第44回野間文芸新人賞受賞作発表
2022年11月4日(金)、野間文芸新人賞の受賞作が発表されました。
受賞作は、町屋良平さんの『ほんのこども』です。
感想はこちらです。
私の予想では、『ほんのこども』に○をつけていましたが、外れました。
受賞予想は、宇佐見りんさんの『くるまの娘』でした。
受賞作が『ほんのこども』と知ったとき、
「ほんのこどもかぁー」とため息まじりに思いました。
受賞予想で○をつけたくせに、受賞作がこれで良いとは思いませんでした。
なぜなのでしょう。
悪い作品だとは思いません。
ですが、「うーん」。なんでしょうかね。
本当にこの作品はすごいのか、私には理解できなかった気がします。
作中で「ほんのこども」と「ほん(とう)のこども」を掛けているのもわかりません。どういう意図でしょうか。
それに、無理やり長編にした印象も受けました。長すぎる気がします。
受賞作と決まった途端、難癖をつけ始めてしまいました。
講談社ホームページの野間文芸新人賞の賞規定には、
最も将来性のある新人の優秀作を選びます。
とあります。
私小説に近いフィクションが、最も将来性がある新人だとは思えませんでした。
野間文芸新人賞でなく、野間文芸賞だったらわかります。
野間文芸賞の賞規定には、
優秀作を選びます。
とあります。「ほんのこども」は優秀作で間違いないでしょう。
私は、「最も将来性のある新人」という部分に、ひっかかっているのです。
「最も将来性のある新人」と聞いたら、
- 宇佐見りんさん
- 石田夏穂さん
あたりじゃないですかね。
以前、町屋さんが野間文芸新人賞の候補になった『しき』で受賞ならわかります。
ですが、『ほんのこども』は、これじゃないって思うんですよね。
ベテランの域に踏み入れているというか、新人らしからぬテクニックで書いているような。
「最も将来性のある新人」なら、新人らしい、どストレートな作品で受賞してほしいと思いました。
一方で、私は何様なのでしょう。
候補作に○△×をつけ、○の作品が受賞し、受賞作を褒めるわけではなくケチをつけている。
私は、誰のための何をやっているのでしょう。
何様でもない人間の書いた、誰のためにもならない感想。
作品の一つや二つくらい出してみろと自分に言いたくなります。
本当に申し訳ございません。
本当に思ったことを書くしかないのです。