いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第166回芥川賞受賞作発表、選評(2021年下半期)の感想

第166回芥川賞受賞作発表 2022年1月19日(水)、芥川賞の受賞作が発表されました。 砂川文次『ブラックボックス』 ブラックボックス 作者:砂川 文次 講談社 Amazon 私の予想は当たりました。 受賞予想はこちらです。 選評 選考委員の奥泉光さんの会見は、NHK…

『皆のあらばしり』乗代雄介(著)の感想【おめでたい語り手】(芥川賞候補)

おめでたい語り手 主人公は、歴史研究部に所属する高校2年生です。 主人公が一人で課外研究をしていると、大阪弁で話す中年の男と出会います。 大阪弁の男は胡散臭そうなのですが、歴史に詳しく、博識です。 男は、まだ世に出ていない幻の書物を探していまし…

『ブラックボックス』砂川文次(著)の感想【どこか遠くに行きたい】(芥川賞受賞)

どこか遠くに行きたい 28歳の主人公は、メッセンジャーとして働いています。 メッセンジャーとは、都心を自転車で走り回り、配達物を届る仕事です。 主人公は、一日の走行距離が100キロを超える日が続き、転倒してしまいます。 この仕事は食わないと死ぬ。二…

『オン・ザ・プラネット』島口大樹(著)の感想【記憶や時間について語り合う大学生】(芥川賞候補)

記憶や時間について語り合う大学生 大学生の主人公は、映画を撮るため、車で鳥取を目指しています。 映画の舞台は鳥取砂丘 映画の内容は、世界が終わるときに残った4人の会話劇 主人公の他に、男性2名、女性1名います。歳は違いますが全員大学生です。 横浜…

『我が友、スミス』石田夏穂(著)の感想【別の生き物になりたい】(芥川賞候補、すばる文学賞佳作)

別の生き物になりたい 主人公は30歳の女性。仕事終わりにジムで筋トレに励んでいます。 フィットネス感覚ではなく、徹底的に体を鍛える、ガチな筋トレです。 スミスとは、筋トレマシンの名前です。 バーベルの左右にレールがついたトレーニング・マシンであ…

『Schoolgirl』九段理江(著)の感想【痛々しいが憎めない登場人物】(芥川賞候補)

痛々しいが憎めない登場人物 主人公は、娘のために存在すると言っても過言ではない母親です。 今、私には娘だけがいる。まずやるべきこと。娘のために朝食を用意する。(中略)娘を産んでから、娘の朝食の用意を忘れたことはいちどもない、いちども。 主人公…

『33歳、仮想通貨でFIREした僕の投資法』フジマナ(著)の感想【初心者向け】

仮想通貨初心者向け 本のタイトルが「仮想通貨でFIREした僕の投資法」です。 著者フジマナさんは、 億越えの資産を築いた大半は仮想通貨の利益から来たもの と書いていますので、 仮想通貨の何の銘柄を売買し、資産を築いたのか どのタイミングで売買し、資…

読みたい小説について【小説を現実に活かす】

小説を現実に活かす 「読みたい小説」と言われ、思い浮かぶのはどのようなものでしょうか。 難しい問題です。 消去法で、読みたくない小説を考えてみました。 家族もの(特にネガティブなもの) 物語が平坦すぎるもの 知識をひけらかしているもの このあたり…

未経験で司書の転職を目指した結果

未経験で司書の転職を目指した結果 2021年、私は司書への転職活動をしていました。 詳しい経緯などはこちらです。 結果は、 筆記試験:合格 面接試験:不合格 で、内定を得ることはできませんでした。 筆記試験で数名(5名以下)に残ったのですが、 残り数名…

【芥川賞予想】第166回芥川賞候補作発表、掲載誌まとめ(2021年下半期)

第166回芥川賞候補作発表 2021年12月17日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、2021年1月19日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめ、受賞予想をいたします。 石田夏穂『我が友、スミス』(すばる11月号) 初の候補入りです。 同作で…