いっちの1000字読書感想文

一応平成生まれ。小説やビジネス書中心に感想を書いています。

生きづらさを抱えている人に 西野亮廣『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』の感想(1000字)

生きづらさを抱えている人に 「魔法のコンパス」とは、生き方の指針です。 現代は生き方が多様化していますので、道を自分で決める必要があります。 そんな道なき道の歩き方について、 キングコングの西野さんが、 問いを持ち 解決する答えを考え 実行した …

会社の部活に熱心な社会人 町屋良平『カタストロフ』の感想(1000字)

会社の部活に熱心な社会人 部活が楽しみで、中学校や高校に通っている学生は多いでしょう。 では、部活を楽しみに会社に通う社会人はどれくらいいるのでしょうか。 私の周りにはいません。 仕事が終わったら、なるべく早く帰りたいです。 飲み会に行くと仕事…

幸せとは何か 雨宮まみ『東京を生きる』の感想(1000字)

幸せとは何か 幸せになりたい。誰もが願います。 その漠然とした、幸せとは何でしょう。 「そんなことしてたら、ずっと幸せになんかなれないよ」。 そう言うときの人の顔が、いちばん醜いと思う。(p.185) 「幸せになんかなれないよ」という言葉は、足を引…

介護と戦争がリンクする 中西智佐乃『尾を喰う蛇』(新潮新人賞受賞)の感想(1000字)

介護と戦争がリンク 主人公は35歳の介護福祉士で、病院に勤めています。 入居者の老人が、女性の身体に触れたり、暴力をふるったりすることに、苛立っていました。 老人が暴れたとき、主人公は力で抑えます。 そして、相手を暴力で封じ込むことに味をしめま…

苦しみを楽しみに変える方法 水野敬也『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』の感想(1000字)

苦しみを楽しみに変える シリーズ3作目。 ストーリーが独立しているので、1や2を読んでいなくても楽しめます。 主人公は、OLです。 もし、私があと五歳若かったら、小さな努力を積み重ねながら人生を変えていくことができたかもしれない。 もう遅いと諦め、…

美しくなりたい男の凶器めいた語り 遠野遥『改良』(文藝賞受賞)の感想(1000字)

美しくなりたい男の凶器めいた語り 主人公の大学生は、女装をします。 一度買ったウィッグが気に入らないから買い直したり、メイクを研究したりと、ストイックです。 男が好きなのかな? と思いますが、そうではありません。 私は、美しくなりたいだけだった…

かか弁という新しい方言 宇佐見りん『かか』(文藝賞受賞)の感想(1000字)

かか弁という新しい方言 「かか」とは、母親です。 「かか弁」は、母親の使う独特な言葉です。 東北弁ではなく、博多弁でも関西弁でもありません。 最初は読みにくいですが、次第にこの語りに慣れます。 かかは、ととの浮気したときんことをなんども繰り返し…

ビートたけしの語り口 北野武『足立区島根町』の感想(1000字)

ビートたけしの語り口 ビートたけしさんが、昔話をしているような語り口です。 読んでいると、たけしさんの声で脳内再生されます。 一番古い記憶は、母親におんぶされながら、近所のおばさんと会話したことだそうで、 「たけちゃんは誰の子?」と訊かれると…

あの時できなかったこと 村上春樹『1973年のピンボール』(芥川賞候補)の感想(1000字)

あの時できなかったこと あの時できなかったことが、今ならできるかもしれない。 そう思い、行動するには、ある程度の時間が必要です。 主人公は、大学時代にピンボール台「スペースシップ」に没頭していました。 ですが、ゲームセンタ―の突然の閉店で「スペ…

忘れていた思い出が蘇る 岸政彦『図書室』(三島賞候補)の感想(1000字)

忘れていた思い出が蘇る 読んでいて、自分自身の思い出が蘇りました。 今まで思い出したことがない、小さな出来事です。 どこか遠くなつかしい風景が、記憶を呼び覚ましたのかもしれません。 主人公は一人暮らしの50歳女性で、小学生時代を回想します。 当時…

