いっちの1000字感想文

一応平成生まれ。主に読書感想文を書いてます。

石垣島移住で母子が再生していく 俵万智『旅の人、島の人』の感想(1000字)

震災を機に石垣島に移り住む 2011年の東日本大震災のとき、俵万智さんは仙台に住んでいました。 震災のニュースばかり見ていたら、小学生の息子に指しゃぶりや赤ちゃんがえりのような症状が出始めたそうです。 石垣島に引っ越した旧友を思い出し、俵さんから…

小説を読む理由 『村上春樹 ロング・インタビュー 暗闇の中のランタンのように』の感想(1000字)

デビューから『騎士団長殺し』まで 村上春樹さんへのロングインタビューです。 デビュー作『風の歌を聴け』から作品を振り返りつつ、小説の持つ力について語ります。 『騎士団長殺し』の話がメインですが、読んでいなくても問題ありません。 作品の内容より…

生きづらいと感じる人に 森絵都『カラフル』(産経児童出版文化賞)の感想(1000字)

人生は少し長めのホームステイ 生きづらさを感じるのは、多くを一人で抱え込みすぎているからかもしれません。 例えば、何かやるときに、相手がどう思うかを考えすぎると、誰とも関わらないのが一番になってしまいます。 どうしてそうなるんでしょう。 相手…

必ず見つかるあなたの一冊 小川洋子『心と響き合う読書案内』の感想(1000字)

紹介する52作品に共通するのは「文学遺産」 作家の小川洋子さんが、52の文学作品を紹介します。 外国文学も日本文学も、恋愛小説も絵本も、古典も現代作家も、分け隔てがありません。共通しているのは、文学遺産として長く読み継がれてゆく本、というただそ…

学校では教えてくれない金のこと 西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』の感想(1000字)

きれいごとは一切ない 世の中の多くの人は、カネのハナシをしない。 特に大人は子どもに「お金の話をするのははしたない、下品なことだ」と言って聞かせたりする(p.143) お金の話って学校で教わらないですよね。 むしろ、 お金がすべてじゃない 幸せはお金…

コミュニケーションが苦手なだけ 小川洋子『ことり』(芸術選奨文部科学大臣賞)の感想(1000字)

コミュニケーションが苦手な兄弟 小鳥の小父さん(おじさん)と呼ばれる人は、毎朝幼稚園の鳥小屋を掃除します。 彼は近所の幼稚園の小鳥たちを、二十年近くに亘って世話していた時期があった。誰に頼まれたわけでもない、全くの奉仕活動だった。その間にい…

第161回芥川賞、直木賞の選考委員をメッタ斬り ラジオ日本『大森望×豊崎由美 文学賞メッタ斬り!スペシャル(結果篇)』の感想

番組概要 7月17日(水)に第161回芥川賞、直木賞が決定しました。 芥川賞:今村夏子『むらさきのスカートの女』 むらさきのスカートの女 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 直…

自分が必要とされなくなったら 映画『トイ・ストーリー4』の感想(1000字)

3が好きな人も観た方がいい トイ・ストーリーは3で綺麗に終わったんだから、4はやる必要ない。 私はそう思っていました。 それに3は、子ども(持ち主)がおもちゃを卒業する話ですから、4でやることはないだろう、と。 しかし、ありました。 3は、子どもから…

やりたくない仕事を辞めた先に 金子薫『鳥打ちも夜更けには』の感想(1000字)

仕事のスタンスが異なる3人 やりたくない仕事、辞めますか? 続けますか? 舞台は、日本ではないどこかの島。 「架空の港町」と呼ばれる島で、「鳥打ち」という仕事をしている3人がいます。 鳥打ちは、観光資源の蝶を守るため、鳥を駆除します。 草むらに隠…

【夏休みの宿題前に】感想の書き方が簡単にわかる本 齋藤孝『だれでも書ける最高の読書感想文』の感想(1000字)

読書感想文を書くのはめんどくさい 読書感想文=めんどくさいヤツ、でした。 問題を解いて終わりではないからです。 感想文には3つの手順があります。 本を選ぶ 本を読む 感想を書く 私は、夏休みの読書感想文を書けずに、ギリギリまで残しました。 それが今…

