いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『図書準備室』田中慎弥(著)の感想【働かない理由】(芥川賞候補)

働かない理由 主人公は、30歳を過ぎて働いていません。 一緒に住む母の金で、酒を飲んでいます。 自分の金で酒を飲むより、母の金で飲む酒の方が美味いと言っています。 父は、主人公が4歳のときに亡くなり、それ以降、祖父と母との三人暮らしでした。 その…

「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の感想【実写のトラウマ】

実写のトラウマ この映画にトラウマが3つあります。 昏睡中の女性の裸を見て、主人公が自慰をする 一体のエヴァが、鳥型モンスターの集団に襲われ、臓器がむき出しになる 突然実写映像に変わり、映画館の観客やパソコン上の暴言が映される 今回見返して、3つ…

【三島賞予想】第33回三島由紀夫賞候補作発表(2020年)

三島賞候補作発表 2020年4月21日、三島由紀夫賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、9月17日(木)です。 以下、候補作をまとめ、受賞予想をいたします。 今回は、全員初の候補入りです。 『土に贖う』河﨑秋子 Wikipediaによれば、河﨑さんは「…

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版(序破Q)」の感想【わからないとつまらないのか】

わからないとつまらないのか 「Q」を初めて観たとき、わからないことだらけでした。 例えば、 なぜ、主人公が14年間も眠っていたのか なぜ、14年経っているのに主人公の外見が変わっていないのか なぜ、主人公は冷たい視線を向けられ、何の説明もしてもらえ…

『田村のやさしく語る現代文』の感想【文章を論理的に読む勉強法】

文章を論理的に読む方法 本書は、大学受験向けの参考書です。 私は社会人ですが、文章の読解力を上げたいので、手に取りました。 これを読む前に、『船口のゼロから読み解く最強の現代文』を読みました。 感想はこちらです。 本書は、それより「やさしく」語…

『船口のゼロから読み解く最強の現代文』の感想【読解力を上げる勉強法】

読解力を上げる勉強法 本書は、大学受験向けの参考書です。 私は社会人ですが、文章の読解力を上げたいので、手に取りました。 スポーツでも、勉強でもそうですが、何にでも「正しい方法」というのはあります。(中略)まずは「正しい基本」をしっかり身につ…

『飼育小屋』高橋弘希(著)の感想【いじめを傍観する少年】

いじめを傍観する少年 主人公は、父の転勤で、転校を繰り返していました。 新しい土地に移り、新しい学校に慣れ、新しい友達を作るというのは、少年には荷が重い。 中学2年生のとき、飼育委員だった主人公は、鶏やウサギ、鯉の世話をします。 飼育小屋の掃除…

「ドリームマッチ2020」の感想【フィーリングカップルの残酷さ】

フィーリングカップルの残酷さ 「ドリームマッチ」は、お笑い芸人をシャッフルしてコンビを組み、ネタをやる番組です。 なんと6年ぶり。 以下がネタをする出演者です(敬称略)。 秋山竜次(ロバート)、オードリー、くっきー!(野性爆弾)、サンドウィッチ…

『天空の絵描きたち』木村友祐(著)の感想【死と隣り合わせのビルの窓拭き】

死と隣り合わせのビルの窓拭き 主人公の女性は、窓拭きの仕事をしています。 前職のデザイン会社は、連日の徹夜作業で辞めてしまいました。 彼女は、友人や親から「なぜ窓拭き?」と訊かれても、うまく答えられません。 広告代理店に勤める彼氏からは、「辞…

『老人と海』ヘミングウェイ(著)の感想【ぶちのめされても負けない】

ぶちのめされても負けない 読むまでの印象は、 老人が、海で大きな魚を釣り上げる奮闘記 辛いことでも、我慢し苦労すれば、良い結果が得られる でした。全く違いました。 老人は、命を懸けてカジキマグロを釣り上げ、釣り上げた後も命がけだったのです。 特…

『知識を操る超読書術』メンタリストDaiGo(著)の感想【読書を人生にフル活用する方法】

読書を人生にフル活用する方法 なぜ、その本を読むのか その本からどんな知識を得たいのか それを考えるだけで、読書体験が全く異なると、著者のDaigoさんは言います。 読書を人生に役立てるには、 本を読む準備をする 本の読み方を知る 本から得た知識をア…

『限りなく透明に近いブルー』村上龍(著)の感想【乱交、ドラック、暴力】(群像新人賞受賞、芥川賞受賞)

乱交、ドラック、暴力 米軍基地が身近に存在する、若者たちの乱交、ドラック、暴力です。 主人公の名前、リュウは著者と同じです。 著者の経験が入った作品でしょう。 あとがきでは、ヒロインに向けて書かれています。 こんな小説を書いたからって、俺が変わ…

『勝ち続ける意志力』梅原大吾(著)の感想【勝ちを目的にしない生き方】

勝ちを目的にしない生き方 著者の梅原さんは、プロゲーマーです。 小学生の頃から、ゲームへの意識が並外れていました。 唯一の存在だったゲームを諦めたら、続けることをやめたら人生が終わる。 同級生でサッカーをする人が増えても、一人でゲームを続けま…

『ブチ抜く力』与沢翼(著)の感想【常に本気で一つの結果にストイック】

常に本気で一つの結果にストイック 著者の与沢さんは、 仮想通貨で14億円の利益 2か月で体重22キロのダイエット を達成しました。 これらができたのは、ブチ抜いたからだと言います。 ブチ抜くには、 常に本気である事。そして、一つの結果のためだけに、た…

『給水塔』岸政彦(著)の感想【大阪での断片的な出来事】

大阪での断片的な出来事 著者の岸さんは、大学入学以降、大阪に住んでいます。 大阪に住んだ岸さんは、 ベースを始めて、仕事として演奏 バーテンダーのバイト 大学院に落ちて、発掘現場や建設現場で日雇い労働 と、勉強以外に一生懸命です。 発掘現場のバイ…

『土の中の子供』中村文則(著)の感想【山奥で埋められた子供】(芥川賞受賞)

山奥で埋められた子供 主人公は、27歳のタクシー運転手です。 幼少の頃、養親に山奥で埋められ、孤児院で育ちました。 その過去は、現在の行動に尾を引いているようです。 たむろしている男たちに向けて、吸い殻を投げる マンションの外壁から身を出して落ち…