いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『最後の命』中村文則(著)の感想【集団レイプに遭遇した小学生】

集団レイプに遭遇した小学生 小学生の頃、主人公と友人は、ホームレスの集団と交流がありました。 ある夜、友人の家出に付き合って、ホームレスの集落へ行くと、 裸で横たわる女性を中心に、周りを囲んでいる男たちがいました。 見てはいけないと、主人公は…

『高橋弘希の徒然日記』高橋弘希(著)の感想【歌人、俳人、廃人】

歌人、俳人、廃人 エッセイというより随筆です。 語り口が堅い(古風な)分、語られている内容のおかしさが浮き出ます。 例えば、アニメ「けものフレンズ」を「一切、理解できぬ。」と言いながら最後まで視聴したり、コアファンしか知らないコラボ企画に参加…

『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』橋下徹(著)の感想【ビジョンを持つ方法】

ビジョンを持つ方法 ビジョン(大きな方針)を持つため、橋下さんが毎日行っていることがあります。 主要な新聞五紙などを読み、様々なニュースに対して、「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をしています。(中略)単にニュースの知識を…

『冷たい水の羊』田中慎弥(著)の感想【いじめられたと思わない】(新潮新人賞受賞)

いじめられたと思わない 中学2年生の主人公は、クラスメイトからいじめを受けています。 殴られるのは日常茶飯事で、 筒型の風呂で冷水や尿をかけられたり、尻の穴にモップの柄を入れられたりします。 主人公は、独自の「論理」を持ち込んで耐えます。 いじ…

『労働2.0 やりたいことして、食べていく』中田敦彦(著)の感想【いるべき場所に身を置く】

いるべき場所に身を置く 労働2.0とは、 一つの職種、会社、場所にとらわれないこと 雇われるだけでなく、雇う視点も取り入れ、変化と進化をしながら「やりたいこと」を実現させて、食べていくこと と、著者の中田さんは言います。 では、「やりたいこと」を…

『あひる』今村夏子(著)の感想【口に出してはいけないこと】(河合隼雄物語賞受賞、芥川賞候補)

口に出してはいけないこと 主人公と両親の三人暮らしの家で、あひるを飼うことになりました。 名前は「のりたま」 近所の子どもたちがあひるを見に来るので、家が賑わいます。 両親は、家に来る子どもたちのために、お菓子やお茶を出したり、勉強できるよう…

『人気ブログの作り方』かん吉(著)の感想【リピーターを付ける方法】

リピーターを付ける方法 人気ブログを作るには、 リピーターを付けることだと、著者のかん吉さんは言います。 グーグルなどの検索エンジンに頼りすぎると、 アルゴリズムの変化でサイトの掲載順位が下がったら、アクセス数が減るからです。 一方で、リピータ…

『東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない』ときど(著)の感想【公務員かプロゲーマーか】

公務員かプロゲーマーか 東大卒のときどさんは、進路を公務員かプロゲーマーに、決めかねていました。 公務員は安心だから。(中略)プロゲーマーは、海のものとも山のものともわからない。ゲームは趣味でやっていたってじゅうぶんに楽しい。 周りの人に相談…

『日曜日の人々』高橋弘希(著)の感想【自傷する若者の集まり】(野間文芸新人賞受賞)

自傷する若者の集まり 「日曜日の人々」とは、自助グループのメンバーが書いた原稿を、まとめた冊子です。 そのグループは、病を語れる場所があればというきっかけでできました。 活動場所は、ワンルームマンションの一室です。 原稿をメンバーの前で読んだ…

『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』山口周(著)の感想【本の内容を忘れてしまう人に】

本の内容を忘れてしまう人に 読んだ本の内容を覚えている人ってうらやましいです。 私は、本を読んでしばらくしたら、内容を忘れてしまいます。 著者の山口さんは、その解決には「忘れてもよい仕組み」をつくる必要があると言います。 人は、本を読んでも必…

『影裏』沼田真佑(著)の感想【失踪した親友を探す】(文學界新人賞受賞、芥川賞受賞)

失踪した親友を探す 30代の主人公は、岩手に転勤し、一人暮らしをしています。 2年経っても、人との交流はほとんどありません。 主人公は釣り好きで、釣りのイベントに参加したのですが、 誰とも世間話ひとつできず、そんな自分に落胆します。 唯一、心を許…

『二人組み』鴻池留衣(著)の感想【教えを口実に胸を揉む】(新潮新人賞受賞)

教えを口実に胸を揉む 主人公は中学3年生で秀才です。 ただ授業態度が悪いので、テストの点数は良くても、通知表は2や3ばかりです。 ある日、主人公は、身体測定で廊下に並ぶ女子生徒たちの前を通ります。 下着を取っているため、胸の形をジャージで隠す生徒…