好きな小説家は誰ですか?
と、いきなり聞かれることは、ありません。
聞かれるには、順序があります。
「趣味は何ですか?」から始まり(そんな会話はほとんどありませんが)、
「読書です」や「小説を読むことです」と言った場合に(私は決して言いません)、
- 「どんな本を読むんですか?」
- 「好きな小説家は誰ですか?」
と聞かれます。
私は、リアルな人間関係では、本の話題を避けています。
本について本音で話すのは、気を遣うから難しいのです。
なので私は、趣味を聞かれて読書とは言いません。
ただ今回は、本音で好きな小説家を挙げてみようと思いました。
好きな小説家=新刊が出たら読む小説家とした場合。
- 中村文則:読んでない『カード師』
- 高橋弘希:読んでない『音楽が鳴りやんだら』
- 町屋良平:読んだ『ほんのこども』
- 乗代雄介:読んでない『パパイヤ・ママイヤ』
- 岸政彦:読んだ『リリアン』
- 今村夏子:読んだ『とんこつQ&A』
- 金子薫:読んだ『道化むさぼる揚羽の夢の』
- 村上春樹:読んだ『騎士団長殺し』
新刊を読んでないなら、好きな小説家に挙げるわけにはいきません。
よって、上記小説家の太字以外は、脱落です。
次に、町屋良平さん。
ほぼ全作読んでいますが、電子書籍書き下ろしの『冒険の記録』は読んでいません。
kindle版で280円で売っていますが、読もうと思いません。
280円も出せない、つまりそこまでだということです。脱落。
岸政彦さん。
文藝で連載している『クアトロ』を読んでいません。
好きな小説家なら連載も読みますよね。
社会学の本『マンゴーと手榴弾』を挫折しています。
よって脱落。
今村夏子さん。
『こちらあみ子』、『あひる』、『星の子』は面白いですが、それ以降は好きな作品がありません。
今村さんの新刊が出たとして、読もうとは思いません。脱落。
金子薫さん。
文藝に掲載された『成るや成らざるや奇天の蜂』を読んでいません。
芥川賞の候補になったら読もうと思っていましたが、候補にならなかったので、今のところ読む予定はありません。その程度なので脱落。
村上春樹さん。
小説は全作読んでいます。
単行本や全集に収録されていない『街と、その不確かな壁』を読んだくらいです。
長編より短篇が好きです。
特に、『沈黙』『午後の最後の芝生』『木野』が好きです。
ただ、好きな小説家を聞かれ、村上春樹さんを挙げるのは躊躇します。
毎年ノーベル文学賞の選考前に集まっているハルキストたちと一緒にされたくないからです。すみません。
好きな小説家ならそんなの関係ないはずです。
というわけで……脱落。
結果、好きな小説家は誰ですかという難題に、答えられませんでした。
では、新作を待ち望んでいる小説家はいるかというと、
- 村上春樹:新刊の小説が出たら確実に買って読む
- 高橋弘希:描写力が凄まじい。『日曜日の人々』のような作品を期待
- 宇佐見りん:『くるまの娘』が良かったので、次作も期待
- 遠野遥:『改良』のような作品を期待してるが、それ以外が微妙
好きな小説家を挙げることは、しばらくできなそうです。