第161回芥川賞・直木賞作品発表、会見、選評(2019年上半期)の感想

芥川賞は、今村夏子『むらさきのスカートの女』 むらさきのスカートの女 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今村さんは受賞すると思っていなかったようです。 (受賞会見から)…

第161回芥川賞、直木賞を徹底予想 ラジオ日本『大森望×豊崎由美 文学賞メッタ斬り!スペシャル(予想篇)』の感想

番組概要 7月17日(水)に第161回芥川賞、直木賞が決まります。 受賞作の決定前に、どの作品が受賞するかを予想するラジオ番組です。 出演者(予想する方) 大森望(書評家、SF翻訳家) 豊崎由美(書評家) 芥川賞候補作(5作品) 今村夏子『むらさきのスカ…

【初心者向け】ブログで稼ぐ方法 染谷昌利『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の感想(1000字)

初心者ブロガーにおすすめ タイトルにあるブログ飯とは、ブログで飯を食うという意味です。 「飯を食えるブログ」って、どういうブログを言うのでしょうか? 答えは簡単です。 「たくさんのファンを、継続的に得ることができるブログ」、これに尽きます。(p…

文章の書き方の本おすすめ5冊【レベル別で文章力を上げる】

初級・中級・上級で文章力を上げる 書き方の本の感想を15記事、このブログで書きました。 特に参考になった4冊と、手元に置いておきたい1冊の計5冊を紹介します。 文章を書く機会は、さまざまです。 LINE、Twitter、ブログ メール、議事録、企画書、エントリ…

鼻につく窓拭きの青年 古市憲寿『百の夜は跳ねて』(芥川賞候補)の感想(1000字)

死と隣り合わせの仕事 前作『平成くん、さようなら』では、安楽死を望む青年の話でした。 本作の主人公は、窓拭きの仕事をしている青年です。 青年の耳には、死んだ先輩の声が聞こえます。こんなふうに。 そこで生まれてはいけないし、死んではいけない。そ…

負けに備える 村上春樹『ヤクルト・スワローズ詩集』の感想(1000字)

スワローズファンになったのは近いから 村上春樹さんはヤクルト・スワローズのファンです。 高校までは神戸に住んでいたので、阪神タイガースのファンだったそうですが、上京を期にスワローズファンになったそうです。 住んでいる場所から最短距離にある球場…

教科書に載ってほしい 村上春樹『ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles』の感想(1000字)

教科書に載ってほしい 教科書に載ったら、国語の問いが変わるかもしれません。 国語の問いには、回答の正誤を論理的に判定できないものがあります。 例えば、以下のようなものです。 この文章に託されている、戦争についての作者の姿勢はどのようなものか 月…

さらりと読めるが、ざらりと残る読後感 今村夏子『むらさきのスカートの女』(芥川賞受賞)の感想(1000字)

さらりと読めるが、ざらりと残る 今村夏子さんの作品は読みやすいです。 シンプルな言葉と気になる展開が、先へと読ませます。 ですが、読みやすい=あっさり、ではありません。 読み終わった後に起こる感情は、以下のようなものです。 結局何の話だったの?…

最後まで読んでもらえる文章を書くには 唐木元『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』の感想(1000字)

良い文章とは完読される文章 良い文章ってなんでしょう? わかりやすい 役に立つ 心地が良い 元気が出る 人によって、さまざまです。 なので本書では、定義を定めています。 この本ではおしまいまで通して、「完読される文章が良い文章」ということに設定し…

人とのつながりの大切さ 古川真人『ラッコの家』(芥川賞候補)の感想(1000字)

現実と思考の行き来 主人公のタツコは、アパートで一人暮らししている高齢の女性です。 夫に先立たれましたが、姪やその子どもがよく遊びに来ています。 彼女たちから、タツコはタッコという愛称で呼ばれています。 たわいもない会話が弾み、笑い声が絶えま…

