2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
虫と呼ばれた女の子 30代後半の主人公は、音楽で生計を立てています。 夜の店で歌の伴奏 音楽教室の講師 で、月20万円くらい稼ぎます。 主人公が本当にやりたいのは、ジャズクラブでの演奏ですが、ギャラは1回1000円ほどなので、伴奏と講師が主な収入です。 …
純粋に欲を追求した結果 主人公の亜沙は、自分が差し出した物を食べてもらいたいのですが、食べてもらえません。 例えば、 ひまわりの種:園児に、本当に食べられるものかと訝しがられる クッキー:小学生に、クッキー嫌いだからと突き返される というように…
わからないことは怖い 主人公は、中学生のときから10年以上、沖縄の資料館で資料整理をしています。 公的な資料館ではなく、補助金などの収入もありません。 知人が人知れず、情報を蓄積した場所です。 主人公は、資料の整理を無償で行っているため、他に仕…
塔の古い写真 40歳を過ぎた主人公は、離婚し、妻子と会わず数年経っていました。 ただひとり生存を続ける意義を見出せず、毎日を惰性に生きているようなていたらくだった。 そんな主人公のもとに、映画館から封書が届きます。 映写機の葬式をあげるから、ぜ…
亡き母の代わりにブラジルへ 40代半ばの主人公は、亡き母の代わりに、母の友人とブラジルへ行きます。 母は、友人とブラジルに行くのを楽しみにしていました。 ですが、母に癌が見つかり、旅行どころではなくなりました。 母の友人は、ブラジルで育った日系…
大事なことを隠すズルさ 「アキちゃん」は、主人公が小学5年生のときの同級生です。 大人になった主人公が、過去を回想する形で、物語は進みます。 わたしはアキちゃんが嫌いだった。 (中略) これまでの人生において、これほど真剣に誰かを憎んだことはな…
不穏な語り手 「信頼できない語り手」という言葉があります。 主人公の語りが信頼できなく(嘘のようで)、読み手を惑わすことです。 『破局』の語りは、信頼できないというより、読んでいると不穏を感じます。 主人公は、公務員試験を控えている大学4年生で…
感動する文章より情報 記事を書いても、検索で上位に表示されず、全然読んでもらえない……。 そんな人におすすめです。私もその一人です。 本書には、 検索上位に表示される記事を書く方法 最後まで読んでもらえる文章を書く方法 読んだ人を行動に移す文章を…
文学が好きな人に タイトルの「坂下あたる」は、主人公の憧れの存在です。 小説投稿サイトに投稿する高校生で、新人賞の最終選考に残ったこともあります。 あたるには才能がありますが、主人公には才能がなく、劣等感を抱きます。 それでも主人公は、あたる…
第163回芥川賞候補作発表 2020年6月16日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、7月15日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめ、受賞予想をいたします。 『赤い砂を蹴る』石原燃 初の候補入りです。 石原さんは、劇作家で、太宰治のお…
大人になったら英雄はいらない 「ヤー・チャイカ」はロシア語で、意味は「わたしはカモメ」です。 世界で最初の女性宇宙飛行士、テレシコワのコールサインが、「わたしはカモメ」だったそうです。 ちなみに、人類で最初の宇宙飛行士ガガーリンのコールサイン…
世界はぼくを傷つけることができない 主人公は、定職に就かず、アルバイトで生計を立てています。 何をすればいいのだろう。仮に、とりあえず、今のところは、しばらくの間は、アルバイトでもして様子を見る。 淡々とバイトを続けていると、かつてのバイト仲…
戦争の敗残者 太平洋戦争が舞台ですが、敵軍との戦闘がメインではありません。 赤道より南の半島で負傷した主人公が、野戦病院に運び込まれてからがメインです。 山裾に建てられた野戦病院には、 片足のない兵士 マラリアで衰弱した青黒い顔の兵士 顔中に包…
1.もっと早く読めば良かった 本を読んだときに、最も気を付けている感想は、 もっと早く読めば良かった 学生時代に読みたかった です。 そのような感想を持ってしまうと、 今読めた自分を否定してしまいます。 さらに、読んだ本から学ぶ意識が薄れてしまい…
本当に必要なもの 新型コロナウイルス(緊急事態宣言)が教えてくれたことは、 本当に必要なものは何かを考えることでした。 緊急事態宣言下では、 店の営業自粛や営業時間の短縮 在宅ワーク リモート会議 などで、人と接する機会が極端に減りました。 人と…
初夏に読みたい短編 夏の匂いや暑い日ざしを感じるので、初夏の時期におすすめです。 ストーリーはシンプルで、芝刈りのアルバイトをする大学生の、バイト最終日の話です。 バイトを辞める理由は、遠距離に住む彼女に手紙で別れを告げられ、金をためる必要が…
死が中国人を思い出させる 冒頭は、 最初の中国人に出会ったのはいつのことだったろう? で始まり、それを調べるため、主人公は図書館へ出かけます。 しかし主人公は、 僕が最初の中国人に出会った正確な日付になんて誰が興味を持つ? と、思い直し、調べる…