選考委員が絶賛 三国美千子『いかれころ』(新潮新人賞受賞、三島賞受賞)の感想(1000字)

選考委員が絶賛 新潮新人賞、三島由紀夫賞のダブル受賞です。 新潮新人賞を受賞したときに、一度手に取りましたが、冒頭で読むのをやめました。 理由は、 4歳の少女視点なのに、達観した言葉づかい 4歳の少女視点なのに、父母を名前で表記(「父は」ではなく…

醜い女性との交流 村上春樹『謝肉祭(Carnaval)』の感想(1000字)

もっとも醜い女性 彼女は、これまで僕が知り合った中でもっとも醜い女性だった(p.10) そう語る主人公は、村上春樹さん本人に限りなく近いです。 主人公は50歳過ぎ、 その醜い女性(名前はF*)は40歳くらい お互い既婚者ですが、2人で音楽を聴きに行ったり…

閉じ込められた世界で没頭する 金子薫『壺中に天あり獣あり』(三島賞候補)の感想(1000字)

閉じ込められた世界 主人公は、広大なホテルの中をさまよいます。 どんなに歩いても、 廊下が一直線に続き、 部屋のドアがずらっと並び、 螺旋階段が上下に伸びています。 ホテルの外へは出られません。 部屋のドアを開けると、ベッドがあったり、バーや資料…

仕事がつまらないと思う人に 堀江貴文『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』の感想(1000字)

仕事がつまらないと思う人に 堀江さんは、逮捕され、懲役2年6か月の判決を受けました。 出所後のインタビューで、「出所したら何をやりたいか」とよく聞かれたそうです。 仮釈放されるまでの1年9ヵ月間、僕の心をとらえて離さなかった言葉、それは次のひと言…

ありがとうを言われたことのないパン屋 今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』の感想(1000字)

ありがとうを言われたことのないパン屋 主人公と父は、商店街でパン屋を営んでいます。 父がパンを焼き、主人公(娘)が店番です。 ですが客が来ません。 理由は2つあります。 商店街からのけ者 ねずみが出るなどの噂 父はパン屋をたたみ、実家の母(主人公…

自由な人生にする方法 橘玲『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ』の感想(1000字)

自由な人生にする方法 仕事がなければ自由なのに。 と思うのですが、仕事を辞めたら収入がなくなります。 収入なしでは食べていけませんので、仕事を辞めることはできません。 自由になるには、経済的に豊かになる必要があります。 本書によると、黄金の羽根…

第41回野間文芸新人賞受賞作発表(2019年)の感想

第41回野間文芸新人賞受賞作 2019年11月6日(水)に発表されました。ダブル受賞です。 古谷田奈月『神前酔狂宴』 神前酔狂宴 作者: 古谷田奈月 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/07/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 千葉雅也『デ…

野間文芸新人賞予想 第41回候補作発表・掲載誌まとめ(2019年)

野間文芸新人賞候補作発表 2019年10月1日、野間文芸新人賞の候補6作品が発表されました。 受賞作の発表は、2019年11月6日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 古谷田奈月『神前酔狂宴』 『無限の玄/風下の朱』に続き、2回連続の候補です。 神…

戦争から帰ったら別人に 高山羽根子『如何様』(野間文芸新人賞候補)の感想(1000字)

戦争から帰ったら別人に 戦争は人を変えると言います。 その言葉どおり、戦争から帰ってきた男の見た目が、別人になっていました。 見た目は明らかに別人なのに、男の両親も、男の妻も、さほど気にしていません。 むしろ、帰ってきたのがありがたいと、男の…

ユーモアな前立腺がん闘病記 四元康祐『前立腺歌日記』(野間文芸新人賞候補)の感想(1000字)

ユーモアな前立腺がん闘病記 前立腺がんの闘病記と聞くと、シリアスかつ下の話が多いのではと、思うかもしれません。 ですが、ユーモアです。(下の話が多いのは否定しません) 手術の場合の後遺症って、なんなんですか? と私は訊いた。 主に尿漏れと性的不…

