21世紀を代表する会社をつくる
藤田さんは、高校3年生で起業家を志しました。
ですが、大学ではバーでのバイトに明け暮れます。
バーの先輩からは、大学に行ってないなら社員にならないかと誘われます。
誘いを断ると、先輩から「将来の夢は何か」と聞かれます。
会社をつくることと答える藤田さんに、先輩は言います。
今のままじゃだめだ。その夢に近づく何かを始めるか、さもなくばこの店に就職しろ
藤田さんはバーのバイトを辞め、広告代理店でバイトを始めます。
サボろうと思えばいくらでもサボれました。
でも私はそうしませんでした。
仕事に没頭する藤田さんは、いろんな仕事を任せてもらえます。
バイト先の社長や専務の影響で、
- 『ビジョナリー・カンパニー』
- 『日経新聞』
- 『日経ビジネス』
を読むようになります。
その頃、藤田さんの目標「21世紀を代表する会社をつくる」が設定されます。
人生を平凡に終わらせたくない
藤田さんが、なぜ、高校3年生のときに起業家を目指したかというと、
ミュージシャンにはなれない。今からスポーツ選手になれる訳ではない。自分の考えていたたった一度の人生を平凡に終わらせないための目標に設定できる職業は、選択肢が既に限られていました。
人生を平凡に終わらせない選択肢の一つとして、起業家を選んでいます。
- 金持ちになりたいとか、
- 女性にもてたいとか、
- 世の中の人のためになりたいとかではありません。
藤田さんは、高い目標を宣言し、目標達成のために圧倒的な努力をします。
何を聞かれても「できない」って即答しちゃだめだ。持ち帰ってできるようになればいいんだよ
ハッタリをかまし、埋め合わせるために努力します。
一方、私が感じたのは、
- 会社でこんなに働きたくない
- 私は人の上に立てないし、立ちたくない
です。
起業した藤田さんは、毎日朝から深夜まで働きます。
それでいて、多方面からバッシングを受けます。マスコミや株価の動向に振り回されます。
もちろん、苦しみながらも目標に向け努力し続ける姿に、感服しました。
ただ、私は藤田さんみたいな人にはなれないし、なりたくないです。
その感覚を、ネガティブではなく、ポジティブにとらえています。
本書でいう目標はノルマに言い替えられるし、ベンチャー企業はブラック企業に言い替えられます。
会社が好き、仕事が好きでないとやっていけません。
藤田さんは、取締役にすると話していた25歳の経理担当者を、経験不足を理由に、上場直前に撤回します。30代の野村證券出身の実力者を採用できたのです。
会社のことを考えれば、藤田さんの判断は正しいでしょう。
ただ、取締役になる予定だった25歳の社員を考えると、やりきれません。
私は、自分でできる範囲で、好きなことをやりたいです。関わる人が多いほど、自分の判断だけではやりにくくなります。
あらゆるものを犠牲にした、仕事だけの人生は私には無理です。
調べた言葉
- 同床異夢:表向きは同じ立場でありながら、考えや思惑が異なっていること
- ふてぶてしい:図太い、ずうずうしい
- 間借り:代金を払って他人の家の部屋を借りること
- 不退転:志を固く守って、あとへ引かないこと
- 守勢:相手の攻撃を防ぎ守る態勢