いっちの1000字読書感想文

平成生まれの社会人。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『グレイスレス』鈴木涼美(著)の感想【なぜAV女優にならないのか】(芥川賞候補)

なぜAV女優にならないのか 「グレイスレス」の言葉の意味がわかりませんでした。 辞書では、 品のない 見苦しい 恐れのない 不快な など、多様な意味が書かれていました。 作中に「グレイスレス」という言葉は出てきません。 主人公は、AV業界で化粧の仕事を…

村上春樹の新刊をなぜ買ってしまうのか【長編という情報だけで買う理由】

長編という情報だけで買う理由 村上さんの新作長編が、4月13日に発売されます。 www.shinchosha.co.jp 新作の長編は、『騎士団長殺し』以来、6年ぶりです。 公表されているのは、 発売日(4月13日) 長編小説(672ページ) 値段(2970円) 公表されていない…

『異言』グレゴリー・ケズナジャット(著)の感想【与えられた役割を演じる】

与えられた役割を演じる 異言というタイトル。聞きなれない言葉です。 辞書には、 「その人の態度や事実と、言うこととが違うこと」 とあります。 主人公は、幼少のときに行った教会で、異言を目にします。 洗礼を受けた少女が、今までの態度と別人のように…

『鴨川ランナー』グレゴリー・ケズナジャット(著)の感想【京都に帰りたい】(京都文学賞受賞)

京都に帰りたい 主人公は、英語圏で生まれ育ちました。 きみが初めて京都を訪れたのは十六歳のときだ。この時点できみはすでに二年間、日本語を学習している。 本作は、「きみ」という二人称の語りです。 主人公は、 16歳で初京都 大学卒業後、英語を教える…

『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』上田啓太(著)の感想②【他人の視線は偽造】

他人の視線は偽造 感想①はこちらです。 会社から、 2000日休んでください(無給) 2000日休んだ後の仕事はありません(実質クビ) と言われて、思索にふける余裕がありますか。 私にはありません。 金銭的不安から、真っ先に次の仕事を探すでしょう。 上田さ…

『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』上田啓太(著)の感想【タイトル詐欺だが面白い】

タイトル詐欺だが面白い タイトルに惹かれて読みました。 著者のことは存じ上げませんでした。 ウェブメディアで連載していた記事の書籍化のようです。 人は 2000連休与えられると どうなるか 主語が「人は」なので、 無職になった人の話だと思いました。 私…

『開墾地』グレゴリー・ケズナジャット(著)の感想【故郷へ帰る意味】(芥川賞候補)

故郷へ帰る意味 『開墾地』というタイトル。一見とっつきにくいです。 辞書には、「山林や原野を切り開いた土地」とあります。 「開墾地」が意味するのは、 アメリカ(サウスカロライナ州)から上京した主人公 イランからサウスカロライナに渡った主人公の父…

『うまくいっている人の考え方 完全版』の感想【批判されたらどうするか】

批判されたらどうするか 考え方を変えるだけでうまくいく? 怪しいです。 しかし、この帯の紹介文。 「18年間読まれつづけて計100万部」 これにやられて読みました。 訳者のあとがきを抜粋します。 本書は自尊心を高める方法を一〇〇個紹介しています。とく…

『未来まで生きるブログ。滅びるブログ。』の感想【このままだと滅びてしまう】

このままだと滅びてしまう 今のままだと、このブログは滅びます。 すでに滅んでいると言っても過言ではありません。 アクセスが伸びない 稼げない いつ滅んでもおかしくありません。 続けているのは、私の自己満足によります。 ブログを書くと、自分を認めら…

本について本音で話すのが難しい理由【相手と自分に気を遣う】

相手と自分に気を遣う 以前、好きな小説家についての記事を書きました。 読んでくださった方から、以下のような質問を受けました。 「本について本音で話すのは、気を遣うから難しいのです。」について、もっと詳しく知りたいです。 面白い質問です。 本につ…

