いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『愛が嫌い』町屋良平(著)の感想【生きがいや夢がない人に】

生きがいや夢がない

 何のために生きていますか

 に、明確に答えられる人って、そんないないと思います。

 私は、ぼんやりと日々をやり過ごしています。

 仕事嫌だなあ、早く帰りたいなあ、休みがいいなあ、というように。

 29歳の主人公は、2年前に仕事を辞め、深夜のファミレスでバイトをしています。

 バイトまでの時間は、女友達の子どもをお迎えに保育園へ行っています。

自分には先ゆきというものがまるでない生きがいもなければ野心もない夢もなければ愛もない。ないないづくしの自分のほんとうの「なさ」がなんなのか、それこそがぼく自身にもわからないコアな性質だった。(p.109)

 気力がない主人公。それに、ない理由がわからないようです。

 女友達の子どもと散歩しながら、相手が言葉を話せないからとぶつぶつ独り言を放ちます。

 以下に興味がある人におすすめです。

  • 生きがいがない
  • 夢がない
  • 愛するのや愛されるのが怖い
愛が嫌い

愛が嫌い

 

一言あらすじ

 ファミレスでバイトをする主人公は、女友達の子どもを迎えに保育園に行く習慣がある。女友達と彼女の夫が仕事で忙しいから、その子どもと散歩をしたり風呂に入れたりしている。

 

主要人物

  • ぼく:主人公。ファミレスで深夜バイトをする29歳
  • ひろ:女友達の子ども。2歳1か月

 

理解されないからこそ話せる

 相手がよくわかっていないからこそ話せることってありますよね。

 仕事の話を同僚にするよりも、その仕事を知らない人にする方が気楽というか。

 同僚に話すと、変にアドバイスされちゃうから嫌なのかもしれません。具体的な提案をされると、こちらがその気でないと疲れてしまいます。

 主人公のぼくは、ひろが理解できないことをいいことに、独り言を話します

 終わりが来ることを前提に。

ひろがほんとうにことばをおぼえはじめたら、もうこんなことは止めよう、とぼくは決意した。いわばぼくはひろの沈黙という非社会的状況に自分の非社会的状況をリンクさせて、甘えているだけにすぎない。(p.125)

 人に何か話すと返答がきますが、ひろは言葉を話せないため、返事がありません

 主人公が、誰かに思いを正直に話したら、今の生活を見直すよう言われるでしょう。29歳でバイト生活のことも、友人の子どもをお迎えに行くことも。

 本心を言う相手は、言葉を理解できない子どもか、酔っ払っている友人です。

 何を言われるわけでもありませんから。ひろが話し始めるまでの限定です。

 ひろも、成長したら主人公のことを覚えていないでしょうし。

 そんな主人公は、バイトで廃棄食材を調理したり、レジから小銭を盗んだり、動かないバイトに難解な語彙で罵倒したりする人間でした。

愛が嫌い

愛が嫌い

 

調べた言葉

屈託のない:あることにこだわって、心配することのない

不躾:礼儀をわきまえていないこと

穏当:穏やかで無理のないこと