長編という情報だけで買う理由
村上さんの新作長編が、4月13日に発売されます。
新作の長編は、『騎士団長殺し』以来、6年ぶりです。
公表されているのは、
- 発売日(4月13日)
- 長編小説(672ページ)
- 値段(2970円)
公表されていないのは、
- タイトル
- あらすじ
よって、小説の内容はわかりません。
しかし私は購入するでしょう。
タイトルもあらすじもわからないのに、購入します。
どうしてなんでしょうか。
村上さんの作品以外ではあり得ません。
好きな小説家については、こちらで書きました。
上記の記事で、村上春樹さんについては、
新刊の小説が出たら確実に買って読む
と書いています。
『騎士団長殺し』は発売日に購入しました。
駅の改札前で、出張販売していた書店で購入しました。
『騎士団長殺し』というタイトルは知っていましたが、あらすじは読むまで知りませんでした。
『騎士団長殺し』は、村上作品の集大成といってもいい内容です。
悪く言えば、過去の村上作品の内容が、散りばめられている印象でした。
もう村上さんの新作長編は読めないかもしれない、と思いました。
過去作の焼き増し感が強かったからです。
『騎士団長殺し』は一読だけして、再読していません。
それなのに、次の新作長編の購入を決めています。
どういうことなのでしょうか。
期待しているからです。
村上さんが、次にどのような小説を書くのか、わくわくしています。
正直、内容がつまらなくてもいいです(一定水準は超えているので、つまらないことありませんが)。
村上さんの新作を読んでいるときが、至福の時間です。
その体験に3000円は、安く感じます。
一方、村上さん以外で、新刊を買うと決めている作家はいません。
むしろ、一冊1500円から2000円の単行本が高く感じます。
芥川賞候補作や受賞作も買いません。
芥川賞候補作や受賞作は、
- 別媒体(雑誌)で読める
- 図書館で借りて読める
- 最悪すぐに読めなくてもいい
村上さんの新作は、
- 別媒体で読めない(書き下ろし)
- 図書館ですぐ借りられない
- すぐに読みたい
お金を出してまで、すぐに読みたいかどうかの違いです。
図書館で予約待ちすれば、村上さんの新作も読めます。
しかし、発売されたらすぐに読みたいので、お金を出します。
他に村上さんのような作家はいないのかと探したら、一人だけいました。
又吉直樹さんです。
- 『火花』
- 『劇場』
に続いて、3作目の小説が出たとき、発売日に買って読みました。
『人間』です。
残念ながら、『人間』は私の好きな作品ではありませんでした。
小説を読んでて楽しくなかった記憶があります。
小説という形式を借りて、又吉さんが世間に言いたいことを書きなぐった印象を受けました。
それに、どこかで聞いたことのある内容が書かれており、ネタが切れたのかと思いました。
『人間』以来、又吉さんの小説は出版されていません。
又吉さんの新作が出たとして、発売日に買って読むかはわかりません。
村上さんは違います。
読者をどこかに連れて行ってくれる期待が、本を買わせます。
『海辺のカフカ』を初めて読んだときのわくわくを、期待せずにはいられません。
4月13日は木曜日です。有給休暇の申請を忘れずにしなければなりません。