貧困女子を反面教師に
貧困女子への救いはありません。
貧困から抜け出すのは無理でしょう。
国や自治体、社会の責任にしたところで、何も変わりません。
システムの変革を待っていても、苦しさは変わりませんし、その間に死にます。
では、本書が教えてくれるのは、何でしょう。
貧困女子を反面教師にすることです。
貧困女子たちに寄り添って「かわいそう……」と思ったり、「こんな社会はおかしい!」と憤ったりするのではなく、貧困女子みたいにならないためにはどうするかを考えることです。
よって、
- 今貧困でない人
- まだ社会に出ていない学生
にとって、役立ちます。
どうすれば貧困にならないかを、逆説的に教えてくれるからです。
貧困は他人ごとではありません。私もいつ貧困になるかわかりません。
貧困にならないために、まず避けるべきことは以下のとおりです。
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勉強不足:学歴でふるいにかけられる。職業の選択の幅が狭くなる
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情報不足(受け身):行動の幅が狭まり、現状を受け入れてしまう
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非正規雇用:安月給に陥り、正規で雇われにくい
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収入に見合わない家賃:家賃を払うための労働が必要になる
いずれも一般人を想定しています。一芸に秀でた方は例外です。
体が売れる女性は、ある意味一芸があると言えます。
世の中にはお金が余っている人がいて、その人は若い女の子に会ってエッチしたい。私を欲しい人がいて、私はお金が欲しくて、需要と供給が合っている。長い時間、すごく悩んだけど、それは悪いことじゃないって。
AV女優として働ける女性も、一芸があるからです。
胸が大きく、男好きする童顔を持ち、セックス産業での商品価値は高かった。(中略)巨乳女優として、それなりに売れた。
いずれにしても若いうちですが。
やりがいを求める結果の貧困
公立図書館の非常勤として働く30代女性がいます。
図書館の仕事にやりがいを持っていますが、手取り13万です。
現場職員が業務にプライドを持って、どんなに前向きに取り組んでいても、それを雇用主である自治体は認めない。
(中略)
自分の仕事は専門職というプライドを貫きたい気持ちは理解できるが、自治体もサービスを提供される市民も、その価値を認めない。
この女性が貧困から抜け出すには、やりがいを捨てて、別の仕事に就くしかありません。
ですが、この女性は、
学芸員の資格を取得しようと、通信制大学の科目履修生になった。
真面目さは伝わりますが、その選択が正しいとは思えません。
「貧困から抜け出す気、ありますか?」と思ってしまいます。
私は、この女性を反面教師として深く刻みました。
やりがいのある仕事でも、暮らしを満足できない安月給なら、ナシだと。
感想②はこちらです。