芥川賞
あの時できなかったこと あの時できなかったことが、今ならできるかもしれない。 そう思い、行動するには、ある程度の時間が必要です。 主人公は、大学時代にピンボール台「スペースシップ」に没頭していました。 ですが、ゲームセンタ―の突然の閉店で「スペ…
Happy Birtday and White Christmas 『Happy Birthday and White Christmas』は、村上春樹さんが本作を応募したときのタイトルです。 受賞の段になり、タイトルが『風の歌を聴け』に変更されたそうです。 なぜ、変更されたのかはわかりません。 確かに『風の…
番組概要 7月17日(水)に第161回芥川賞、直木賞が決定しました。 芥川賞:今村夏子『むらさきのスカートの女』 むらさきのスカートの女 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 直…
芥川賞は、今村夏子『むらさきのスカートの女』 むらさきのスカートの女 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今村さんは受賞すると思っていなかったようです。 (受賞会見から)…
番組概要 7月17日(水)に第161回芥川賞、直木賞が決まります。 受賞作の決定前に、どの作品が受賞するかを予想するラジオ番組です。 出演者(予想する方) 大森望(書評家、SF翻訳家) 豊崎由美(書評家) 芥川賞候補作(5作品) 今村夏子『むらさきのスカ…
死と隣り合わせの仕事 前作『平成くん、さようなら』では、安楽死を望む青年の話でした。 本作の主人公は、窓拭きの仕事をしている青年です。 青年の耳には、死んだ先輩の声が聞こえます。こんなふうに。 そこで生まれてはいけないし、死んではいけない。そ…
さらりと読めるが、ざらりと残る 今村夏子さんの作品は読みやすいです。 シンプルな言葉と気になる展開が、先へと読ませます。 ですが、読みやすい=あっさり、ではありません。 読み終わった後に起こる感情は、以下のようなものです。 結局何の話だったの?…
現実と思考の行き来 主人公のタツコは、アパートで一人暮らししている高齢の女性です。 夫に先立たれましたが、姪やその子どもがよく遊びに来ています。 彼女たちから、タツコはタッコという愛称で呼ばれています。 たわいもない会話が弾み、笑い声が絶えま…
5年間、会わずに思い続けること 5年間会わなかった人を、思い続けることができますか? この作品の主人公(女性)は、大学院時代から好意を寄せていた女性と、5年の月日を経て再会します。 その女性は結婚し、台湾で暮らしています。 日本で働く主人公は、彼…
読みやすいが難しい 『居た場所』に続き、芥川賞候補です。 前作同様、読みやすいです。 ですが、この作品が何を言いたいのか考え出すと、難しくなります。 本作は、主人公の幼少時代から社会人までを描いているのですが、 結局何が言いたいの? と、投げ出…
第161回芥川龍之介賞候補作決定 2019年6月17日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 以下、候補作と掲載誌をまとめます。 今村夏子『むらさきのスカートの女』 第155回の候補『あひる』、第157回の候補『星の子』に続いて3度目の候補です。デビュー作の『…
野間文芸新人賞がきっかけ 普段あまり読まない新人賞ですが、2018年の受賞作、候補作が面白かったので、手を伸ばすことにしました。 受賞作、候補作はこちらです。(太字は読了) 金子薫『双子は驢馬に跨がって』(受賞) 乗代雄介『本物の読書家』(受…
芥川賞候補作 受賞作は読むのですが、候補作はあまり手にとりません。 しかし、受賞作や候補作が面白かったので手を伸ばしました。 受賞作、候補作はこちらです。(太字は読了) 高橋弘希『送り火』(受賞) 古谷田奈月『風下の朱』 北条裕子『美しい顔』 町…
デビュー作で芥川賞 『蛇にピアス』は、綿矢りさ『蹴りたい背中』とダブルで芥川賞を受賞しました。 綿矢さんは2作目であったのに対し、金原ひとみさんはデビュー作での受賞です。 解説の村上龍さんの『限りなく透明に近いブルー』もデビュー作で芥川賞を受…
芥川賞候補作(2019年下半期) 芥川賞は毎回読みますが、候補作は興味をそそられたものだけ読みます。 本書『居た場所』は、選考委員の小川洋子さんが推していたので気になっていました。 三作に絞られたあとの二回めの投票で、私は『居た場所』に丸をつけた…