『書く習慣』いしかわゆき(著)の感想②【読書感想文の書き方】

読書感想文の書き方 感想①はこちらです。 いしかわさんの読書感想文の書き方が、参考になります。 本を読むときは、 心に引っかかる箇所があれば、付箋やドッグイヤーで印をつけていく 私の場合は、 紙の本なら付箋 kindle本ならハイライト機能 を使っていま…

『書く習慣』いしかわゆき(著)の感想①【読者に届く記事を書く方法】

読者に届く記事を書く方法 書く習慣を身につけたい。 そう思って本書を読みました。 著者のいしかわさんは、書くことで、新しいキャリアが開けたそうです。 わたしはライターでもなんでもなく、ブログに日記を書いているだけの、ただの会社員でした。 しかも…

好きな小説家は誰ですかという難問に答えてみる

好きな小説家は誰ですか? と、いきなり聞かれることは、ありません。 聞かれるには、順序があります。 「趣味は何ですか?」から始まり(そんな会話はほとんどありませんが)、 「読書です」や「小説を読むことです」と言った場合に(私は決して言いません…

第168回芥川賞受賞作発表と、近年の受賞作で一番良かった作品

第168回芥川賞受賞作発表 2023年1月19日(木)、芥川賞の受賞作が発表されました。 ダブル受賞です。 井戸川射子『この世の喜びよ』 この世の喜びよ 作者:井戸川射子 講談社 Amazon 佐藤厚志『荒地の家族』 荒地の家族 作者:佐藤厚志 新潮社 Amazon 受賞予想…

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想②【やめる勇気はあるか】

やめる勇気はあるか 感想①はこちらです。 一度始めたことをやめるのは、つらいです。 今まで時間をかけてきたものを、チャラにするようで。 今までの自分を、否定するようで。 最初からやらなければ良かったと、思うこともあります。 私が社会人になってから…

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想①【それでも捨てないものは】

それでも捨てないものは 『ぜんぶ、すてれば』というタイトル。 そしてこの装丁。 読んでみたいと思わせます。 著者を存じ上げませんでした。 中野……なんて読むんだろう。よしひさ様でした。 中野さんは、75歳で現役の、すごい人でした。 一刻も早くセミリタ…

【コロナ陽性と後遺症(胸の痛み)】『最高の体調』鈴木祐(著)の感想

コロナ陽性と後遺症(胸の痛み) 12月下旬。頭痛から始まりました。 結論から言います。 発症から3週間以上たった今も、コロナ前の体調には戻っていません。 特に強かった症状は、以下のとおりです。 1日目:発熱(38度台)、喉の痛み、寒気、だるさ 2日目:発…

第168回芥川賞候補作発表、掲載誌まとめ(2022年下半期)

第168回芥川賞候補作発表 2022年12月16日(金)、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、2023年1月19日(木)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 安堂ホセ『ジャクソンひとり』文藝冬季号 初の候補入りです。 同作で文藝賞を受賞しま…

『マンガでわかる年収400万円からのライフシフト2』の感想【人生100年の生き方】

人生100年の生き方 本書は、「100年生きる時代、自分だけの物語を描こう」というものです。 紹介文に、 「ライフシフト」を、地方在住の平均的な40代日本人男性を主人公に据え、より身近なものとして解説する とあります。 主人公の収入は平均的ですが、スペ…

『ミニマリスト式超人生戦略術』なにおれ(著)の感想【何者にもなれない俺】

何者にもなれない俺 「なにおれ」という著者名が気になりました。 「きっと "なに" 者にもなれない "おれ" たち」の略、だそうです。 著者名からわかることは、 なにおれさんは、何者にもなれないと悟った おれ「たち」なので、何者にもなれないと悟った人は…

