いっちの1000字読書感想文

平成生まれの社会人。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

漫画

『監督不行届』 安野モヨコ(著)の感想【庵野監督がエヴァでやりたかったこと】

庵野監督がエヴァでやりたかったこと 漫画家の安野さんが、夫である庵野監督(カントクくん)との生活を描きます。 庵野監督は、肉と魚が一切食べられないそうです。理由は不明です。 主食は、 サッポロポテトバーベQあじ ベビースターラーメン お好み焼き …

「東京藝大ものがたり」 あららぎ菜名(著)の感想【3浪するほど情熱を注げるもの】

3浪するほど情熱を注げるもの 主人公の女性が、東京藝術大学に、3浪して入学するまでの話です。 主人公が浪人時代、友人から、 いつまでそんなことしているつもりなの と言われます。 主人公が東京藝術大学に行きたくて、と説明しますが、 みんな もう次のス…

漫画『なるたる』鬼頭莫宏(著)の感想【命は代替がきくから 命たりえるんだから】

命は代替がきくから 命たりえるんだから 「なるたる」とは、全12巻(新装版は全8巻)の漫画です。 「なるたる」は略語で、「骸なる星 珠たる子」のひらがな部分を抜粋した造語です。 漫画の内容 漫画の内容への感想 は省きます。私にはうまく説明できません…

『「大家さんと僕」と僕』矢部太郎(著)の感想【相手を立てる謙虚さという人間的魅力】

相手を立てる謙虚さという人間的魅力 本書は「大家さんと僕」の続篇ではありません。 番外編の漫画 寄稿 対談 インタビュー と、ファンブックのような印象を受けました。 正直、続篇じゃないのか……と思いましたが、読んで良かったです。 特に良かったのが、…

『ルックバック』藤本タツキ(著)の感想【4コマ漫画を媒介にした世界】

4コマ漫画を媒介にした世界 小学4年生の主人公は、学級新聞に4コマ漫画を載せています。 ある日、担任の教師から、他の生徒の漫画も載せていいかと聞かれます。学校に来ていない生徒の作品のようで、主人公は、 学校にもこれない軟弱者に漫画が描けますかね…

『大家さんと僕 これから』矢部太郎(著)の感想【血のつながらない親族】

血のつながらない親族 前作『大家さんと僕』の続編です。 『大家さんと僕』の感想はこちらです。 冒頭の、大家さんと僕の人物紹介に、 大家さん:知的なイケメンがタイプ 僕:大家さんとの日々を漫画にしたら思わぬ大ヒットに とあります。前作の人物紹介に…

『大家さんと僕』矢部太郎(著)の感想【Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)のおすすめ】(手塚治虫文化賞)

Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)のおすすめ 『大家さんと僕』、一気読みしました。 なぜ、一気読みできたかというと、 上品な大家さんが魅力(挨拶が「ごきげんよう」、伊勢丹によく行く) 芸人だがうまく喋れない僕が魅力(矢部さん本人) 周りの…

漫画『20世紀少年』浦沢直樹(著)の感想【原動力は嫉妬と復讐】

原動力は嫉妬と復讐 主人公が小学生のときに書いた「よげんの書」どおりに、なぜか日本は進んでいきます。 行き着く先は、世界滅亡。 世界滅亡の危機の元凶である「ともだち」の原動力は、嫉妬と復讐でした。 「ともだち」は2人います。 動機をそれぞれ、 1…

『うみべの女の子』浅野いにお(著)の感想【引きこもりなのに憧れる】

引きこもりなのに憧れる 主人公の男の子は、中学2年生です。 海辺の街に転校してきましたが、仲の良い友達はいません。 友達はいないのに、同級生の女の子に告白できる強さがあります。 振られてしまいますが、のちにその女の子から誘われ、体の関係を持ちま…

漫画『ぼくらの』鬼頭莫宏(著)の感想【鬱マンガで終わらない】

鬱マンガで終わらない 主要な登場人物が次々死ぬことから、鬱マンガとして有名です。 それに乗っかり、胸糞悪さを感じたり、鬱々したりだけでは、もったいないと思いました。 15人の少年少女は、知らない大人に誘われるがまま、退屈しのぎにゲームに参加しま…

『約束のネバーランド』20巻(漫画最終巻)の感想【『わたしを離さないで』と似てるか】

『わたしを離さないで』と似てるか この作品を読み始めたとき、カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』に似てると思ってしまいました。 作品を、別の作品と比較するのは好きではありませんが、 「寿命が決まっている少年少女」 という設定が強烈だっ…

『零落』浅野いにお(著)の感想【売れることが一番重要か】

売れることが一番重要か 主人公は、30代中盤の漫画家です。 連載が終わっても、次の漫画を描けない漫画家です。 著者の浅野さんと似た境遇なので、主人公が浅野さんと重なって見えます。 例えば、主人公の発言、 狭量で懐古主義な漫画ファンたちが漫画業界の…

『おやすみプンプン』浅野いにお(著)の感想【魔力的なヒロインの恐ろしさ】

魔力的なヒロインの恐ろしさ 読後感は良くありません。 かといって、読まなければ良かったとは思っていません。 なぜ、読後感が良くないかというと、 ヒロイン(以下、田中愛子)に、最後まで嫌悪感があったこと 田中愛子を忘れられない主人公(以下、プンプ…

『鬼滅の刃』23巻(漫画最終巻) の感想【自分だけの幸せを見つける】

自分だけの幸せを見つける 最終巻を読んだ直後は、主人公たちの戦いが終わった後の、現代の話は不要に感じました。 確かに、戦いで生き残った者、死んだ者のその後を描くことで、昔と今の繋がりを意識することはできます。 ですが私は、昔と今の繋がりなど、…