いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『小説家になって億を稼ごう』 松岡圭祐(著)の感想【億を稼ぐ小説の書き方】

億を稼ぐ小説の書き方

小説を書いて億を稼げるのでしょうか。

著者は稼げると言います。

実際に、著者が年収1億円を初めて超えた年の確定申告書の画像が、本書に載っています。

本書でご紹介するのは、小説家で「食べていく」のではなく「儲けて富を得る」方法です。

本書の小説の書き方をまとめると、

  1. 俳優(男女)を7人選んで画像を紙に印刷
  2. 紙に人物の名前、身長体重、年齢、出身地、職業などを書く
  3. 紙を部屋の壁に貼る
  4. 加えて5人選んで画像を紙に印刷し、壁に貼る
  5. 風景写真を3か所を選んで印刷し、壁に貼る
  6. 部屋にいる間は印刷した画像を眺め、人物の動きを空想する(情景を思い浮かべる。物語を作ろうと力まない)
  7. 乗り越えられない波乱を空想する
  8. 波乱を解決した物語の結末を空想し、簡潔に書く
  9. 結末の少し前を空想し、簡潔に書く
  10. あらすじを3行(1行40文字以内)でまとめる(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)
  11. あらすじが、1行目=設定、2行目=対立、3行目=解決であることを確認する
  12. 1行目(設定)の下に10行分のあらすじ、2行目(対立)の下に20行分のあらすじ、3行目(解決)の下に10行分のあらすじを書き加える(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)
  13. あらすじに自由に追記する(場所、情景、聞こえる音、人物の顔や服装、何を考えているか、何が起きたのか、そこに何があるのか、どう思ったか、どう感じたか
  14. あらすじをプリントアウトして読み、調査が必要な事項を調べる
  15. 舞台の場所が行ける範囲なら行く
  16. 小説の例文となる本を数冊用意し、文章表現の参考にする
  17. あらすじをもとに小説を書く(情景描写、人物描写、会話や人物の動きの順)
  18. 推敲(物語の流れの矛盾点を探す、文章表現を改める、誤字脱字の発見
  19. 誰かに読んでもらう
  20. 公募に出す

本書ならではを感じたのは、

  • 6の「印刷した画像を眺め、人物の動きを空想する(情景を思い浮かべる。物語を作ろうと力まない)」
  • 7の「乗り越えられない波乱を空想する

で、文章を書かずに、空想して物語を作る部分です。

脳内の物語が長尺になりつつあっても、まだメモはとらないでください。一字も書いてはなりません。文章にしようとする時点で自由な発想が失われ、それ以上の空想の広がりが阻害されます

文章にしようとする時点で自由な発想が失われるというのは、驚きでした。文章にすることで、新たな展開の発想を得られると思っていたからです。

チャレンジしがいのありそうな書き方です。

ちなみに、著者が「小説家は億を稼げる」ことを明らかにする理由について、

「小説家は儲からない」という風説ばかりが広まると、せっかくの才能ある人々が小説家になるのを断念してしまいます。それは文学全般をつまらなくし、出版不況に拍車をかけてしまいます。

すでに億を稼いでいる著者だからこそ、未来の作家に向け、億を稼げる事実を明らかにし、稼ぐ手法を惜しげもなく公開したのでしょう。