記録のためのメモではない
メモと聞くと、
- 記録
- 備忘録
が、思い浮かびます。
ですが、本書で言うメモは、そうではありません。
「知的生産のためのメモ」です。
(中略)
新しいアイデアや付加価値を自ら生み出すことを強く意識して、メモを書き始めてみてください。
メモを取ることでアイデアが生まれ、
行動に移すことで成長につながると、前田さんは言います。
例えば、「この映画、面白いな」と思ったとします。(中略)この意識に「なぜ」を向け、言葉にする作業こそが、僕らの抽象化能力・言語化能力を引き上げます。「なぜ面白いのか」をきちんと言語に落とし込んで、人に伝える作業をすれば相当な力がつきます。
映画を観て「面白かった」で終わるところを、
- 何が面白かったのか(事実)
- なぜ面白かったのか(理由)
- その面白さは他にも使えないか(転用)
をメモすることで、具体的な行動へつなげることができます。
前田さんの言葉を抜粋すると、
①インプットした「ファクト」をもとに、②気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、③自らのアクションに「転用」する。
行動につなげれば、映画を観て「面白かった」だけで終わらず、成長できるというわけです。
メモの前に「自分は何をやりたいのか?」
メモを取ること自体が目的にならないよう、前田さんは言います。
メモや抽象化の技法を学んだところで、結局、「自分が何をやりたいか」ということが明確でなければ、さして意味がありません。まるで、特に倒したい敵もいないのに剣を持って佇んでいる戦士のようなものです。
「自分が何をやりたいか」を明確化しておかなければ、メモを取ったとしても、うまく行動に移せないからですね。
最終的には「自分は何をやりたいのか?」という問いに行き着きます。自分を知り、自分の望みを知らないまま、どんなビジネス書を読んでも、どんなセミナーに行っても、まず何も変わらないでしょう。まず「自分を知る」ことがなによりも重要です。
本を読むことについて、考えさせられました。
読みたい本から学ぶのではなく、
- まずやりたいことがあって、
- それに合った本を読み、
- 行動に移す
方が、成長に直結するでしょう。
目に入った面白そうな本を、手あたり次第読むのも楽しいのですが、
- 「自分が何をやりたいか」を明確にし、
- やりたいことに合った本を読み、
- 学んだことを実行する
ことが、成長につながると感じました。
やりたいことがわからない方向けに「自己分析1000問」がついているので、就活生や転職を考えている方にもおすすめです。
調べた言葉
- 膾炙(かいしゃ):広く知れ渡っていること
- 死生観:生きることと死ぬことに対する考え方
前田さんの実体験が多く書かれている本『人生の勝算』の感想はこちらです。