自己肯定感を育む方法
乙武さんは、生まれつき手足がありません。
手足のない体で生まれたことを、一度も恨んでいないと言います。
なぜでしょう。
自己肯定感があったからだと乙武さんは言います。
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と、自分自身のことを認める気持ち。この”自分を愛する力”が、何より、僕自身の人生の支えになってきた
自分を肯定することで、障がいを受け入れ、苦しまず生きてこられたそうです。
では、手足がなく、周りと違う自分を、なぜ肯定できたのでしょう。
両親の力が大きいと感じました。
父親は、
朝起きてくると、リビングにいる母や僕に向かって、開口一番、決めゼリフ。
「おはよう。今日も愛してるぜ!」
母親は、乙武さんが小学生のとき、気が強く友達に指図する姿を見て、悩みます。
「目に余る”強さ”を削り取り、謙虚な人間に育てていくのか」
「障害をものともしない”強さ”を尊重して育てていくのか」
両親で話し合った結果、強さを削らず、強さを尊重して育てることに決めたそうです。
自己肯定感を育むためには何が必要か、乙武さんは言います。
能動的な「愛を伝える」という行為とともに、「ありのままの子どもを受けいれる」という受動的な姿勢も欠かすことができない
- 愛を伝える:乙武父
- ありのままの子どもを受けいれる:乙武母
乙武さんの両親が行ってきたことです。
ありのままを受けいれるとは、
世間を敵に回したって、どんな嘲笑や冷ややかな視線を浴びたって、自分だけはこの子の味方でいる
覚悟のことです。
自己肯定感を育むには、
- 愛を伝える
- ありのままを受けいれる
ことです。
親が子に何かを教える必要はないのかもしれません。何かを求めてもいけないのでしょう。
親の願望を、愛に見せかける言葉があるそうです。
「あなたのためを思って」
親の願望を子に背負わせる言葉だと、巻末の対談で泉谷閑示さんは言っています。
そうならないためには、
親が、「親」という役割の前に、ひとりの人間として、自分の人生を幸せに生きていることが大切
だと言います。
学歴があったらよかったなと後悔している親は、子どものお受験に熱心になるし、バイオリンが弾けるようになりたかったと思っている親は、子どもが好きでもないのにバイオリンを習わせたりします。
学歴がなく就きたい仕事に就けなかった親が、同じ苦しみを子どもがしないよう、あなたのことを思って、指導する気持ちはわかります。
でも、苦しんだって良いと思いました。
受験やバイオリンなど、多くの選択肢を親が提示するのは良いことでしょう。
ただ、最終的に選ぶのは子どもです。その選択をありのまま受けいれる自分でありたいです。
調べた言葉
- 鼻っ柱が強い:強く主張して譲らない
- 鼻持ちならない:言動や様子が嫌みでがまんならない
- 居丈高:人を威圧するような態度をとるさま
- 推挙:ある人を特定の職業などに推薦すること
- 慧眼:物事の本質を見抜く、洞察力をもつこと
- 標榜:主義・主張などを公然とかかげ示すこと
- 端緒:物事のはじまり
- いじらしい:無邪気でかわいらしいと思うさま