いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『嫌なことから全部抜け出せる 凡人くんの人生革命』ヒトデ(著)の感想【小さな実績の積み上げ】

小さな実績の積み上げ 凡人が、嫌なことから抜け出せる方法なんてあるのでしょうか。 著者のヒトデさんのスタートラインは、 学歴なし(Fラン大学) スポーツ全然ダメ(大会の勝率0%) 仕事もミスだらけ 何かに没頭して結果を出した経験なし 周りに起業した…

『本当の自由を手に入れる お金の大学』両学長(著)の感想【稼ぐ力で生活費<資産所得】

稼ぐ力で生活費<資産所得 著者の両学長は、10代の頃から疑問に思っていました。 なんで毎朝同じ時間に学校や職場に行くのか なんで週に5日も働く必要があって、2日しか休みがないのか なんで毎朝満員電車に揺られる必要があるのか なんで会いたくない人と我…

『私の推敲』町屋良平(著)の感想【私という小説家の極意】

私という小説家の極意 小説家の主人公には、お守りのように読み返している創作の指南書があります。 指南書の名前は、『私という小説家の極意』で、著者の名前は書かれていません。 指南書の著者が、編集者のタカハシクンに向けて話した内容を、タカハシクン…

『こどもの詩』川崎洋(編)の感想【大人は子どもの夕暮れ】

大人は子どもの夕暮れ 本書は、読売新聞に掲載された「こどもの詩」を集めたものです。 それぞれの詩の最後に、編者の川崎さんのコメントが添えられています。 川崎さんは、「こどもの詩」に3つの感想を持っています。 連想の豊かさ。大人の思いつかないイメ…

『だれでも詩人になれる本』やなせたかし(著)の感想【良い詩を書きたい人へ】

良い詩を書きたい人へ やなせさんは、アンパンマンの作者です。詩を書き、詩集の編集もしていました。 本書の冒頭、やなせさんは読者に質問をします。 詩人になりたいですか? 詩をかいてお金もちになりたいですか? それとも世間に名前を知られたいのですか…

『試験勉強という名の知的冒険』富田一彦(著)の感想【学力とは抽象化できる力】

学力とは抽象化できる力 富田さんは、代々木ゼミナールの英語講師です。 主に東大英語を担当しており、富田さんも東大出身です。 本書は、英語を読めなくても読み進めることができます。 本書は「試験」を受けようとしているすべての人々、そして「試験問題…

『1000年後の大和人』松井十四季(著)の感想【保育園の運転手のぼやき】(三田文學新人賞受賞)

保育園の運転手のぼやき 主人公は保育園の運転手をしています。 鬼滅の刃とうっせぇわに辟易しながらバックミラーを見ると8人の保育園児が緑と黒の格子柄のマスクをしながらうっせーうっせーと叫んでいた。 一文目から飛ばしてます。語り口が面白く、引き付…

『詩の楽しみ―作詩教室』吉野弘(著)の感想【詩の書き方のコツ】

詩の書き方のコツ 吉野さんは、詩の定義を、 言葉で、新しくとらえられた、対象(意識と事物)の一面 としています。 対象は、 人 自然現象 社会現象 意識 何でもいいと、言います。 心惹かれた対象をほめようと思い、それを明確に意識の中に持ちこもうとし…

詩人になる方法、現代詩の書き方(『公募ガイド2018年7月号』参照)

詩人になる方法、現代詩の書き方 公募ガイドを参考に、詩人になる方法をまとめます。 プロの詩人になるルートは、 「現代詩手帖賞」を取って単行本を出版 出版した単行本で「中原中也賞」か「H氏賞」を取る だそうです。 では、現代詩手帖賞は、どのようにし…

『くじけないで』柴田トヨ(著)の感想【92歳で産経新聞「朝の詩」に初掲載】

92歳で産経新聞「朝の詩」に初掲載 著者の柴田さんは、息子さんの勧めで、90歳を過ぎてから詩を書き始めたそうです。 柴田さんが腰を痛めて趣味の日本舞踊が踊れなくなってしまったとき、息子さんはなぐさめるために詩を勧めたのでした。 その方の書いた本書…

『現代詩入門』吉野弘(著)の感想【詩の公募コンクールの審査】

詩の公募コンクールの審査 吉野弘さんは、詩のコンクールの審査をしていました。 ある詩の募集は子どもからで、お題は「おかあさん」でした。 大人の詩の場合は、最初の何行かを読めば力倆(りきりょう)のおよその検討がつくけれど、子供の詩の場合は、すば…

『詩のすすめ―詩と言葉の通路』吉野弘(著)の感想【即死場所の読み方】

即死場所の読み方 吉野弘さんが、言葉に興味を呼び起こされるのは、 言葉の意味の重層性に立ち会うとき だと言います。 日常使い馴れている言葉のある一つの意味が、ぐらついてしまって、一つの意味だけでは収拾がつかなくなってしまうときなのです。 例えば…

『生命は』吉野弘詩集の感想【わかりやすいが問いを残す】

わかりやすいが問いを残す 吉野弘さんの詩は、簡潔で分かりやすいです。 例えば、「自分自身に」という詩。 他人を励ますことはできても 自分を励ますことは難しい (中略) 自分がまだひらく花だと 思える間はそう思うがいい すこしの気恥ずかしさに耐え す…