いっちの1000字読書感想文

一応平成生まれ。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『銃(小説)』中村文則(著)の感想【銃を見つけたら】(新潮新人賞受賞、芥川賞候補)

銃を見つけたら 道端で銃を見つけたらどうしますか? それを誰にも見られていないとして。 選択肢は3つです。 警察を呼ぶ(警察に届ける) 見て見ぬふりをして立ち去る 拾う 普通は、1か2ですよね。 この作品の主人公である大学生は、銃を拾います。 冒頭の…

『苦役列車(小説)』西村賢太(著)の感想【日雇い労働なのは理不尽か】(芥川賞受賞)

日雇い労働なのは理不尽か 19歳の主人公は、中学卒業以来、日雇い労働で生計を立てています。 港の物流倉庫で荷物を運ぶ、肉体労働です。 毎日仕事に行くわけではなく、金に困ったときに仕方なく行きます。 稼いだ金は、食事や酒、風俗代に消えます。 1万円…

『共喰い(小説)』田中慎弥(著)の感想【血は争えないのか】(芥川賞受賞)

血は争えないのか 男子高校生の主人公は、父と再婚の母との三人暮らしです。 生みの母は、近所で魚屋をやっています。右手首から先は、戦争でなくしました。 父は性行為のときに相手の顔を殴ります。 殴られたことがあるのは、 生みの母 再婚の母 近所で体を…

『リリイ・シュシュのすべて(小説)』岩井俊二(著)の感想【生きるか死ぬかの思春期】

生きるか死ぬかの思春期 リリイ・シュシュは女性歌手です。 彼女の歌に魅せられた主人公は、彼女について語り合うネット掲示板を運営しています。 この小説は、掲示板への書き込みだけで構成されています。 例えば、 《投稿者:サティ》7月11日(火)20時44…

『ベッドタイムアイズ』山田詠美(著)の感想【日本人女性と黒人兵の愛欲】(文藝賞受賞、芥川賞候補)

日本人女性と黒人兵の愛欲 主人公は、横須賀のクラブで、歌手やストリッパーとして働いています。 クラブでビリヤードに熱中する黒人男性を見つめていると、彼から目で合図を受けます。誘導されるがまま、誰もいないボイラー室へ行きます。 主人公が何か話そ…

『暗渠の宿』西村賢太(著)の感想【臆病さゆえのDV男】(野間文芸新人賞受賞)

臆病さゆえのDV男 30歳過ぎの主人公は、6歳下の女性と同棲します。 この主人公が、清々しいクズっぷりです。 300万円を彼女の親から借りる 彼女をパートに行かせ、主人公は働きに出ない 彼女の料理の段取りの悪さ(ラーメンの味が違う、麺をゆですぎ)に暴言…

『子どものための哲学対話』永井均(著)の感想【人間は遊ぶために生きている】

人間は遊ぶために生きている 本書は、ヒト(読者)とネコ(著者)の対話形式です。 「何のために生きてるか」という疑問を持つヒトに、ネコは「遊ぶため」と答えます。 「遊ぶ」っていうのはね、自分のしたいことをして「楽しむ」ことさ。そのときやっている…

『働くことがイヤな人のための本』中島義道(著)の感想【仕事に生きがいがない人に】

仕事に生きがいがない人に 本書は「仕事に生きがいを見出せない人」との対話形式です。 例えば、 引きこもりの25歳学生 つまらない仕事にしがみついている40代サラリーマン 著者の中島さんは、仕事における成功に導くわけでも、ゆったりした自分らしい生活を…

『悪意の手記』中村文則(著)の感想【人を殺した後の人生】(三島賞候補)

人を殺した後の人生 15歳の主人公は、死に至る難病におかされていました。 死の恐怖から免れるため、主人公は憎悪を抱きます。 自分も含めた全ての人間をくだらないものであるとし、そのくだらないものが生きている人生をくだらないと考えた。人間を見る度に…

『図書準備室』田中慎弥(著)の感想【働かない理由】(芥川賞候補)

