いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

村上春樹作品で最初に読むべき小説【初心者向けおすすめ本3選】

短編がおすすめ

村上春樹作品を読んでみたいけど、どれを読んだらいいかわからない

そんな方向けに、おすすめ作品を紹介します。

結論から言うと、短編がおすすめです。

その理由は2つです。

  1. 読みやすいから
  2. 自分に合うかどうかわかるから

1つ目、読みやすいという点です。

村上さんの短編は、生活に近い作品が多いので、なじみやすいです。

なじみやすいと、読んでて目に浮かびやすいので、すらすら読めます

例えば、

  • カフェで同じ本を読んでいた人と交流する話(『偶然の旅人』)
  • ときおり自分の名前を思い出せなくなり、名前を書いたブレスレッドを身に着ける女性の話(『品川猿』)

長編だと、ファンタジー要素が強くなるので、なじみやすさは薄れます。短編が良かったら、ぜひ長編もチャレンジしてみてください。

2つ目、自分に合うかどうかわかるという点です。

村上春樹さんの文章には独特の特徴があります。

デビュー作『風の歌を聴け』の一行目です。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

少し鼻につくなあと、思われる方もいると思います。

文章の感じが自分に合うかどうか、まずは短編で試してみるのが良いでしょう。 

おすすめの短編3作品

で、何を読めばいいかということですが、短編3作品を紹介します。

これらの作品が良かったら、ぜひ長編も読んでほしいです。

  • 『東京奇譚集』
  • 『レキシントンの幽霊』
  • 『中国行きのスロウ・ボート』

『東京奇譚集』

奇譚とは、不思議な話という意味です。

東京で起きた不思議な話を集めた作品です。

「世にも奇妙な物語」が好きな人は特に合うと思います。

上で紹介した、『偶然の旅人』と『品川猿』も収録されています。

また、映画化された『ハナレイ・ベイ』(サーファーの息子を亡くした母の話)も入っています。

東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

 

『レキシントンの幽霊』

この作品の中に、私にとって一番考えさせられる短編が、収録されています。

それは『沈黙』です。

ボクシング経験者に、「誰かを殴ったことはあるか」を聞いたとき、「一度だけある」と返答がありました。その内容が物語になっています。

どういう人間が一番恐ろしいか、考えさせられます

高校生向けの集団読書テキストに採用された作品です。

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

 
沈黙 (集団読書テキスト (第2期B112))

沈黙 (集団読書テキスト (第2期B112))

 

『中国向きのスロウ・ボード』

この作品の中に、私が一番好きな短編が収録されています。

それは『午後の最後の芝生』です。

芝刈りのバイトをする大学生の、バイト最後の日を描いています。

真夏の太陽の光を浴びながら、口笛を吹いて芝生を丁寧に刈る描写が素敵です。

ちなみに村上春樹さんの奥さんが、この作品を好きなようです。

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

 

長編を読むなら

上にあげた作品が良かったら、他の短編や長編を読んでみてください。

最初に読む長編を一作上げるなら、『羊をめぐる冒険』です。

星のマークがついた羊を探しに、北海道をめぐる話です。

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)