詩人になる方法、現代詩の書き方
「公募ガイド 2018年 07月号」を参考に、詩人になる方法をまとめます。
プロの詩人になるルートは、
- 「現代詩手帖賞」を取って単行本を出版
- 出版した単行本で「中原中也賞」か「H氏賞」を取る
だそうです。
では、現代詩手帖賞は、どのようにして取るのでしょうか。
まずは、現代詩手帖の投稿欄に応募します。
- 縦書きの原稿用紙(400字詰)か、ワープロの場合20字詰で縦書き
- 原稿の冒頭に題名・氏名、末尾に住所・氏名(本名)・年齢・職業・電話番号を一篇ごとに明記し、原稿右上でホチキス留め
- 締切は毎月20日必着(メール、FAX不可)
- 送り先:〒112-0014 文京区関口1-8-6-203 思潮社分室内「現代詩手帖」編集部<新人作品>係 ※封筒の表には<投稿>と朱筆
応募した後は、
- 毎月600~700くらいの応募から採用者が選ばれる
- 採用者の中から現代詩手帖賞が選ばれる
やることはシンプルですね。
毎月詩を書いて、応募して、結果を待つ。
結果がだめでも、次の作品を書いて、応募するのみです。
現代詩手帖賞は、1つの作品ではなく、毎月コンスタントに採用されている方から選ばれるようです。
過去15年の受賞作を読んでみましたが、かなり難解でした。
面白いと感じたのは、
- 最果タヒ(2006年)
- 水沢なお(2016年)
- 蜆シモーヌ(2021年)
水沢さんと蜆さんについては詩集も読んだので、いずれ感想を書こうと思います。
15年分読んで、3作しか面白いと感じないほど、現代詩は難しかったです。
公募ガイドには、現代詩が難しい理由が書かれていました。
現代詩の前には近代詩があったそうです。
近代詩は、
ありのままを書いた詩、わかりやすくて叙情的な詩が多い傾向
一方現代詩は、
戦争に加担したことを反省し、近代詩を否定。一貫して難解な方向に進む
なぜ、戦争への加担の反省が、近代詩を否定することにつながったかというと、
戦争中、詩は戦争を賛美するかたちで加担した
からだそうです。
戦争を賛美する詩を否定するのは良いとして、わかりやすいものを排除するのはやりすぎな気がしました。
過去に現代詩手帖賞を受賞した伊藤比呂美さんは、
新しさを追求すると難解にならざるを得ない部分はありますが、すべてそうではない
と言います。
また、詩は瞬間芸だから誰でも書けるそうです。
詩って、どこをとってもどの表現にも逸脱があるもの。今まで見たことがないものを求めていきたいというのがないとだめだと思う。「これは何?」というところがどこかにないと。詩という形で作られてきた試みの向こうに行くもの、今まで知らなかったところに私たちを連れていってくれるものが欲しい。
現代詩には、逸脱が不可欠だと言います。
現代詩が難解な理由が少しわかったような気がしました。
吉野弘さんの『現代詩入門』には、詩の公募コンクールの審査について書かれています。
『詩の楽しみ: 作詩教室』には、詩の書き方のコツが書かれています。
やなせたかしさんの『だれでも詩人になれる本 (あなたも詩人)』には、良い詩を書きたい人に向けて書かれています。