『「お金」のベストセラー50冊から目的別ノウハウを一冊にまとめてみた!』の感想【楽しく長く働く方法】

楽しく長く働く方法 本書は、YouTubeで「本要約チャンネル」を運営している方の著書です。 著者がピックアップした50冊を、要約し、一冊にまとめています。 お金の基礎知識 FIREの基礎知識 FIREの目指し方 を学べます。 その中で、良かった部分を紹介します…

『終わった人』内館牧子(著)の感想【終わらないためにどうするか】

終わらないためにどうするか 退職したら何をするか。 主人公は63歳で定年退職しました。会社勤めが「終わった人」です。 妻は美容院で働いています。 子どもは家を出て、家庭を持っています。 主人公には、やるべきことがありません。 やることがなくなって…

『点滅するものの革命』平沢逸(著)の感想【ビートルズ「レボリューション9」】(群像新人賞受賞)

ビートルズ「レボリューション9」 主人公は、5歳か6歳。来年小学校に入学します。 父親と二人暮らしで、父親は多摩川の河川敷で銃を探しています。 探している銃は父のものではありません。拾って報奨金をもらおうとしています。 父親は毎日河川敷に通ってお…

『夜を乗り越える』又吉直樹(著)の感想②【本や読書は何のためにあるのか】

本や読書は何のためにあるのか 感想①はこちらです。 本や読書は何のためにあるのでしょうか。 本書で取り上げられている本は文学です。 文学と読書について、又吉さんの言葉を引用しながら、考えていきます。 本は僕に必要なものでした、本当に必要なもので…

『夜を乗り越える』又吉直樹(著)の感想①【死にたくなる夜を乗り越える方法】

死にたくなる夜を乗り越える方法 又吉さんが、本や読書をもとに語ります。 タイトル「夜を乗り越える」は省略形で、省略しないと「死にたくなる夜を乗り越える」だと思いました。 死にたくなる夜を乗り越える方法の一つが、人を頼るです。 太宰治の自殺の理…

第44回野間文芸新人賞受賞作発表(2022年)の感想

第44回野間文芸新人賞受賞作発表 2022年11月4日(金)、野間文芸新人賞の受賞作が発表されました。 受賞作は、町屋良平さんの『ほんのこども』です。 ほんのこども 作者:町屋良平 講談社 Amazon 感想はこちらです。 私の予想では、『ほんのこども』に○をつけ…

『くるまの娘』宇佐見りん(著)の感想②【装丁の女性に顔がない理由】(野間文芸新人賞候補)

装丁の女性に顔がない理由 感想①はこちらです。 装丁はこちら。 背後に、メリーゴーランド 手前に、制服を着た女性 メリーゴーランドは、作中、家族で訪れる遊園地にあります。 制服を着た女性は、女子高生の主人公でしょう。 メリーゴーランドの前に主人公…

Amazonオーディブルは徒歩で通勤・通学する人におすすめ【聴く読書の活用法】

聴く読書の活用法 Amazonオーディブルに加入しています。 月額1500円で、本を聴き放題できるサービスです。 12万冊以上の本が登録されているようです。 Amazonオーディブルに、私は2021年6月に登録していました。 そのときの感想はこちらです。 上記記事のタ…

Kindle Unlimitedはキャンペーン時以外おすすめできない【読んで良かった本紹介】

読んで良かった本紹介 Kindle Unlimitedには、キャンペーンのときに加入します。 今回のキャンペーンは、2か月で99円でした。 2か月と期間が定まっているから、読めます。 いつ読んでも良い状態だと、今読まなくてもいいや、となります。 キャンペーン後は、…

『祝宴』温又柔(著)の感想【娘に同姓の恋人がいたら】(野間文芸新人賞候補)

娘に同姓の恋人がいたら 主人公は、67歳になった今も、会社のプロジェクトを統括するビジネスマンです。 中国 台湾 日本 を行き来します。 妻と娘2人は日本にいて、下の娘の結婚式(祝宴)に出席しました。 結婚式の夜、37歳の上の娘は言います。 かのじょの…