それでも捨てないものは
『ぜんぶ、すてれば』というタイトル。
そしてこの装丁。
読んでみたいと思わせます。
著者を存じ上げませんでした。
中野……なんて読むんだろう。よしひさ様でした。
中野さんは、75歳で現役の、すごい人でした。
一刻も早くセミリタイアしたい私にとって、考えられません。
中野さんは、何を捨てるのでしょうか。
生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと。
家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。
お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。
例えば家について、
なぜ家を買うのか。
「ここにいつでも戻って暮らすことができる」という安心感を得られるからでしょうか。
でも、それは逆に言えば「ここにいつまでも縛られる」ということ。
また、中野さんは、若いときに給料の約3分の1を寄付していたそうです。
すごすぎます。
何も持たないからこそ、
過去に縛られず、未来に悩まず、
今日を大切に生きることができる。
しかし、これは強者の理論です。
私がもし、給料の3分の1を寄付したらどうなるでしょうか。
しばらくは生活できるでしょう。
ですが、貯蓄はできませんし、貯金を食いつぶします。
寄付してしまった過去に縛られ、貯蓄のない未来に悩みます。
今日の仕事にしがみついて生きるしかないでしょう。
私になくて、中野さんにある、一番大きなものは何でしょうか。
- どこでも誰とでも働ける「自信」と「能力」
これだと思いました。
私は今の職場でしか働けないと思っています。
新しい環境で、新しい人と働くことに、ストレスを感じるからです。
中野さんは、
- 無計画に台湾へ行き、
- 台湾の人と仲良くなって、
- その人から仕事を紹介してもらい、
- その仕事で結果を出す
考えられません。
自信と能力がないとできません。
中野さんってすごいと思う一方で、私はそうなれなくてもいいと思いました。
「ぜんぶ、すてれば」と言う中野さんが、捨てないものは「仕事」です。
僕は仕事人間のつもりはないけれど、 仕事をしなければ毎日はつまらないだろうなと思う。
75歳で働いてるんだから、十分仕事人間です。
私は、一生暮らせるお金があったら、無理して働きたくありません。
2022年末にコロナになって、痛感しました。働かない選択が欲しいです。
仕事に行ったせいで体調が悪化したからです。
体調が回復するまで仕事を休みたかったですが、チキンな私にはできませんでした。
中野さんのようにはなれないと悟った私が取るべき選択肢は、一生暮らせる分のお金を貯めることです。
- 節約
- 家買わない
- iDeCo、つみたてNISA
- 募金しない
お金のために働かずに済むことを信じて、今は粛々と働きます。
感想②はこちらです。