食べる時間がなかったからと、前職を退職。こけしが好き。
配られたカードで勝負するしかない
高橋は、弁当におかずをつめるのが遅く、事務仕事も遅いです。
店長代理とは名ばかりで、マネージャーにはもちろん、他のパートさんにさえなめられています。社員だから多くの仕事を任され、帰宅するのは終電ぎりぎりです。
愚痴をこぼす高橋に、はなは「配られたカードで勝負するしかないのさ」とスヌーピーの言葉を引用します。
自分に与えられたもので、どう生きていくかを考えなければ、生き抜いていけません。それは、好きなことや得意なことではないでしょうか。
好きなことがある人は、仕事を辞めても生きていける
高橋は、熱中できるほど好きなことがありません。
はなには、それがあります。こけしです。都内のイベントや鳴子のイベントを楽しみに生きています。
仕事が忙しすぎると、趣味に時間を割けません。
好きなことがあるのに、それができないと、何で生きているんだろうと気分が落ちます。はなが仕事を辞めた理由はそこでしょう。
だから高橋は、仕事を辞めることができません。辞めたところで何をやっていいかわからなくなるからです。
働きたくない人の生き方
高橋が働くのは、働かないと生きていけないから、他にやりたいことがないからです。
はなは、贅沢ができなくても、食べるだけの収入があって、こけしを眺めることができれば幸せという考えです。
高橋はそんなはなに惹かれます。しかし、はなは何故高橋に好意を抱くのでしょう。
それは、はなが生きていくための道具として高橋を認識したからだと思います。
会社のために自分を殺してあくせく働く高橋は、会社にとって使いやすい駒であるだけでなく、はなにとっても都合の良い存在なのです。
はなは、週に3日しか働かないのに都内で一人暮らししています。金銭的にはかなり厳しいです。そこに正社員の高橋がいたら? それも仕事を辞める度胸なんてない人間です。
このドラマは働きたくない人の生き方を描いています。