働かない理由 主人公は、30歳を過ぎて働いていません。 一緒に住む母の金で、酒を飲んでいます。 自分の金で酒を飲むより、母の金で飲む酒の方が美味いと言っています。 父は、主人公が4歳のときに亡くなり、それ以降、祖父と母との三人暮らしでした。 その…

【三島賞予想】第33回三島由紀夫賞候補作発表(2020年)

三島賞候補作発表 2020年4月21日、三島由紀夫賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、今秋(予定)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 今回は、全員初の候補入りです。 『土に贖う』河﨑秋子 Wikipediaによれば、河﨑さんは「羊飼い」と「…

『田村のやさしく語る現代文』の感想【文章を論理的に読む勉強法】

文章を論理的に読む方法 本書は、大学受験向けの参考書です。 私は社会人ですが、文章の読解力を上げたいので、手に取りました。 これを読む前に、『船口のゼロから読み解く最強の現代文』を読みました。 感想はこちらです。 本書は、それより「やさしく」語…

『船口のゼロから読み解く最強の現代文』の感想【読解力を上げる勉強法】

読解力を上げる勉強法 本書は、大学受験向けの参考書です。 私は社会人ですが、文章の読解力を上げたいので、手に取りました。 スポーツでも、勉強でもそうですが、何にでも「正しい方法」というのはあります。(中略)まずは「正しい基本」をしっかり身につ…

『飼育小屋』高橋弘希(著)の感想【いじめを傍観する少年】

いじめを傍観する少年 主人公は、父の転勤で、転校を繰り返していました。 新しい土地に移り、新しい学校に慣れ、新しい友達を作るというのは、少年には荷が重い。 中学2年生のとき、飼育委員だった主人公は、鶏やウサギ、鯉の世話をします。 飼育小屋の掃除…

『天空の絵描きたち』木村友祐(著)の感想【死と隣り合わせのビルの窓拭き】

死と隣り合わせのビルの窓拭き 主人公の女性は、窓拭きの仕事をしています。 前職のデザイン会社は、連日の徹夜作業で辞めてしまいました。 彼女は、友人や親から「なぜ窓拭き?」と訊かれても、うまく答えられません。 広告代理店に勤める彼氏からは、「辞…

『老人と海』ヘミングウェイ(著)の感想【ぶちのめされても負けない】

ぶちのめされても負けない 読むまでの印象は、 老人が、海で大きな魚を釣り上げる奮闘記 辛いことでも、我慢し苦労すれば、良い結果が得られる でした。全く違いました。 老人は、命を懸けてカジキマグロを釣り上げ、釣り上げた後も命がけだったのです。 特…

『知識を操る超読書術』メンタリストDaiGo(著)の感想【読書を人生にフル活用する方法】

読書を人生にフル活用する方法 なぜ、その本を読むのか その本からどんな知識を得たいのか それを考えるだけで、読書体験が全く異なると、著者のDaigoさんは言います。 読書を人生に役立てるには、 本を読む準備をする 本の読み方を知る 本から得た知識をア…

『限りなく透明に近いブルー』村上龍(著)の感想【乱交、ドラック、暴力】(群像新人賞受賞、芥川賞受賞)

乱交、ドラック、暴力 米軍基地が身近に存在する、若者たちの乱交、ドラック、暴力です。 主人公の名前、リュウは著者と同じです。 著者の経験が入った作品でしょう。 あとがきでは、ヒロインに向けて書かれています。 こんな小説を書いたからって、俺が変わ…

『勝ち続ける意志力』梅原大吾(著)の感想【勝ちを目的にしない生き方】

勝ちを目的にしない生き方 著者の梅原さんは、プロゲーマーです。 小学生の頃から、ゲームへの意識が並外れていました。 唯一の存在だったゲームを諦めたら、続けることをやめたら人生が終わる。 同級生でサッカーをする人が増えても、一人でゲームを続けま…

『ブチ抜く力』与沢翼(著)の感想【常に本気で一つの結果にストイック】

常に本気で一つの結果にストイック 著者の与沢さんは、 仮想通貨で14億円の利益 2か月で体重22キロのダイエット を達成しました。 これらができたのは、ブチ抜いたからだと言います。 ブチ抜くには、 常に本気である事。そして、一つの結果のためだけに、た…