集中力を高める方法 メンタリストDaiGo『自分を操る超集中力』の感想(1000字)

集中力が続かない人は必読 時間はあったのに、仕事が終わらない 本を読む(作業する)はずが、スマホをいじっている こんな経験ありませんか? 私はしょっちゅうです。 特に、 ブログを書くこと 小説を書くこと は、家で集中できないのでカフェでやっていま…

大切な人が可哀そうであってほしい 李琴峰『五つ数えれば三日月が』(芥川賞候補)の感想(1000字)

5年間、会わずに思い続けること 5年間会わなかった人を、思い続けることができますか? この作品の主人公(女性)は、大学院時代から好意を寄せていた女性と、5年の月日を経て再会します。 その女性は結婚し、台湾で暮らしています。 日本で働く主人公は、彼…

毎日定時で帰る方法 ドラマ『わたし、定時で帰ります。』の感想(1000字)

定時で帰るのは当たり前 タイトルにおかしみがあります。 「定時で帰ります」とあえて宣言しているのです。 ここから読み取れるのは、定時で帰っていない人が多いけど、私は定時で帰りますよ、ということ。 なぜ、そんな宣言をするのでしょう。 定時で帰るの…

書かれていない大事なこと 高山羽根子『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』(芥川賞候補)の感想(1000字)

読みやすいが難しい 『居た場所』に続き、芥川賞候補です。 前作同様、読みやすいです。 ですが、この作品が何を言いたいのか考え出すと、難しくなります。 本作は、主人公の幼少時代から社会人までを描いているのですが、 結局何が言いたいの? と、投げ出…

言いにくいことを人に伝えるときに 町屋良平『青が破れる』(文藝賞受賞)の感想(1000字)

ひらがな、カタカナを多用する文体 「あいつ、ながくないらしいんよ」 とハルオはいった。 ハルオの彼女の見舞いにいったかえりだった。 おれは、 「ビョーキ?」 ときいた。(p.9) 本来、漢字で書くところを、ひらがなやカタカナが使われています。 その文…

人生100年の生き方、働き方 リンダグラットン、アンドリュースコット『LIFE SHIFT(ライフシフト)-100年時代の人生戦略』の感想(1000字)

100歳まで生きるライフプランを立てていますか 本書の提言はこれに尽きます。 自分なりのライフプランを立てていれば、読む必要はありません。 400ページもある本書を読むより、ライフプランの実現に時間を割きましょう。 しかし、「貯金全然してないや」と…

読まれないブログを書いている人に イケダハヤト『武器としての書く技術』の感想(1000字)

ブログを書く人は必読 ブログを書く人は、何のために書いていますか? 伝えたいことがあるからですよね。 私もその一人です。 ブログを読んでくれた人が、何かを感じてくれたり、行動を起こしてくれたりしたらいいなと思って書いています。 ところが、簡単な…

芥川賞予想 第161回芥川賞候補作発表・掲載誌まとめ(2019年上半期)

第161回芥川龍之介賞候補作決定 2019年6月17日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 今村夏子『むらさきのスカートの女』 第155回の候補『あひる』、第157回の候補『星の子』に続いて3度目の候補です。デビュー作の『…

失礼な発言をするなら地獄に落ちる覚悟で 『オードリーのオールナイトニッポン』(ゲスト:くりぃむしちゅー上田晋也)の感想(1000字)

失礼な発言をして先輩が怒っても、絶対に謝らない上田さん 「オードリーのオールナイトニッポン」の番組500回記念で、くりぃむしちゅーの上田晋也さんがゲスト出演しました。 若林さんは、上田さんとプライベートでも交流があります。 尊敬する上田さんに…

生まれた子が重い皮膚病だったら 田村広済『レンファント』(文學界新人賞受賞)の感想(1000字)

子どもを可愛がれない 育児休暇を取った男性が、子の重い皮膚病と、妻との関係に悩みます。 妻は、子どもを可愛がっていました。 しかし、子が皮膚病とわかり、強い薬を塗っても治らない現状を見て、可愛がらなくなりました。妻の言葉です。 あんなに苦しん…