努力しても報われない人に 水野敬也『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』の感想(1000字)

努力しても報われない人に 主人公は、売れないピン芸人です。 芸人への憧れを捨てきれず、サラリーマンを辞めました。 このまま毎朝同じ電車に揺られ、同じ作業を繰り返して一生を過ごしていくのだろうか。 (中略) 人間にとって一番怖いのは、将来が見えな…

披露宴の滑稽さを高めるため全力で働く男 古谷田奈月『神前酔狂宴』(野間文芸新人賞受賞)の感想(1000字)

披露宴の滑稽さを高めるため全力で働く 神前酔狂宴を文字どおり読むと、神の前で酔い狂う宴。 主人公は、結婚披露宴の会場の派遣スタッフです。 結婚披露宴って何?(中略)なんでみんな、結婚を披露するの?(p.40) そう思いながら、時給が高いので働いて…

締め切りに追われるゲイの大学院生 千葉雅也『デッドライン』(野間文芸新人賞受賞)の感想(1000字)

締め切りに追われるゲイの大学院生 デッドライン=修士論文の締め切りです。 主人公は、哲学を研究する大学院生です。 とりあえず惰性でモースの研究を続けていた。それでいいのかどうかはまだよく考えていなかった。(p.10) モースの研究をするのは、流さ…

やりたくないことから逃げる 大原扁理『なるべく働きたくない人のためのお金の話』の感想(1000字)

やりたくないことから逃げる 「やりたいことをしよう」 成功している人がよく言うイメージです。 ですが、やりたいことがわからない人もいます。 「やりたいことがわからないんです……」 と言おうもんなら、 「絶対あるから。探そう」 そんなときは、逆の発想…

母に一人残された少女 宮下遼『青痣』(野間文芸新人賞候補、三島賞候補)の感想(1000字)

母に一人残された少女 二人暮らしの家から、母が消えます。 母の最後の言葉です。 「ジターヌを切らしてるみたいなの」 (中略) 「だから、ちょっと買いに行ってくるわ」(p.37) ジターヌ(煙草)を買いに、少女から離れる母。 少女は、子を預かっている貸…

村上春樹作品で最初に読むなら【初心者向け3選】

短編がおすすめ 村上春樹作品を読んでみたいけど、どれを読んだらいいかわからない。 そんな方向けに、おすすめ作品を紹介します。 結論から言うと、短編がおすすめです。 なぜか。理由は2つです。 読みやすいから 自分に合うかどうかわかるから 1つ目、読み…

お店が生き残るには 堀江貴文『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』の感想(1000字)

お店が生き残るには驚きが必要 飲食店の入れ替わりは激しいです。 特に都心は、行くたびに新しい店ができています。 それは同時に、そこにあった店がつぶれているということです。 どうすれば、生き残るお店を作れるのでしょうか。 365日外食している堀江さ…

ムラ社会で耐えた君は 石倉真帆『そこどけあほが通るさかい』(群像新人賞受賞)の感想(1000字)

ムラ社会で耐える ムラ社会は人間関係が密です。 それが嫌ならムラを出ればいいのですが、主人公は学生なのでそうはいきません。 頭が良いわけでも、スポーツもできるわけでもない女子生徒です。 将来やりたいことがあるわけでもありません。 ただ今の環境が…

生きがいや夢がない人に 町屋良平『愛が嫌い』の感想(1000字)

生きがいや夢がない 何のために生きていますか。 に、明確に答えられる人って、そんないないと思います。 私は、ぼんやりと日々をやり過ごしています。 仕事嫌だなあ、早く帰りたいなあ、休みがいいなあ、というように。 29歳の主人公は、2年前に仕事を辞め…

人間をやるのが下手な人に 又吉直樹『人間』の感想(1000字)

人間をやるのが下手 『人間』というタイトル、強烈すぎます。 主人公も人間だし、登場人物もみな人間です。 では、このタイトルにある『人間』は、何を指すのでしょう。 自分を含めて僕達は人間をやるのが下手なのではないか。人間としての営みが拙いのでは…