2020年に読んで良かった本3選
2020年に読んだ小説で、良かった3冊を紹介します。
1『土に贖う』河﨑秋子(著)
北海道で繁栄し、衰退した産業の歴史が描かれます。
描かれるのは、
- 養蚕
- ミンクの養殖
など、衰退する産業なので、ラストは切なさがあります。
切なくはありますが、
- 蚕蛾が鳥に食われるシーンは鮮やかで、
- ミンクの養殖で動物を毛皮にするために殺す是非の結末は、やるせないです。
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2.『首里の馬』高山羽根子(著)
第163回の芥川賞受賞作です。
- 沖縄で一人暮らししている主人公が、
- 孤独な場所で働いている人に向け、
- 雑居ビルの一室からオンラインでクイズを出す仕事をしています。
そんな主人公の家に、台風にまぎれて一頭の馬が現れます。
登場人物は全員ひとりです。ひとりでも、どこかから力を借りて、一日を生きています。
ちなみに、『首里の馬』と『土に贖う』は、ともに三島賞の候補作でした(受賞作は『かか』宇佐見りん(著))
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芥川賞の選評を読んだ後の感想はこちらです。
3.『水と礫』藤原無雨(著)
東京から地元に戻った主人公が、らくだに乗って砂漠へ旅に出ます。
見知らぬ土地に着き、そこでの暮らしが描かれると、再び東京での生活に戻ります。
つまり、ループものです。1,2,3と章が進んだら、1に戻ります。
ループものの小説は斬新でしたが、私が良いと感じたのは、人生の考え方です。
人生なんてものはない。お前の中には、みんなの風景が詰まってる。みんなの中にも、お前の風景がある
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