芸能界の外に目を向ける
以下は、西野さんが「芸能界の外」に目を向けるまでです。
- 先輩の誘いを断り、漫才のネタを書き続ける
- 漫才コンテストで大賞受賞
- 20歳で「はねるのトびら」スタート
- 「はねるのトびら」が日本一視聴率を取る番組に成長
- でも、先輩たちを追い抜く気配がない
その山を登れば景色が広がるものだと信じて、誰よりも努力して登ってみた。
だけど、そこから見えた景色は、タモリさんや、たけしサンや、さんまサン、ダウンタウンさん、ナインティナインさん…といった先輩方の背中だった。(p.13)
西野さんは、努力した上で、外に目を向けています。
勝てる場所を探し出したのは、努力して無理だとわかったときでした。
何かを頑張りたい人におすすめです。勇気をもらえます。
「ひな壇には出ない」と宣言する必要
「(テレビの)ひな壇には出ない」と言ったところ、バッシングを浴びた西野さん。
25歳の頃に「僕は、ひな壇では勝てないから、ひな壇に出ません」と宣言したところ、ネットニュースお得意の切り取りハラスメントに遭った。(『魔法のコンパス』より抜粋)
切り取られたのは、「ひな壇では勝てないから」という部分でしょう。
そこが抜けると、ひな壇で活躍してる人や、ひな壇を目指して頑張っている人にとって、面白くありません。
どういう状況で宣言したのかは書かれていませんが、
「ひな壇に出ない」と宣言する必要があったのでしょうか。
ひな壇のオファーを断るために、会社やマネージャーに言うならわかりますが、
周りに宣言する必要があったのかは、疑問に感じました。
西野さんがひな壇に出ない理由は、
- 時代の流れ(テレビからスマホへの移行で、小さな画面で大勢が出る番組は見にくい)
- 自身の能力(ひな壇では他の芸人に勝てない)
を踏まえたものです。
ボクが走っていたレールというのは、(中略)先輩方が、もともと何も無かった世界に敷いてくださったレールだ。
当然、そのレールを走ると、最終的には、最初にレールを敷いた人間の背中を押す作業に入る。
「『踊る!さんま御殿‼』で結果を出せば出すほど、さんまサンの寿命が伸びる」という構造だ。(p.15)
西野さんは、ひな壇で勝てないと言いながら、勝つ必要もないと考えたのでしょう。
ひな壇で勝っても取り分が少ないなら、レールが敷かれていない世界(=新世界)を探そうと。
ひな壇に座る芸能人は、いわば会社員です。
会社員が成果を出しても、取り分は会社や株主に入り、自分には入りません。
では、会社員として働いている人が、同僚から「会社員向いてないから辞める」と言われたらどうでしょう。
良い気分にはなりません。
周りに宣言せず、黙って辞めればいいのです。