いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

第172回芥川賞受賞作発表、選評(2024年下半期)の感想

第172回芥川賞受賞作発表 2025年1月15日(水)、芥川賞の受賞作が発表されました。 ダブル受賞です。 DTOPIA 作者:安堂ホセ 河出書房新社 Amazon ゲーテはすべてを言った 作者:鈴木 結生 朝日新聞出版 Amazon 『DTOPIA』は予想当たりましたが、『ゲーテはす…

「2024年に読んで良かった本ベスト10」とその感想

2024年に読んで良かった本ベスト10 私が2024年に読んだ本で、良かった本を10冊挙げます。 小説やビジネス書など、ジャンルは問わずです。 まずは結果から。 『生きのびるための事務』坂口恭平,道草晴子(著) 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』J.K.ローリング(…

『ダンス』竹中優子(著)の感想②【他人の家の風呂を借りる老夫婦】(新潮新人賞受賞、芥川賞候補)

他人の家の風呂を借りる老夫婦 感想①はこちらです。 他人の家の風呂を借りる旅をしてる老夫婦の話が、ちょっとしたエピソードで出てきます。 本書を読んだ後にも、どこか頭に残ってました。 不動産屋で働く青年の、子どもの頃に起きた話です。 小学生の彼が…

『生きのびるための事務』坂口恭平,道草晴子(著)の感想【労働と仕事を切り分ける】

労働と仕事を切り分ける 事務と書かれた本が売れてるので、気になりました。 本書でいう事務は、事務職とは関係ありません。 では、事務とは何か。 事務のことを考える、というのは、つまりは、あなたが小さい頃から本心でやりたいと思ってることを実現する…

『死んだ山田と教室』金子玲介(著)の感想【声だけ残される存在】(メフィスト賞受賞)

声だけ残される存在 男子校の教室は、静まり返ってます、 二年E組の人気生徒だった山田が、交通事故で亡くなったからです。 担任が、気分転換に席替えを提案したとき、山田の声がどこからか聞こえます。 いくら男子校の席替えだからって盛り下がりすぎだろ …