いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『読書という荒野』見城徹(著)の感想【本は現実を戦うための武器】

本は現実と戦うための武器

本は「現実と戦うための武器」だと、著者の見城さんは言います。

本とは単なる情報の羅列ではない。自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。

「現実と戦う武器」と聞くと、

わからないことを調べる(情報を得る)手段だと思いそうですが、違います。

読書をすることは、実生活では経験できない「別の世界」の経験をし、他者への想像力を磨くことを意味する。本のページをめくればめくるほど、人間の美しさや醜さ、葛藤や悩みが見えてくる。

読書の流れは、

  1. 本を読んで「別の世界」を体験
  2. 登場人物たちに心を通わせる(=他者への想像力を磨く)
  3. 自分の問題として捉え直し、実生活に活かす

です。

重要なのは、「何が書かれているか」ではなく、「自分がどう感じるか」なのである。

書かれている内容ではなく、自分がどう感じるかが、現実と戦うときに役立つということでしょう。

この本のテーマは、読書論である。僕の人生と、その人生のなかで読んできた膨大な数の本について語ることで、一人の人間がいかにして自分の言葉を獲得し、言葉によって道を切り開いてきたかを明らかにしていく。

見城さんの幼少から、学生時代、出版社時代、幻冬舎を創業して執筆現在にいたるまでが書かれています。

読書に没頭するとどうなるのか興味がある人におすすめです。

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

  • 作者:見城 徹
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: 単行本
 

要約より感想を書く

このサイトは、タイトルに「1000字読書感想文」と入れながら、

要約に多くの文字数を割いている記事もあります(特にビジネス書)。

なぜなら、私の感想よりも本の要約の方が、読んでいる人に役立つと考えたからです。

ですが、本書を読んで、書き方を変えることにしました。

きっかけは「何が書かれているかより自分がどう感じるかの方が重要」という見城さんの言葉です。

自分のために本を読んでいるのに、記事を書くときは読んでいる人向けなんて、傲慢ですよね。(本と人をつなぎたいという大層なことを考えていました)

読者に向けて書いているのは著者なので、読者である私がそのように書く必要はありません。

本に関する記事を読んでいて、私が感じるのは、

  • 要約よりその人自身の感想の方が面白い
  • 本文を引用して、同調に徹している(※)ことに違和感を抱く

ということです。

(※)特に、自分はわかってたかのように書いてある場合です。著者の言葉を自分の言葉のように使って、本の内容を記事の読者に説明しています。著者でないのにどの立場から言っているんだろうと感じますし、私もそういう書き方を見直します。

今後の記事は、

  • 前半=要約(本の紹介)
  • 後半=私の感想

にします。

本書を読んで、現実と戦う武器(=記事の書き方)を一つ得ることができました。

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

  • 作者:見城 徹
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: 単行本
 

調べた言葉

  • 市井:人が集まり住むところ
  • ペダントリー:知識や教養をひけらかすこと
  • 耽溺:(良くないことに)夢中になって、他を顧みないこと
  • 香炉(こうろ):香り成分を発散させる目的で用いる器
  • アクチュアル:現実に直面しているさま
  • 手負い:攻撃を受けて傷を負うこと
  • 訣別:きっぱりと別れること
  • 蕩尽(とうじん):財産を湯水のように使い果たすこと
  • アウフヘーベン:あるものを、そのものとしては否定しながら、別のもので活かすこと
  • エピゴーネン:模倣者。亜流