いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想①【それでも捨てないものは】

それでも捨てないものは

『ぜんぶ、すてれば』というタイトル。

そしてこの装丁。

読んでみたいと思わせます。

著者を存じ上げませんでした。

中野……なんて読むんだろう。よしひさ様でした。

中野さんは、75歳で現役の、すごい人でした。

一刻も早くセミリタイアしたい私にとって、考えられません。

中野さんは、何を捨てるのでしょうか。

生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと

家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。

お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している

例えば家について、

なぜ家を買うのか。

「ここにいつでも戻って暮らすことができる」という安心感を得られるからでしょうか。

でも、それは逆に言えば「ここにいつまでも縛られる」ということ

また、中野さんは、若いときに給料の約3分の1を寄付していたそうです。

すごすぎます。

何も持たないからこそ、

過去に縛られず、未来に悩まず、

今日を大切に生きることができる

しかし、これは強者の理論です。

私がもし、給料の3分の1を寄付したらどうなるでしょうか。

しばらくは生活できるでしょう。

ですが、貯蓄はできませんし、貯金を食いつぶします。

寄付してしまった過去に縛られ、貯蓄のない未来に悩みます。

今日の仕事にしがみついて生きるしかないでしょう。

私になくて、中野さんにある、一番大きなものは何でしょうか。

  • どこでも誰とでも働ける「自信」と「能力」

これだと思いました。

私は今の職場でしか働けないと思っています。

新しい環境で、新しい人と働くことに、ストレスを感じるからです。

中野さんは、

  1. 無計画に台湾へ行き、
  2. 台湾の人と仲良くなって、
  3. その人から仕事を紹介してもらい、
  4. その仕事で結果を出す

考えられません。

自信と能力がないとできません。

中野さんってすごいと思う一方で、私はそうなれなくてもいいと思いました。

「ぜんぶ、すてれば」と言う中野さんが、捨てないものは「仕事」です

僕は仕事人間のつもりはないけれど、 仕事をしなければ毎日はつまらないだろうなと思う

75歳で働いてるんだから、十分仕事人間です。

私は、一生暮らせるお金があったら、無理して働きたくありません。

2022年末にコロナになって、痛感しました。働かない選択が欲しいです。

仕事に行ったせいで体調が悪化したからです。

体調が回復するまで仕事を休みたかったですが、チキンな私にはできませんでした。

中野さんのようにはなれないと悟った私が取るべき選択肢は、一生暮らせる分のお金を貯めることです。

  • 節約
  • 家買わない
  • iDeCo、つみたてNISA
  • 募金しない

お金のために働かずに済むことを信じて、今は粛々と働きます。

働きたくないときに働かない選択をしたいです。 

ぜんぶ、すてれば

ぜんぶ、すてれば

  • 作者:中野善壽
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想②はこちらです。