2019-01-01から1年間の記事一覧
2019年に読んで良かった本3選 2019年に読んだ小説で、良かった3冊を紹介します。 古谷田奈月『神前酔狂宴』 神前酔狂宴 作者:古谷田奈月 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/07/11 メディア: 単行本 金子薫『壺中に天あり獣あり』 壺中に天あり獣あ…
犬の写真と偉人の教え 『夢をかなえるゾウ』シリーズが良かったので、手に取りました。 どちらの本も、偉人の教えから現代につながる学びを習得し、人生を豊かにするものです。 ただ、学び方が違います。 『夢をかなえるゾウ』:ストーリーから教訓を学ぶ 『…
コーンフレークは煩悩の塊 ミルクボーイの1本目のネタ「コーンフレーク」 内容は、「好きな朝ごはんを忘れてしまったお母さんのため、手がかりからその朝ごはんを当てる」というもの。 「甘くてカリカリして牛乳とかかける」という手がかりからコーンフレー…
草刈りする理由 主人公の母の実家に、使われないまま放置されている納屋があります。 納屋の周りには草が生い茂っており、その草を刈るため、親族が集まります。 主人公 母 母の姉 母の姉の子 母の兄 主人公は、草を刈る必要はないと思っています。 納屋は使…
卒業式後の家族旅行 主人公の女子大生は、卒業式に出たくありません。 卒業式に行くか行かないかぐらい自分で決める。お母さんだって来るわけじゃないんだし、それでいいでしょ 母親は言います。 「行く」 「は?」 「家族みんなで」 家族で卒業式に出ると言…
「好き」以外を排除して一極集中 ミニマリストって、必要最低限の物だけで生活する人でしょ? そう思っていましたが、しぶさんの持ち物に驚かされました。 ドラム式洗濯乾燥機 口腔洗浄機 ダイソンのヘヤドライヤー 意外とお金をかけてると驚きましたが、 ミ…
幼なじみの選挙を妨害 地元の村長選に、幼なじみが立候補しました。 現職の村長が、スキャンダルを期に辞任したからです。 村議会議員をしている主人公は、幼なじみを応援する予定でした。 ですが、村の有力者の応援を受けて対立候補が出馬し、その応援者か…
結婚に不安や迷いがある人に 結婚に迷う理由は何ですか? お金がないから 仕事をしていないから いい相手を探しているから それでも結婚しましょう、と著者のえらいてんちょうさんは言います。 なぜでしょうか。 結婚することで、 社会的ステータスが上がる…
文学、社会、政治を考える 2002年のデビューから2019年までに書いたものをまとめた、エッセイ集です。 3つの章に分かれています。 エッセイと文学論的なもの 社会問題や政治 エッセイと受賞関連の文 書き下ろしは、以下の3つです。 作家志望の方々に この国…
第162回芥川賞候補作決定 2019年12月16日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、2020年1月15日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 木村友祐『幼な子の聖戦』 初の候補です。 前回(161回)の芥川賞で、古市憲寿さんの『百の…
会社勤めが向いてない人に 大学を卒業した人の大半は、就職します。 ですが、著者のえらいてんちょうさんは起業しました。スキルなしでです。 なぜなら、 就活なんてやってられない 毎朝、スーツを着て満員電車に乗るのが無理 だからです。 営業計画を綿密に…
他人が産んだ子を育てるか 他人が産んだ子とは、養子のことではありません。 主人公の彼氏には、お金を払って会っている女性がいました。 その女性の産む子です。 彼氏は浮気をしていただけでなく、相手を妊娠させていたのです。 主人公は、卵巣の腫瘍を切除…
生きづらさを抱えている人に 「魔法のコンパス」とは、生き方の指針です。 現代は生き方が多様化していますので、道を自分で決める必要があります。 そんな道なき道の歩き方について、 キングコングの西野さんが、 問いを持ち 解決する答えを考え 実行した …
会社の部活に熱心な社会人 部活が楽しみで、中学校や高校に通っている学生は多いでしょう。 では、部活を楽しみに会社に通う社会人はどれくらいいるのでしょうか。 私の周りにはいません。 仕事が終わったら、なるべく早く帰りたいです。 飲み会に行くと仕事…
幸せとは何か 幸せになりたい。誰もが願います。 その漠然とした、幸せとは何でしょう。 「そんなことしてたら、ずっと幸せになんかなれないよ」。 そう言うときの人の顔が、いちばん醜いと思う。(p.185) 「幸せになんかなれないよ」という言葉は、足を引…
