いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『火花』又吉直樹(著)の感想②【結果が出ないことに挑戦すること】(芥川賞受賞、三島賞候補)

結果が出ないことに挑戦すること 感想①はこちらです。 主人公も、慕っていた先輩芸人も、大して売れません。 では、芸人をしていたことは無駄だったのでしょうか。 必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう? 一度しかない人生において…

『火花』又吉直樹(著)の感想①【人と違うことをせなあかん】(芥川賞受賞、三島賞候補)

人と違うことをせなあかん 売れない若手芸人である主人公が、同じく売れない芸人の先輩を慕います。 二人が出会ったのは、熱海の花火大会です。ビール瓶のケースで作った簡易な舞台で漫才をしますが、主人公のコンビは全くうけません。 先輩は、 仇とったる…

『踏切の向こう』高橋弘希(著)の感想【自殺した弟の代わり】

自殺した弟の代わり 男子高校生の主人公は、クリーニング屋で短期アルバイトを始めます。 そこで、主人公の志望大学に通う女子大生と出会います。 主人公が「英語が苦手」と話すと、その女子大生の家で、勉強会をすることになります。 彼女のアパートは、踏…

『草の上の朝食』保坂和志(著)の感想【会話、性欲、愛】(野間文芸新人賞受賞)

会話、性欲、愛 前作『プレーンソング』に退屈さを感じていたのに、続編である本書を手に取ってしまいました。 『プレーンソング』の感想はこちらです。 なぜ本書を読んだかというと、数々の文学賞を受賞し、後の作家に影響を与えている保坂さんの作品を、「…

「ナインティナインのオールナイトニッポン(ゲスト:ニューヨーク、鬼越トマホーク)」の感想【『遺書』に言及】

『遺書』に言及 ナインティナインの矢部さんが、松本人志さんの著書に言及します。 話の流れは、鬼越トマホーク坂井さんが、 ナイナイさんが苦手なダウンタウンさん と言ったことに対し、 岡村さんは、 苦手じゃない、きっちり楽屋に挨拶行けるぐらいにまで…

この1年の変化【母が別荘を買った】

母が別荘を買った 母がマンションを買いました。 住居用ではなく、別荘用です。 ですが、別荘というより秘密基地に近いです。 1LDKの秘密基地。 その場所に行くには、曲がりくねりながら登っていく山道を、車で走らなければいけません。 道のイメージは、「…

『十七八より』乗代雄介(著)の感想【他の作品にはない】(群像新人賞受賞)

他の作品にはない 「17、8歳」の女子高生が主人公です。 主人公の回想で、 学校生活 家族と過ごす日常 叔母との会話 が描かれます。 回想形式の作品ですが、現在の主人公は、物語に登場しません。 私が、2年以上前に本書を読んだときの感想を、一部抜粋しま…

『推し、燃ゆ』宇佐見りん(著)の感想【選評を読んで】(芥川賞受賞)

選評を読んで 芥川賞の選評では、『推し、燃ゆ』の文章力への評価が高いです。 川上弘美さんは、 必要にして充分な描写の力 松浦寿輝さんは、 リズム感の良い文章 的確な筆遣い 小川洋子さんは、 推しとの関係が単なる空想の世界に留まるのではなく、肉体の…

『市街戦』砂川文次(著)の感想【吉祥寺での戦闘】(文學界新人賞受賞)

吉祥寺での戦闘 主人公は、自衛官勤務する前の、最後の訓練に参加しています。 装備をして、ある地点からある地点まで歩くという、行軍とよばれる訓練です。 訓練に参加しながら、主人公は大学時代に思いをめぐらせています。 大学時代の回想が何度も入るこ…

『書きあぐねている人のための小説入門』保坂和志(著)の感想②【感傷的な小説は害悪か】

感傷的な小説は害悪か 感想①はこちらです。 感傷的な作品について、保坂さんはネガティブにとらえています。 感傷的な文章やストーリーで書かれた小説は、ひたすら深刻なことばかりが書き連ねられている手記と同じようにベストセラーになることが多いけれど…

『プレーンソング』保坂和志(著)の感想【純文学というより素文学】

純文学というより素文学 保坂さんの『書きあぐねている人のための小説入門』が面白く、『プレーンソング』が多く引用されていたので、手に取りました。 ストーリー展開よりも、日常のありのままを描写しているような作風です。 エンタメとは対極です。 エン…

『書きあぐねている人のための小説入門』保坂和志(著)の感想①【小説を書くこととは】

小説を書くこととは タイトルに小説入門とありますが、簡単な内容ではありません。 冒頭、保坂さんは、 ここに書いてあることを全部マスターして、及第点を取ろうと思うような律儀な人は小説家にはなれない と、釘を刺します。 小説の書き方を学ぶノウハウ本…

『風力発電所』高橋弘希(著)の感想【イメージと現実のギャップ】

イメージと現実のギャップ 作家である主人公が、地元青森での会食に参加します。 編集者に誘われるまま出席した、学校長や大学教授、市議などとの会合です。 主人公は、「無料で会食料理が食えるなら」というモチベーションで参加します。 青森県はどこも財…

書評ブログ(読書感想文)で月6000PVまでにやった2つのこと【読みやすい文章と定期的な更新】

読みやすい文章と定期的な更新 1か月に3000PV(閲覧数)を超えたのが、2020年4月でした。 それから9か月経ち、2021年1月のPVが6000を超えました。 ありがとうごさいます。 ブログ開設時の閲覧数の目標は、一日100PVでした。 一日100PVを達成したとき、次に目…