批判されたらどうするか
考え方を変えるだけでうまくいく?
怪しいです。
しかし、この帯の紹介文。
「18年間読まれつづけて計100万部」
これにやられて読みました。
訳者のあとがきを抜粋します。
本書は自尊心を高める方法を一〇〇個紹介しています。とくに大切なのは、他人と比較しない、ということです。著者はその理由として、「自分の価値は自分の個性にあるのだから、自分を他人と比べても意味がない」と説明しています。
当たり前です。
自尊心を高める方法100個は、聞き心地の良い言葉が大半です。
そうですよねーと、毒にも薬にもならない言葉。
ただ、批判と選択についての言葉は良かったです。
批判されたらどうするか。
(1)その批判から何かが学べることがあるかもしれない。もし自分がまちがったことをしているなら、それに気づいておくことが自分にとっていちばんの利益になる。
(2)自分の行為に対する批判は、人格批判ではない。
(3)たとえそれが人格批判であっても、相手に協力して自分を批判する必要はない。
(2)について。
例えば、本の内容に対する批判は、著者の人格批判ではありません。
石原慎太郎さんの小説に、『完全な遊戯』という作品があります。
女性を監禁、レイプし、風俗店で働かせ、最後には崖から突き落とすという内容です。
上記の感想で『完全な遊戯』を批判していませんが、内容は卑劣です。
卑劣だからといって、著者である石原慎太郎さんの人格を否定すべきではないということです。
作品と作者は違います。
作品を批判するときに、作者の人格まで批判してはいけないと気づきました。
『完全な遊戯』が嫌いになっても、石原慎太郎まで嫌いにならないで、ということでしょう。
しかし、無理な話かもしれません。
嫌いな作品ばかり出す作家は嫌いになります。というか離れます。
一方、自分の人格を否定された場合はどうするか。
相手に協力して自分を批判する必要はない
自分まで、自分の人格を否定する必要はない、ということです。
アメリカのルーズベルト元大統領の夫人の名言を思い出しました。
あなたの許可なくして、誰も、あなたを傷つけることはできない。
批判されたとき、自分を一番強く傷つけてしまうのは、自分かもしれません。
次に、選択について。
いい選択とは、次の指針をすべて満たすものでなければならない。
- 気分がよくなる。
- 他の人が変わる必要がない。
- 自分の幸せが優先されている。
- 他の人が責任をとる必要がない。
- 自分を含めて誰も被害を受けない。
例えば、退職する選択を取る場合、
- お金の心配がないなら、気分はいい
- お金の心配がないなら、家族は変わる(稼ぐ)必要がない
- お金の心配がないなら、自分は幸せ
- お金の心配がないなら、家族が責任をとる(稼ぐ)必要がない
- お金の心配がないなら、自分を含めて誰も被害を受けない
お金の心配がなくなったら、晴れて退職できます。
ずいぶん先になりそうです。