介護と戦争がリンク 主人公は35歳の介護福祉士で、病院に勤めています。 入居者の老人が、女性の身体に触れたり、暴力をふるったりすることに、苛立っていました。 老人が暴れたとき、主人公は力で抑えます。 そして、相手を暴力で封じ込むことに味をしめま…
苦しみを楽しみに変える ストーリーが独立しているので、1や2を読んでいなくても楽しめます。 主人公は、OLです。 もし、私があと五歳若かったら、小さな努力を積み重ねながら人生を変えていくことができたかもしれない。 もう遅いと諦め、一発逆転を狙いま…
美しくなりたい男の凶器めいた語り 主人公の大学生は、女装をします。 一度買ったウィッグが気に入らないから買い直したり、メイクを研究したりと、ストイックです。 男が好きなのかな? と思いますが、そうではありません。 私は、美しくなりたいだけだった…
かか弁という新しい方言 「かか」とは、母親です。 「かか弁」は、母親の使う独特な言葉です。 東北弁ではなく、博多弁でも関西弁でもありません。 最初は読みにくいですが、次第にこの語りに慣れます。 かかは、ととの浮気したときんことをなんども繰り返し…
ビートたけしの語り口 ビートたけしさんが、昔話をしているような語り口です。 読んでいると、たけしさんの声で脳内再生されます。 一番古い記憶は、母親におんぶされながら、近所のおばさんと会話したことだそうで、 「たけちゃんは誰の子?」と訊かれると…
あの時できなかったこと あの時できなかったことが、今ならできるかもしれない。 そう思い、行動するには、ある程度の時間が必要です。 主人公は、大学時代にピンボール台「スペースシップ」に没頭していました。 ですが、ゲームセンタ―の突然の閉店で「スペ…
忘れていた思い出が蘇る 読んでいて、自分自身の思い出が蘇りました。 今まで思い出したことがない、小さな出来事です。 どこか遠くなつかしい風景が、記憶を呼び覚ましたのかもしれません。 主人公は一人暮らしの50歳女性で、小学生時代を回想します。 当時…
選考委員が絶賛 新潮新人賞、三島由紀夫賞のダブル受賞です。 新潮新人賞を受賞したときに、一度手に取りましたが、冒頭で読むのをやめました。 理由は、 4歳の少女視点なのに、達観した言葉づかい 4歳の少女視点なのに、父母を名前で表記(「父は」ではなく…
もっとも醜い女性との交流 彼女は、これまで僕が知り合った中でもっとも醜い女性だった そう語る主人公は、村上春樹さん本人に限りなく近いです。 主人公は50歳過ぎ、 その醜い女性(名前はF*)は40歳くらい お互い既婚者ですが、2人で音楽を聴きに行ったり…
2010年代のアニメ年別ベスト Monomaneさんの以下の記事を読みまして、 proxia.hateblo.jp 私も、2010年代に放送されたアニメの年別ベストをまとめておこうと思いました。 まずは結論から。 2010年 けいおん!! 2011年 花咲くいろは 2012年 TARI TARI 2013年 …
閉じ込められた世界 主人公は、広大なホテルの中をさまよいます。 どんなに歩いても、 廊下が一直線に続き、 部屋のドアがずらっと並び、 螺旋階段が上下に伸びています。 ホテルの外へは出られません。 部屋のドアを開けると、ベッドがあったり、バーや資料…
仕事がつまらないと思う人に 堀江さんは、逮捕され、懲役2年6か月の判決を受けました。 出所後のインタビューで、「出所したら何をやりたいか」とよく聞かれたそうです。 仮釈放されるまでの1年9ヵ月間、僕の心をとらえて離さなかった言葉、それは次のひと言…
ありがとうを言われたことのないパン屋 主人公と父は、商店街でパン屋を営んでいます。 父がパンを焼き、主人公(娘)が店番です。 ですが客が来ません。 理由は2つあります。 商店街からのけ者 ねずみが出るなどの噂 父はパン屋をたたみ、実家の母(主人公…
自由な人生にする方法 仕事がなければ自由なのに。 と思うのですが、仕事を辞めたら収入がなくなります。 収入なしでは食べていけませんので、仕事を辞めることはできません。 自由になるには、経済的に豊かになる必要があります。 本書によると、黄金の羽根…
第41回野間文芸新人賞受賞作 2019年11月6日(水)に発表されました。ダブル受賞です。 古谷田奈月『神前酔狂宴』 神前酔狂宴 作者: 古谷田奈月 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/07/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 千葉雅也『デ…