『給水塔』岸政彦(著)の感想【大阪での断片的な出来事】

大阪での断片的な出来事 著者の岸さんは、大学入学以降、大阪に住んでいます。 大阪に住んだ岸さんは、 ベースを始めて、仕事として演奏 バーテンダーのバイト 大学院に落ちて、発掘現場や建設現場で日雇い労働 と、勉強以外に一生懸命です。 発掘現場のバイ…

『土の中の子供』中村文則(著)の感想【山奥で埋められた子供】(芥川賞受賞)

山奥で埋められた子供 主人公は、27歳のタクシー運転手です。 幼少の頃、養親に山奥で埋められ、孤児院で育ちました。 その過去は、現在の行動に尾を引いているようです。 たむろしている男たちに向けて、吸い殻を投げる マンションの外壁から身を出して落ち…

『最後の命』中村文則(著)の感想【集団レイプに遭遇した小学生】

集団レイプに遭遇した小学生 小学生の頃、主人公と友人は、ホームレスの集団と交流がありました。 ある夜、友人の家出に付き合って、ホームレスの集落へ行くと、 裸で横たわる女性を中心に、周りを囲んでいる男たちがいました。 見てはいけないと、主人公は…

『高橋弘希の徒然日記』高橋弘希(著)の感想【歌人、俳人、廃人】

歌人、俳人、廃人 エッセイというより随筆です。 語り口が堅い(古風な)分、語られている内容のおかしさが浮き出ます。 例えば、アニメ「けものフレンズ」を「一切、理解できぬ。」と言いながら最後まで視聴したり、コアファンしか知らないコラボ企画に参加…

『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』橋下徹(著)の感想【ビジョンを持つ方法】

ビジョンを持つ方法 ビジョン(大きな方針)を持つため、橋下さんが毎日行っていることがあります。 主要な新聞五紙などを読み、様々なニュースに対して、「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をしています。(中略)単にニュースの知識を…

『冷たい水の羊』田中慎弥(著)の感想【いじめられたと思わない】(新潮新人賞受賞)

いじめられたと思わない 中学2年生の主人公は、クラスメイトからいじめを受けています。 殴られるのは日常茶飯事で、 筒型の風呂で冷水や尿をかけられたり、尻の穴にモップの柄を入れられたりします。 主人公は、独自の「論理」を持ち込んで耐えます。 いじ…

『労働2.0 やりたいことして、食べていく』中田敦彦(著)の感想【いるべき場所に身を置く】

いるべき場所に身を置く 労働2.0とは、 一つの職種、会社、場所にとらわれないこと 雇われるだけでなく、雇う視点も取り入れ、変化と進化をしながら「やりたいこと」を実現させて、食べていくこと と、著者の中田さんは言います。 では、「やりたいこと」を…

『あひる』今村夏子(著)の感想【口に出してはいけないこと】(河合隼雄物語賞受賞、芥川賞候補)

口に出してはいけないこと 主人公と両親の三人暮らしの家で、あひるを飼うことになりました。 名前は「のりたま」 近所の子どもたちがあひるを見に来るので、家が賑わいます。 両親は、家に来る子どもたちのために、お菓子やお茶を出したり、勉強できるよう…

『人気ブログの作り方』かん吉(著)の感想【リピーターを付ける方法】

リピーターを付ける方法 人気ブログを作るには、 リピーターを付けることだと、著者のかん吉さんは言います。 グーグルなどの検索エンジンに頼りすぎると、 アルゴリズムの変化でサイトの掲載順位が下がったら、アクセス数が減るからです。 一方で、リピータ…

『東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない』ときど(著)の感想【公務員かプロゲーマーか】

公務員かプロゲーマーか 東大卒のときどさんは、進路を公務員かプロゲーマーに、決めかねていました。 公務員は安心だから。(中略)プロゲーマーは、海のものとも山のものともわからない。ゲームは趣味でやっていたってじゅうぶんに楽しい。 周りの人に相談…