いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』谷川嘉浩(著)の感想【偏愛を見つける】

偏愛を見つける

タイトルに惹かれました。

「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」

「人生のレールを外れる衝動」とは、

誰かに強制されたわけでもないのに、自分を何かに夢中にさせる衝動のこと

と、著者の谷川さんは言います。

漫画『チ。』を例に挙げてます。

主人公が、キャリアを捨て、命を懸けて地動説の研究を進めたことを、衝動と見なします。

その姿には、「やりたかったから」「好きだったから」には留まらない衝動があるわけです。

そうした衝動を、どうやって見つけるか。

衝動を知るには、偏愛している具体的な活動を解釈し、適切に一般化された形でパラフレーズすればよい

(中略)偏愛を解きほぐすことで、自分の衝動が進む方向を「これ」と言い当てられるわけです

手順は、

  1. 偏愛している活動を見つける
  2. 偏愛している活動を解きほぐす
  3. 自分の衝動が進む方向を見つける

例えば、このブログの場合。

お金にならないのに、5年以上続けてるこのブログは、偏愛と言えるかもしれません。

本を読むだけでいいのに、感想を書いてます。

それも、ネット上にアップしてます。

書いてるのは、自分の考えを文章にするのが好きだからです。

ネット上にアップしてるのは、読んでもらえて、役に立てたら嬉しいからです。

衝動に駆られてやってるかと言われたら、そこまでではない気がします。

  • 本を読んだし、せっかくだから文章にしておこう
  • 文章にしたし、せっかくだからブログにアップしよう

そんな感じです。ゆるく続けてます。

衝動によるものかと言われたら、ちょっと怪しいです。

衝動というより、「やりたかったから」「好きだったから」に留まる気がします。

「せっかくだから」という気持ちが強いです。

他に、何か衝動と呼べるものはないか、考えました。

谷川さんは、偏愛を解釈する手がかりとして、セルフインタビューを挙げてます。

漫画家のセルフインタピューが参考になるかもしれないと言います。

  • あと何年くらい制作し、どんなものを作りたいか
  • 1日をどんなふうに過ごしたいか(5パターンくらい)
  • 理想の制作が完成したときをイメージして表現してみる
  • 1000万円と3年間を自由に使えたら、何を作りたいか
  • 日頃どんな人とどんなふうに交流したいか

もし私が、1000万円と3年間を自由に使えたら、ブログは細々と続けるとして、作品を作ると思いました。

小説なのか、エッセイなのか、論文なのか、詩なのか、ジャンルはわかりませんが、文章に関する何らかの作品に取り組むと思いました。

ただ、衝動と言えるものではありません。

時間があるなら長い作品に取り掛かってみようかな、という小さなきっかけです。

せっかくだからという気持ちです。

途中で嫌になるかもしれません。

私は、「人生のレールを外れる衝動」を具体的に見つけることはできませんでした。

残念だったのは、著者自身が人生のレールを外れてないように見えることです。

著者は、京都大学大学院の博士課程を修了した大学講師です。

整備されたレールを走ってる人だと、私は思ってしまいました。

大学講師なら、高卒とか大卒とかであってほしかったです。

もちろん、誰が書いてるかより、書かれてる内容の方が、重要ではあります。

ただなんとなく、安定した立場から「人生のレールを外れる衝動」について語られてもなあ、という感情を抱いたのは確かです。

タイトルの「レールを外れる」が引っかかります。

レールを外れてないように見える著者が、レールを外れるという言葉で気を引くのは、ちょっとずるい感じがします。

あなたはレールを外れてないじゃないですかと、思ってしまいます。

「人生のレールを外れる」と題打ってるからこそ、著者自身もレールから外れた人生であってほしかったです。

「人生における衝動のみつけかた」の方がしっくりきます。

ただ、そのタイトルの場合、私は手に取らなかったかもしれません。

「レールを外れる」の言葉の引きが強いです。