いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『我が手の太陽』石田夏穂(著)の感想②【検査員の存在は何か】(芥川賞候補)

検査員の存在は何か 感想①はこちらです。 主人公は工事現場の溶接工です。 予定より早く来た検査員が、主人公の溶接が「不合格(フェール)」だったと知らせます。 検査員は加えて、これまでの主人公の溶接で、ギリギリの判定もあったと言います。 長く続け…

『我が手の太陽』石田夏穂(著)の感想①【工事現場の人のプライド】(芥川賞候補)

工事現場の人のプライド 主人公は、工事現場の溶接工です。 約20年働いてきて、自分の仕事に自信を持っています。 自他ともに認める、技術の持ち主です。 しかし、主人公の溶接が、検査で引っかかり、溶接をやり直すことになります。 なぜ欠陥が出たのか、自…

『それは誠』乗代雄介(著)の感想②【溺れてる人がいたらどうするか】(芥川賞候補)

溺れてる人がいたらどうするか 感想①はこちらです。 比喩的に、主人公は溺れています。 修学旅行の自由行動の1日で、叔父に会いに行くわけですから。 班を離れ、単独行動を希望する主人公。 毎日薬の服用が必要で、吃音持ちの「松」は、主人公への同行を希望…

『それは誠』乗代雄介(著)の感想①【著者の最高傑作】(芥川賞候補)

著者の最高傑作 掲載されている文學界の表紙に、 4人の若者のかけがえのない生の輝きをとらえた、著者の最高傑作! と書かれています。 出版社側が最高傑作と謳った作品で、最高傑作だった試しがあるでしょうか。 ですが、心配無用です。 乗代さんの小説はほ…

『##NAME##』児玉雨子(著)の感想【交換可能な名前】(芥川賞候補)

交換可能な名前 主人公のジュニアアイドル時代と、アイドルを引退した後の大学生時代を描きます。 帯には、 私の過去は、”現代の闇”なのか? でもそれは、あまりにまぶしい闇だった。 「現代の闇」とは、どういうことでしょうか。 セックスを強要されたりヌ…

『ハンチバック』市川沙央(著)の感想①【選評を読んで】(文學界新人賞受賞、芥川賞受賞)

選評を読んで ハプニングバーの潜入記事から始まります。 いきなり性的な表現からか……。 読み始めの印象はそうでした。 しかし、それは入院している人間が執筆している架空の記事だとわかります。 体験ではなく、創作か。 小説自体、創作なのですが、体験を…

『松本』松本人志(著)の感想【ナインティナインはダウンタウンの○○】

ナインティナインはダウンタウンの○○ 本書は、1995年10月5日発行で、 週刊朝日の連載を、単行本化したものです。 ナインティナインについての記載があるのは、雑誌連載の最終回。 1995年7月14日号の週刊朝日だと思われます。 「ポスト・ダウンタウン」と言わ…

高橋弘希×星野智幸 対談「解放をもたらし得る小説」の感想(『群像』2018年2月号)

解放をもたらし得る小説 「解放」とは何でしょうか。 この対談は、高橋さんの小説『日曜日の人々』の話がメインです。 『日曜日の人々』では、自助グループ(悩みや問題を抱えた人たちが集まる場)を描きます。 『日曜日の人々』の感想はこちらです。 作中で…

磯﨑憲一郎×乗代雄介 対談「小説のプランを信じ続ける」の感想(『文学界』2020年8月号)

小説のプランを信じ続ける 小説のプランを信じ続けるとは、どういうことでしょうか。 私には理解できませんでした。 少なくとも、小説を書くためのプロット(プラン)を信じ続けて書く、ということではないでしょう。 理解できなかったのに、なぜ感想を書く…

「受賞者インタビュー 無職の二年間が精神修行になった」の感想(『文藝春秋』2017年9月号)

無職の二年間が精神修行になった 沼田真佑さんが『影裏』で芥川賞を受賞したときのインタビュー記事です。 タイトルが強烈です。 無職の二年間が 精神修行になった どういうことなんでしょうか? 沼田さんは、約10年間働いた後に、無職になったそうです。 九…

国立国会図書館の近くに住みたい【ビジネスホテルに宿泊】

ビジネスホテルに宿泊 国立国会図書館の近くに住みたいです。 本、雑誌、漫画が読み放題 館内の端末で、ポチっと押すだけで、受付カウンターに資料が届く 調べものには、もってこいの場所です。 国会図書館のメリットはこちらで紹介しています。 国会図書館…