夢を諦める前に
夢を諦める前に、読むべき本書。
本書を読めば、夢を諦めるべきかどうか、テストができます。
テスト「本書のツチヤさんより、努力しましたか?」
- YES:夢を諦めてもOK
- NO:もうちょっと頑張ってもいいんじゃない?
シンプルなテストです。
ツチヤさんは、
- 「ケータイ大喜利」でレジェンドの称号を獲得
- ラジオ番組のハガキ職人
- お笑い芸人の構成作家
その過程を書いています。
手に入れられたのは、等価交換だと言います。
凡人にとって、お笑いの能力はすべて等価交換でしか手に入らない。
友人を失い、フリーターになり、無職になり、すべての時間、すべての思考、すべての想像力を、笑いへ等価交換し続けた結果、僕は一般社会では、到底生きていけるとは思えないくらいの、欠落人間になっていた。
確かに、ツチヤさんは、お笑い以外の仕事ができません。
お笑いに関しては、ストイックです。
朝から3階のフードコートで3時間、ボケ出しをして、昼過ぎには帰る。
(中略)出力ができない状態になると、今度は入力の時間が始まる。
入力するのは、
- 小説、詩集、雑誌、漫画
- 音楽
- お笑い、バラエティー番組
- 映画
僕の場合、そうやって吸収したものはすべて、笑いに変えて吐き出す。
(中略)水や食い物よりも、笑いの摂取と排泄。それが、僕にとって生きているということだった。
金がなく、バイトも続かないツチヤさん。
それでもツチヤさんを知る人は、ツチヤさんのことをうらやましがります。
例えば、刑務所に入ってた元知り合いには、
お笑いをやることによって、その退屈を倒せてんねん。(中略)10年くらい、それに没頭して、退屈を感じることなく、生きてきた時点で、俺からしたらうらやましいねん。
付き合ってた彼女には、
一生懸命生きとるやん? 本気でやってるやん? 何もかも全部を捧げてるやん? だから、私はどんな金持ちよりも、どんな売れてる人よりも、どんな評価されてる人よりも、キミこそが、本物やと思うねん
ツチヤさんは、なぜここまで努力できるんでしょうか。
本人にとっては、努力とは思っていない気がします。
楽しいから。没頭できるから。
楽しくなければ、お金にならないボケを量産できません。
本気で笑いに取り組むツチヤさんですが、うまくいきません。
お笑いの能力よりも、先輩に取り入ったり社員に媚び売ったりする人間が、出世していることを知ります。
知り合いの元芸人に言われます。
人間関係を構築して、実績を作って、積み上げた後に、ようやくそれをやらしてもらえる職業やん? みんな、それをやってきとんねん。なんで、おまえだけが、それすっ飛ばして、笑いだけやらせろってことが通るねん?
この部分は、私にはわかりませんでした。
- 人間関係構築→面白いお笑い
- 面白いお笑い→人間関係構築
2のルートでも、面白ければいいじゃんと思うからです。
ツチヤさんは、面白いお笑いができても、人間関係構築ができなかっただけです。
人間関係構築を先にする必要はありません。
本書を読むと、ツチヤさんをうらやましく思います。
お金もなく、仕事もない人間なのに。
ツチヤをうらやましく思うなら、お前もそうなれるよう努力しろよと、声が聞こえます。
何かのカイブツの声です。