2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
漫画家の厳しい現実 漫画家になるためのノウハウ本ではありません。 「浅野いにお」という漫画家の日常を記した、エッセイです。 では、なぜタイトルが『漫画家入門』なのでしょうか。 「入門」というと、漫画家になるための第一歩というイメージです。 むし…
勝ち負けにこだわらない生き方 著者のワンさんは、イラストレーターと会社員のダブルワークをしていました。 ですが、40歳になる直前、会社を辞めました。 え、40歳で? って感じです。 ワンさんは、独身で一人暮らし。家は賃貸で、車は持っていないそうです…
トラウマは掘り返さなくていい 主人公(多崎つくる)は、高校時代の親友4人(男2人、女2人)に、絶縁されます。 大学2年生のときでした。 理由を明かされず、親友たちから連絡を閉ざされます。 その結果、主人公は、死ぬことばかりを考え、死の淵をさまよい…
選評を読んで 受賞前の芥川賞の予想では、二度読みましたが、受賞はないと予想しました。 そのときの感想はこちらです。 歪な文章は、読んでいて不安になるし、 馬鹿げたような思想の垂れ流しがおかしかったからです。 例えば主人公の、 私はもともと、セッ…
読ませる文章 一気に最後まで読ませる文章です。 断片的に描かれる語りは乾いていて、 その断片が、のちに結びつくさまに、面白みを感じます。 例えば、小学生のときに通っていたスイミングスクールについて、 私は喘息持ちで、水泳をやらせると心肺機能が鍛…
元少年Aの人を殺してはいけない理由 感想①はこちらです。 ――どうして人を殺してはいけないのか? もし元少年Aが、10代の少年に問われたら、以下のように答えると言います。 どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対にしないでください。もし…
幸せな夢と残酷な現実 映画はアニメの続編なので、先にアニメを見ました。感想はこちらです。 アニメは、1話から5話が好きでした。 弱い主人公が、もがき苦しみ、決して諦めず、努力の末に認められる姿に感動しました。 残念ながら、アニメの6話以降は、5話…
主人公に同化する 新参も新参です。 ジャンプ連載中にマンガを読んでいたわけでもなく、 放送中にアニメを見ていたわけでもありません。 映画の興行収入がニュースになるようになってから、そんなに話題なら映画を観ようと思いました。 しかし、映画はアニメ…
中学校別、スカートの長さ比較 『首里の馬』で高山さんが芥川賞を受賞した際、『オブジェクタム』で受賞すべきだったという人の声を、ちらほら聞きました。 それで、読んでみました。 結論から言うと、 『首里の馬』より良い作品だとは思いませんでした。 『…
日常を楽しめる角度 ハライチ岩井さんの初の著書(エッセイ)です。 日常で起きる些細な出来事を、独自の視点で描きます。 起こる出来事は、本書のタイトルどおり、「事件」とは言えないものばかりです。 例えば、 久々の同窓会で、マウントを取ってくる同級…
心は揺さぶられた 1997年、酒鬼薔薇聖斗と名乗る人物は、少女1人と少年1人を殺害しました。 犯人は、14歳の少年でした。 その少年(元少年A)の手記です。 書かれている内容は、主に以下のとおりです。 少年Aの生い立ち 犯行に至るまで(ナメクジ切断、猫殺…