いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『半農半Xという生き方』塩見直紀(著)の感想【天与の才の見つけ方】

天与の才の見つけ方

本書は、髙坂勝さんの『減速して自由に生きる』で紹介されてました。

半農半Xのコンセプトに共感したので読みました。

一つは人生において農を重視し、持続可能な農のある小さな暮らしを大切にする方向だもう一つは与えられた天与の才を世に活かすことにより、それを人生の、また社会の幸福につなげようとする方向だ

  • 持続可能な農
  • 天与の才を世に活かす

それを半分ずつ行い、人生と社会の幸福につなげる生き方。

良いと思いました。

減速して自由に生きる』の髙坂さんは、半農を、米と大豆の自給から始めました。

できる範囲で小さく始めるのが、良さそうです。

問題はXです。

「X」は、自分がワクワクするようなものでなければならない誰からも命令されるものではなく、寝食を忘れておのずと取り組んでしまうようなものだ。(中略)「自発」であるか否かということだ

言われてないのにやってしまうことに、ヒントがありそうです。

私にとっては、誰にも頼まれてないのにやってるこのブログが、挙げられます。

自分の「X」を発見していくには、孤独の時間、一人の時間がとても大切だ

塩見さんは、通販会社に約10年間勤めたのち、33歳で退職しました。

故郷に戻って、「半農半X研究所」を設立しました。

人はおそらく生涯、自分のテーマを研究し、学び続けるという使命があると、塩見さんは言います。

そのヒントは、

  • 大好きなこと
  • 得意なこと
  • 気になること

などを挙げることから、始まるそうです。

私も考えてみます。

  • 大好きなこと:自分の考えを文章でまとめること、それを読んで喜んでもらえること
  • 得意なこと:一対一で教えること(同僚から褒められたことがある)
  • 気になること:働くこと、働かなければいけないこと

以上から私の使命をまとめると、働くことに関して、

  • 自分の考えを文章にまとめること
  • 一対一で人と話すこと

である可能性があります。

今書いてるのも、働くことに関して、文章にまとめてる作業です。

Xとして良さそうだと感じますが、問題があります。

「半農半X」を実践するならば、自分の才能、個性、特技を社会に活かし役立てながら、それを換金できるかどうかということが大事だと思う

「換金できるかどうか」が、私の課題です。

  • 生活に必要な収入を換金できるようになる
  • 半農を始める

の順で、「半農半X」の実現を目指すのが良さそうです。

本書を読んで一番良かったと感じたのは、新聞の投書記事に関する内容です

投書記事は、保育参観で見たゲームについてです。

  • 園児たちの額に、三種類いずれかの色のシールが貼られてる
  • 口をきかずに、同じ色の園児同士でグループをつくる

自分のシールの色はわからないのに、どうやって同じ色の園児を見分けるのか。

すると、一人の園児が、同じ色の園児同士の手をつないだそうです。

手をつながれた園児同士は、お互いの色が何色かを把握します。

最後に残ったのが、最初に手をつないでいった園児でした。

色を把握した園児が声を掛けて、全員グループをつくることができました。

投書の投稿者の言葉を引用します。

このゲームは自分のことだけを考えていたのでは解決しない自分はさておき、人の世話をする者が現れてはじめて事が進む人の世話をすることこそが、自分のかかわっている問題を解決する最良最短の方法であり、自分のためにもなっているのである

自分はさておき、人の世話をすることができるだろうか。

私は、最初の園児のようにはできない気がします。

自分を満たしてからでないと、相手を満たせません。

自分の仕事を終わらせてからでないと、相手の仕事を手伝えません。

相手の仕事を手伝っていても、自分の仕事が新たにできたら、手伝いを切り上げて、自分の仕事に取り組むでしょう。

自分を満たせてなくても、相手を満たそうとする人がいることは、すごいと思います。

そういう人に憧れますが、自分ができるかというと、厳しいです。