人生100年の生き方
本書は、「100年生きる時代、自分だけの物語を描こう」というものです。
紹介文に、
「ライフシフト」を、地方在住の平均的な40代日本人男性を主人公に据え、より身近なものとして解説する
とあります。
主人公の収入は平均的ですが、スペックが平均ではありません。
主人公は、資源回収業者に勤める、元プロボクサーです。
主人公の奥さんは、短大時代に栄養士の資格を取得していました。
主人公の会社の同僚は、社会人野球に入団できるレベルでした。
本書を読んで痛感するのは、100年生きる時代に重要なのは、結局「手に職」です。
「手に職」なんて、年長者や親が言うイメージで嫌ですが、真実のようです。
主人公は元プロボクサーとしての経験を活かし、副業としてボクシングジムで指導します。
主人公の奥さんは、管理栄養士として働きます。
同僚は、都市対抗野球に出場しながら学生の指導をします。
若いときに獲得した「手に職」が、100年生きる人生の変換点で役に立ちます。
では、何もない人間はどうしたらよいのでしょうか。
平均的な40代男性に、1つでもプロ並みの能力があるでしょうか。
私は40代ではありませんが、プロ並みの能力はありません。
仕事は約10年続けてきましたが、転職に使えそうな資格や能力はありません。
「手に職」がない人間はどうすればいいのでしょうか。
お金に困らない資産に達するまで、会社で働くしかありません。
仕事を長く続ける必要があります。
私はブログを書いていますが、ブログでは生計を立てられません。
ブログ開設当初は、文章を書いて生活をできたらいいなと考えていましたが、甘くありませんでした。
未経験から司書への転職活動をしましたが、採用されませんでした。
小説を公募に出していましたが、受賞できませんでした。
司書への転職も、小説の受賞も、諦めなければいつか叶うかもしれません。
しかし、未経験での司書の採用は、無理だと判断しました。できる限りのことはやりました。小説の執筆も同じです。
頑張っても無理だろうと判断したとき、頑張れなくなります。
ただ唯一、生計を立てられる目途はないのに、ブログは続いています。
たぶん、楽しいからです。書き続けてる先に、何があるわけでもありません。
私は、主人公たちのような「手に職」がありません。
会社にしがみつく側の人間でしょう。
幸い、リストラはほとんどない業種なので、首になる心配はありません。
淡々と働き、余暇で好きなことをやる。今の私にはそれが精一杯です。
それで満足と言っていいのかもしれません。
職場環境は悪くありませんし、福利厚生も充実しています。楽しくはありませんが、少なくとも人の役には立っています。
明日仕事ががらっと変わるような業種でもありません。
人生100年生きる時代について、
- 手に職を持つ
- 安定して働ける業種に就く
本書を読んで感じたのは1ですが、2でも良いと思いました。