偏愛を見つける
タイトルに惹かれました。
「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」
「人生のレールを外れる衝動」とは、
誰かに強制されたわけでもないのに、自分を何かに夢中にさせる衝動のこと
と、著者の谷川さんは言います。
漫画『チ。』を例に挙げてます。
主人公が、キャリアを捨て、命を懸けて地動説の研究を進めたことを、衝動と見なします。
その姿には、「やりたかったから」「好きだったから」には留まらない衝動があるわけです。
そうした衝動を、どうやって見つけるか。
「衝動を知るには、偏愛している具体的な活動を解釈し、適切に一般化された形でパラフレーズすればよい」
(中略)偏愛を解きほぐすことで、自分の衝動が進む方向を「これ」と言い当てられるわけです。
手順は、
- 偏愛している活動を見つける
- 偏愛している活動を解きほぐす
- 自分の衝動が進む方向を見つける
例えば、このブログの場合。
お金にならないのに、5年以上続けてるこのブログは、偏愛と言えるかもしれません。
本を読むだけでいいのに、感想を書いてます。
それも、ネット上にアップしてます。
書いてるのは、自分の考えを文章にするのが好きだからです。
ネット上にアップしてるのは、読んでもらえて、役に立てたら嬉しいからです。
衝動に駆られてやってるかと言われたら、そこまでではない気がします。
- 本を読んだし、せっかくだから文章にしておこう
- 文章にしたし、せっかくだからブログにアップしよう
そんな感じです。ゆるく続けてます。
衝動によるものかと言われたら、ちょっと怪しいです。
衝動というより、「やりたかったから」「好きだったから」に留まる気がします。
「せっかくだから」という気持ちが強いです。
他に、何か衝動と呼べるものはないか、考えました。
谷川さんは、偏愛を解釈する手がかりとして、セルフインタビューを挙げてます。
漫画家のセルフインタピューが参考になるかもしれないと言います。
- あと何年くらい制作し、どんなものを作りたいか
- 1日をどんなふうに過ごしたいか(5パターンくらい)
- 理想の制作が完成したときをイメージして表現してみる
- 1000万円と3年間を自由に使えたら、何を作りたいか
- 日頃どんな人とどんなふうに交流したいか
もし私が、1000万円と3年間を自由に使えたら、ブログは細々と続けるとして、作品を作ると思いました。
小説なのか、エッセイなのか、論文なのか、詩なのか、ジャンルはわかりませんが、文章に関する何らかの作品に取り組むと思いました。
ただ、衝動と言えるものではありません。
時間があるなら長い作品に取り掛かってみようかな、という小さなきっかけです。
せっかくだからという気持ちです。
途中で嫌になるかもしれません。
私は、「人生のレールを外れる衝動」を具体的に見つけることはできませんでした。
残念だったのは、著者自身が人生のレールを外れてないように見えることです。
著者は、京都大学大学院の博士課程を修了した大学講師です。
整備されたレールを走ってる人だと、私は思ってしまいました。
大学講師なら、高卒とか大卒とかであってほしかったです。
もちろん、誰が書いてるかより、書かれてる内容の方が、重要ではあります。
ただなんとなく、安定した立場から「人生のレールを外れる衝動」について語られてもなあ、という感情を抱いたのは確かです。
タイトルの「レールを外れる」が引っかかります。
レールを外れてないように見える著者が、レールを外れるという言葉で気を引くのは、ちょっとずるい感じがします。
あなたはレールを外れてないじゃないですかと、思ってしまいます。
「人生のレールを外れる」と題打ってるからこそ、著者自身もレールから外れた人生であってほしかったです。
「人生における衝動のみつけかた」の方がしっくりきます。
ただ、そのタイトルの場合、私は手に取らなかったかもしれません。
「レールを外れる」の言葉の引きが強いです。