いっちの1000字読書感想文

一応平成生まれ。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ(著)の感想①【東大生集団わいせつ事件】

東大生集団わいせつ事件

現実の事件をもとにした小説です。

主要人物は2人。

  • 加害者の東大生「つばさ」
  • 被害者の女子大生「美咲」

美咲は、偏差値48の大学に通っています。タイトルの「頭が悪い」彼女です。

彼女は、計算高い女性には見えません。東大生に対して、素直に「すごい」と言える女性です。Gカップの胸を強調させる服装をしているわけでもありません。

オクトーバーフェスタで、加害者の東大生、つばさと出会います。

お互い別のサークルでの集まりでしたが、席が隣同士でした。

つばさと美咲は酒を飲んで意気投合し、二人で抜け出します。ノリで水上バスに乗り、ホテルで一夜を共に過ごしました。

美咲は、つばさに恋愛感情を抱いていました。やっと私にも白馬の王子様が現れた、と。

つばさも、この瞬間は美咲に好意を抱いていたように思えるのですが……

その日以降、つばさはセックスをしたいときに美咲を呼ぶ程度です。それでも美咲は、つばさに会いたいので、誘いに応じます。

事件の日、つばさを含む東大生のサークルの飲み会に、美咲が呼ばれます

東大生たちに勧められ、美咲は酒を飲みます。酔っ払って、つばさとタクシーに乗り、東大生の一人が住むマンションへ行きます

マンションで美咲は、服を脱がされ、胸を揉まれ、蹴られます。なんとか部屋から逃げ出し、警察へ逃げ込みました。

事件後、美咲は自宅で塞ぎ込みます。

事件が報道されるや、東大生への非難はもちろんですが、男の家に行った美咲にも非があるという批判がありました。

美咲は、少しでいいからつばさと二人で話したかっただけでした。

あの一夜だけは、かわいく思ってくれた?

つばさに訊きたかった。うん、と答えてほしい。お世辞でいい。私、あの夜はとっても幸せだったの。

それが叶うことはありませんでした。

彼らは美咲を強姦したのではない。(中略)彼らは彼女に対して性欲を抱いていなかった

彼らがしたかったことは、偏差値の低い大学に通う生き物を、大嗤いすることだった。彼らにあったのは、ただ「東大ではない人間を馬鹿にしたい欲」だけだった。

強姦の有無によらず、東大生たちの行為は罰せられます。

それに、美咲が逃げなければ強姦に至ったと思います。Gカップの胸をあらわにして、揉みしだいているのですから、勃起はしてるでしょう?

一方で、美咲は頭が悪すぎました

  1. 振り向いてもらえないと知りながら、つばさを追いかけすぎている
  2. 東大生たちを不起訴にする条件が「東大退学

1について、「諦めて次」と思えないくらい、つばさが良い男には見えません。が、恋に恋してしまった美咲は、感情を抑えられないのでしょう。

2について、「東大退学」を不起訴の条件にするより、大金をぶんどって、素知らぬふりしてのうのうと生きていけばいいのにと思いました。美咲には難しいですね。

つばさと美咲、二人の感情が描かれるので、欲望、痛み、嫌らしさがバシバシ伝わってくる作品です。

彼女は頭が悪いから (文春e-book)

彼女は頭が悪いから (文春e-book)

 

感想②はこちらです。

調べた言葉

  • 至便:非常に便利なこと
  • 相好(そうごう)を崩す:にこやかな表情になる
  • 目端が利く:機転が利く
  • 乾坤一擲(けんこんいってき):運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること
  • 業腹(ごうはら):非常に腹の立つこと
  • 人を呪わば穴二つ:人を呪って殺そうとすれば、その報いで自分も殺されるから、掘るべき穴は二つ必要なこと
  • 輔弼(ほひつ):君主などの政治を助けること
  • 堂に入(い)る:物事に習熟している
  • 息災:健康で元気なこと
  • 芳紀(ほうき):女性の若くて美しい年ごろ
  • 丁稚(でっち):職人や商人の家に奉公する年少者
  • 蛇蝎(だかつ)の如く:蛇とさそり。人が恐れ嫌うものののたとえ
  • 遍(あまね)く:広くすみずみまで
  • 玉響(たまゆら):ほんの少しの間
  • 下賜(かし):身分の高い人が金品をくださること
  • 挙措(きょそ):立ち居振る舞い