彼女たちはなぜ躓いたのか
感想①はこちらです。
本書のサブタイトルに、「彼女たちはなぜ躓いたのか」とあります。
つまずいた先が、貧困です。
貧困は犯罪や売春に直結している。
なぜ、貧困女子になってしまったのでしょう。
転落する原因は親が低収入、親の離婚、親の虐待、経済的虐待などで、国の制度や中高年世代の無理解、自己責任論がその状況の悪化に拍車をかけていた。
親の低収入や虐待で、子どもが勉強できない環境だと、その子どもも低収入です。
誰にでもできる仕事は、低賃金だからです。
はっきり言います。
貧困女子が躓いたのは、人生のレールから外れたからです。
貧困に陥らないレールは、
- 高校OR大学卒業
- 正規雇用で就職
- 正規雇用として定年まで働くOR主婦業
です。
1の難関は、
- 親の低収入
- 親の虐待
により、勉強できる環境にないことです。
低収入や虐待で、進学や卒業のレールから外れると、戻るのは困難です。
そして高校や大学を卒業しないと、正社員で雇用されるのは厳しいでしょう。
2の難関は、
- 会社の正社員より高収入の風俗業を優先
- 非正規でやりたい仕事を優先
です。
本書では、正社員の内定を辞退し、AV女優になった女子大生がいます。
AV女優を引退後、正社員で雇ってくれる会社を見つけるのは困難でした。
やっと採用された会社では、仕事ができず、体調を崩し退職します。
また、やりたい仕事だからと、非正規かつ低賃金の職を続けている女性がいます。
やりがいだけでは生活できません。
3の難関は、
- やりがいを求めて正社員を辞める
- 専業主婦(主夫)で離婚
です。
やりがいという言葉は恐ろしいです。
「未来のある若者は福祉職に就いてはいけない。生産をして稼いで税金を払おう」というニュアンスのことをいっている
人に感謝されるからといって、お金をもらえるわけではありません。
レールを強固にするのは、収入に見合った生活です。
収入と家賃のバランスが取れていないと、
平均賃金を稼ぐ一般女性が、生活を少しだけ豊かにするために足りない月数万円を稼ぐために風俗のダブルワークをする
なんてことになってしまいます。
月数万円なら、家賃下げるか生活レベルを下げるかしようよ、と思ってしまいます。
本書は、レールから外れる恐ろしさを教えてくれます。
正社員で働いているなら、安易に仕事を手放してはいけないことを再確認しました。
行き場を失います。
- 仕事を辞めた自分に働き口はあるのか
- 転職できたとして仕事を続けられるのか
もちろん、正社員だからといって、いつまで働けるかはわかりません。
ただ、その経験は次に活かせるでしょう。
貧困に陥らないためには、正社員として働き、収入に見合った生活をする。
シンプルですが、最適解に感じました。