いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2020年に読んで良かった本3選【小説】

2020年に読んで良かった本3選

2020年に読んだ小説で、良かった3冊を紹介します。

1『土に贖う』河﨑秋子(著)

土に贖う (集英社文芸単行本)

土に贖う (集英社文芸単行本)

  • 作者:河崎秋子
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: Kindle版
 

北海道で繁栄し、衰退した産業の歴史が描かれます。

描かれるのは、

  • 養蚕
  • ミンクの養殖

など、衰退する産業なので、ラストは切なさがあります。

切なくはありますが、

  • 蚕蛾が鳥に食われるシーンは鮮やかで、
  • ミンクの養殖で動物を毛皮にするために殺す是非の結末は、やるせないです。

感想はこちらです。

2.『首里の馬』高山羽根子(著)

首里の馬

首里の馬

 

第163回の芥川賞受賞作です。

  • 沖縄で一人暮らししている主人公が、
  • 孤独な場所で働いている人に向け、
  • 雑居ビルの一室からオンラインでクイズを出す仕事をしています。

そんな主人公の家に、台風にまぎれて一頭の馬が現れます。

登場人物は全員ひとりです。ひとりでも、どこかから力を借りて、一日を生きています

ちなみに、『首里の馬』と『土に贖う』は、ともに三島賞の候補作でした(受賞作は『かか』宇佐見りん(著))

感想はこちらです。

芥川賞の選評を読んだ後の感想はこちらです。

3.『水と礫』藤原無雨(著)

水と礫

水と礫

  • 作者:藤原無雨
  • 発売日: 2020/11/13
  • メディア: Kindle版
 

東京から地元に戻った主人公が、らくだに乗って砂漠へ旅に出ます

見知らぬ土地に着き、そこでの暮らしが描かれると、再び東京での生活に戻ります

つまり、ループものです。1,2,3と章が進んだら、1に戻ります

ループものの小説は斬新でしたが、私が良いと感じたのは、人生の考え方です。

人生なんてものはないお前の中には、みんなの風景が詰まってる。みんなの中にも、お前の風景がある

感想はこちらです。