逃げた先で次の策を考える
やり手の実業家のイメージがある家入さん。
かつては引きこもりの学生で、高校を中退していました。
高校中退後に大検を取り、住み込みで新聞配達のアルバイトをしながら芸大を目指します。
ですが、センター試験の申込みを忘れ、翌年は試験に寝坊するという愚かさ。
そんな家入さんの、ダサいエピソードが語られます。
読んだ後には、「こんな人でも社長になれたんだ」と思ってしまいます。
家入さんは、生まれつき頭が良いわけでも、家庭環境が良いわけでもありません。
では、なぜ社長になれたのでしょう。
本書で良いのは、
- 「こんな僕でも社長になれたのだから、お前も○○をやれ!」という押しつけがましさがない
- ビジネス書にありがちな「俺すごいでしょ」的な臭いがしない
ことです。
プライドの高さを感じさせず、親しみやすさすらあります。
一つだけと掛ける言葉は、読者ではなく、悩みを抱えていた過去の家入さん自身にです。
「逃げることは、悪いことじゃない」
家入さんは、高校から逃げ、受験から逃げ、仕事から逃げてきました。
それでも、レンタルサーバー業で起業し、社長になりました。
逃げたから社長になれたわけではありません。
逃げた先で、自分に何ができるかを考え、行動したからでしょう。
家入さんが社長になれたのは、
- 好きで得意なことに没頭した
- 没頭したものが世の中のニーズに合っていた
からだと思います。
何かを好きになるきっかけ作りや、後押ししてくれたのは、家族でした。
例えば、
- 中古パソコンを買ってくれ、パソコン通信を勧めてくれた父
- 山田かまち(画家・詩人)を教えてくれた母
- 毎日絵を描いていたら、油絵の道具を買ってくれた父
重要なのは、きっかけや後押しに、家入さんが乗ったことです。
家入さんが拒否していたら、何にも変わらなかったはずです。
また、没頭したレンタルサーバー業が、世の中のニーズに合っていたことで、起業してすぐに利益が出ます。
家入さんの進路を分けたのは、「絵」か「パソコン」かの選択です。
家入さんにとって、どちらも好きで得意なものですが、「パソコン」を取る先見性は、世の中のニーズに合ってます。
仮に芸大受験にこだわり続け、芸大に入学していたら、家入さんの周りに、今ほど人が集まってこなかった気がします。
私が本書から学んだのは、
- 嫌なことから逃げてもいいが、逃げた先で次の策を考える
- 成功するには、好きや得意だけではだめで、世の中のニーズに合ったものに没頭する
- 誘いにはとりあえず乗ってみる
です。
無名の私が、好きなことを好きなように書いているだけでは、世の中のニーズに合っていませんが、読んでくださる少数の方に向けて、続けていこうと思います。