いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

この1年の変化【母が別荘を買った】

母が別荘を買った

母がマンションを買いました。

住居用ではなく、別荘用です。

ですが、別荘というより秘密基地に近いです。

1LDKの秘密基地

その場所に行くには、曲がりくねりながら登っていく山道を、車で走らなければいけません

道のイメージは、「箱根駅伝の山登り(5区)の道」から「鬱蒼と茂る草木」をなくした感じです。

登った先の、

  • 右手(海側)には母のマンション
  • 左手(山側)には格の違う高級マンション

があります。

高級マンションの駐車場には、ベンツ、レクサス、BMWなど、高級車が並んでいます。

見上げると、ガラス張りになっているラウンジの窓際に、遠方を眺めて立っているスーツ姿の男性の姿があります。見上げているこちらには見向きもしません。

母のマンションの駐車場にあるのは、タイヤがすり減り、ボディの赤色が褪せた原付バイクだけです。おそらく管理人のものでしょう。

格差が甚だしいですが、マンションを管理する人間がいるだけ、ありがたいと思います。

それに、母の秘密基地の大きな窓からも、海が見えます

標高が高いので、水平線を見下ろせます

標高の高さは、日差しの強さも関係しているのか、12月でも暖房いらずです。

道を挟んだ向かい側の高級マンションには劣るでしょうが、母は劣等感を抱いているようには見えません。十分だからでしょう。確かに十分です。

母は金持ちだからマンションを買ったのではありません(扶養内で働いており、高所得者ではありません)。

金持ちでなくとも購入できたマンションですが、それでも不動産を購入するというハードルはあります。簡単にポンと買えるものではありません。

では、なぜ買ったかというと、

海が見えるマンションに住んでみたい

これに尽きるそうです。

  • 日々、ネット上の不動産の物件情報を練り歩き
  • 良さそうな物件があって不動産屋に電話をするも、雑な対応にいらだち
  • いざ内見をしても物件に納得できず

を繰り返しているようでした。

その末にたどり着いた1LDKの秘密基地です。

購入までの心理的な道のりが、物件までの物理的な道のりと一致しています。

「やりたいこと」があって、「そのために何をするか」を実行し続けるシンプルさ。

感心を抱く一方で跳ね返ってくるのは、私のやりたいことは何だろう

太陽の日差しと海から反射される光を白いカーテンで遮っても、思考は逃げさせてくれません。

働きたくないなあ

思わず出た独り言は、誰に聞こえるわけでもないですが、自分だけには聞こえています。それを現在の私も認識していて、つみたてNISAを解説する動画の海をさまよいながら、それでも一応泳いでいます。

 

お題「#この1年の変化」