いっちの1000字読書感想文

平成生まれの社会人。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『読書する人だけがたどり着ける場所』齋藤孝(著)の感想【深みのある人生】

深みのある人生

「読書する人だけがたどり着ける場所」は、深みのある人生です。

具体的には、

  • 思考力
  • 知識
  • 人格
  • 人生

に、深みが出るということです。

なぜ読書で深みが出るかというと、「体験」が関係しています。

自分一人の体験に読書には限界がありますが、読書で疑似体験をすることもできます。

読書によって人生観、人間観を深め、想像力を豊かにし、人格を大きくしていくことができるのです。(p.8)

読書でいろんな人生を追体験すれば、多様な考えを取り込めるということです。

人が人と関わりながら生きていくうえでは、他人の気持ちを理解して認め、受け入れることが必要とされます。(p.151)

人生を追体験することで、複雑な感情を読み取ったり、その感情を言語化したりできるようになると、齋藤さんは言います。

ドラマや映画でも他人の人生を追体験できますが、映像では想像力が働く余地は小さいです。

映像は、文字で説明されるより「一目瞭然」でわかる便利さがありますし、視覚・聴覚に訴える情報量が多い分、短時間でワールドに入っていけます。

ただ、それは同時に自分の頭を使わなくてもいい、ということでもあります。想像力、イメージ力を駆使する必要が減るのです。(p.58)

宮崎駿監督は、「となりのトトロ」を何度も見せる親に、「そんなことをしてはダメだ」と言ったそうです。

読書はしたいけど、なかなかできない人におすすめです。

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

  • 作者:齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: 新書
 

深みの人生になっているか

深みのある人生になるので本を読みましょう!と言って、

本を読んでなかった人が本を読むでしょうか。

読まないでしょう。

本を情報を得る手段だととらえていると、コスパは悪いです。

0→1の情報を知りたければYouTubeの方が手軽で理解しやすいですし、

1→10にする情報も、YouTubeが担っていくような気がします。

研究職を目指すようなレベルでなければ、情報を得るための読書は不要でしょう。

では、何のために本を読むのか

私は、単純に楽しいからです。

ゲーム好きな人がゲームをするように、

私はたまたま読書が好きだったから読んでいるだけです。

人生に深みを出すために読んでいるわけではありません。

ましてや、自分が深い人間だとも思ってもいません。

ゲームだって、アニメだって、他人の人生を追体験できます。

本だけに限ったことではありません。

ただ違いとして、本は、文字から情景を想像する必要があります

映像がない分、想像力を働かせる必要があります。

それでもやはり、想像力を働かせたいから本を読んでいるわけではありません。

単純に楽しいからです。

齋藤さんの言う「読書する人がたどり着ける場所」には、たどり着けていません。

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

  • 作者:齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: 新書