いっちの1000字読書感想文

一応平成生まれ。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ(著)の感想②【集団わいせつ事件に発展した理由】

集団わいせつ事件に発展した理由

感想①はこちらです。

サークルの普通の飲み会だったはずが……

なぜ、強制わいせつ事件に発展してしまったのでしょう

キーパーソンは、東大生のつばさ(被害者美咲が恋した男)です。

つばさが他の東大生たちを止めていれば、事件には至らなかったでしょう。

なぜ、つばさは止めなかったのか

美咲を見た東大生たちは、彼女の容姿をグループラインに書き込みます。

DB

DBとはデブでブスの略です。

このヒトはネタ枠ですね(笑)

書き込みに対し、つばさは「Gカップだって言ってる」と書き込みます。

「Gカップだよ」ではなく、「Gカップだって言ってる」と書いたところに、自分の陰茎を美咲の膣に挿入したことを隠そうとする無意識がある。

ですが他の東大生から、

Gカップでも、ウエストがFカップなんで、結局Aカップかと(笑)

それはない(段)! ウエストもGカップでは?

と、ネタにされ続けます。

つばさの次なる行動は、

男子面々が「ネタ枠」だとした女を、「元カノ」だと思われないようにすることだった。 

つばさは普段美咲に話すときより、汚い口調になります。

なにいまさらお嬢様ぶってんだよ

このヒト、酒ならなんでもかまわず飲むから

つばさの気持ちは、

  • 飲み会を盛り上げたい
  • 美咲を元カノだとは思われたくないが、彼女を馬鹿にされたくない

です。

他の東大生たちに美咲の裸の写真を見せることで、「体いいじゃん」と思わせます。

つばさはエスカレートし、美咲の胸をあらわにさせ

こいつ、マジ胸でかいから、さわっていいよ

と言い、

写真見せたじゃん? こいつ、あんなだから。尻軽女なわけよ。何してもいいよ

と言うことで、他の東大生たちが欲情し始めた美咲を、好きにできる男という立場を得ます

飲み会は盛り上がり、つばさは他の東大生たちに優位に立ちます。

誤算は、他の東大生たちが、美咲の体に興奮して性欲を抱くのではなく、暴行に至ったことでした。

下着を脱がした東大生が、

ウンコついてね? 

と言い、

その女、ポチャいから屁こいてても臭そうだぜ

と、散々に言います。

美咲はネタ枠から抜け出せませんでした。

ネタ枠から脱却できない以上、つばさが美咲の肩を持てば、他の東大生たちから反感を買い、飲み会がしらけます

ネタ枠から脱却できていれば、つばさは美咲を守ったかもしれません。もしくは、残虐な扱いを受けずに、美咲が警察に飛び込む事態は避けられたかもしれません。

他の東大生による暴行は加速していきますが、つばさはどうにもできず、その場をいったん離れます。

事件に発展したのは、

  • つばさが、美咲を元カノだと思っていたからこそ、「ネタ枠」だと判定した他の東大生たちに、元カノだとばれないよう、美咲にぞんざいな扱いをした
  • 美咲へのつばさの扱いを見た他の東大生たちが、ふざけて、彼女を弄んだ

それにより、誰も幸せになれない結果につながってしまいました。

彼女は頭が悪いから (文春e-book)

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