いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『狭間の者たちへ』中西智佐乃(著)の感想【女子高生の匂いで元気をもらう】

女子高生の匂いで元気をもらう 「狭間の者たち」とは誰のことでしょう。 主人公は該当しそうです。 主人公は、保険の営業をする店で、店長をしています。 営業成績は、エリアの店舗の中で、下位に位置します。 年下のエリアマネージャーから指導されてしまい…

『キシマ先生の静かな生活』森博嗣(著)の感想【『喜嶋先生の静かな世界』との違い】

『喜嶋先生の静かな世界』との違い 『喜嶋先生の静かな世界』が良かったので読みました。 感想はこちらです。 『キシマ先生の静かな生活』は、Amazonで合本版の「1 (全2冊) 番目の本」として紹介されてました。 『喜嶋先生の静かな世界』の前日譚かと思って…

『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣(著)の感想【純粋な研究者の末路】

純粋な研究者の末路 喜嶋(きしま)先生は、主人公の通う大学の助手です。 助手は、 教授 助教授 の次に位置するポジションです。 喜嶋先生は、立派な業績を持ってますが助手のままです。 主人公は、大学の研究室(ゼミ)で、喜嶋研究室に配属されます。 喜…

『なれのはて』加藤シゲアキ(著)の感想【細部が気になった】(直木賞候補)

細部が気になった 壮大な作品でした。 加藤さんはアイドルなので、そのイメージが先行してしまいます。 アイドルでもこんな作品書けるのかという驚きに、繋がってしまいます。 その驚きはいけない気がします。 アイドルが書いたのではなく、加藤さんが書いた…

アニメ『とらドラ!』の感想【16話「踏みだす一歩」に痺れた】

16話「踏みだす一歩」 2008年放送のアニメです。全25話。 絵に少し時代を感じるかもしれませんが、物語に古さは感じません。 昔見たことあるような気がしましたが、内容は覚えていませんでした。 タイトルの とら:タイガー=大河(女子) ドラ:ドラゴン=…

『世紀の善人』石田夏穂(著)の感想【善人とは誰か】

善人とは誰か 文章だけで笑わせてくれる小説は、石田さんの作品以外、ぱっと思いつきません。 稀有な作家さんです。 本作の掲載は、すばる1月号。 まだ、芥川賞候補にも単行本にもなっていない作品を、読みました。 雑誌の表紙に「石田夏穂」の文字が見えて…

『臆病な都市』砂川文次(著)の感想【新型感染症の噂で】

新型感染症の噂で 都心で新型感染症の噂が広まります。 主人公は、首都庁に勤めている職員です。 部署は、総務局行政部市町村課地域連携係。 業務内容は連絡・調整で、悪くいえば単なる伝声管だ。 主人公に、感染症関連の仕事が降ってきます。 鳥の新型感染…

『しをかくうま』九段理江(著)の感想【本物の競馬実況】(野間文芸新人賞受賞)

本物の競馬実況 「シヲカクウマ」は、馬の名前で、競馬の出走馬です。 主人公は、「シヲカクウマ」のファンです。 「シヲカクウマ」だけでなく、主人公は馬を愛しています。 馬を愛するがゆえ、主人公はTV局のアナウンサーになりました。 我々が今、実際に目…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』平野啓一郎(著)の感想【本を読む理由】

本を読む理由 なぜ、本を読むのか。 主体的に考える力を伸ばすこと。これこそが、読書の本来の目的である。 そうなのでしょうか。 確かに、考える力を伸ばしたいと思って手に取る本もあります。 ただ、それだけではありません。 本を読む喜びの一つは、他者…

『「読み」の整理学』外山滋比古 (著)の感想【わからないことを読む方法】

わからないことを読む方法 「読み」には2種類あると、著者は言います。 未知を読むベータ―読みと既知を読むアルファ読み ベータ―読み:わからないことを読む アルファ読み:わかることを読む 既知を読んで、ものが読めると思っているけれども、それは未知を…