いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『鴨川ランナー』グレゴリー・ケズナジャット(著)の感想【京都に帰りたい】(京都文学賞受賞)

京都に帰りたい 主人公は、英語圏で生まれ育ちました。 きみが初めて京都を訪れたのは十六歳のときだ。この時点できみはすでに二年間、日本語を学習している。 本作は、「きみ」という二人称の語りです。 主人公は、 16歳で初京都 大学卒業後、英語を教える…

『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』上田啓太(著)の感想②【他人の視線は偽造】

他人の視線は偽造 感想①はこちらです。 会社から、 2000日休んでください(無給) 2000日休んだ後の仕事はありません(実質クビ) と言われて、思索にふける余裕がありますか。 私にはありません。 金銭的不安から、真っ先に次の仕事を探すでしょう。 上田さ…

『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』上田啓太(著)の感想【タイトル詐欺だが面白い】

タイトル詐欺だが面白い タイトルに惹かれて読みました。 著者のことは存じ上げませんでした。 ウェブメディアで連載していた記事の書籍化のようです。 人は 2000連休与えられると どうなるか 主語が「人は」なので、 無職になった人の話だと思いました。 私…

『開墾地』グレゴリー・ケズナジャット(著)の感想【故郷へ帰る意味】(芥川賞候補)

故郷へ帰る意味 『開墾地』というタイトル。一見とっつきにくいです。 辞書には、「山林や原野を切り開いた土地」とあります。 「開墾地」が意味するのは、 アメリカ(サウスカロライナ州)から上京した主人公 イランからサウスカロライナに渡った主人公の父…

『うまくいっている人の考え方 完全版』の感想【批判されたらどうするか】

批判されたらどうするか 考え方を変えるだけでうまくいく? 怪しいです。 しかし、この帯の紹介文。 「18年間読まれつづけて計100万部」 これにやられて読みました。 訳者のあとがきを抜粋します。 本書は自尊心を高める方法を一〇〇個紹介しています。とく…

『未来まで生きるブログ。滅びるブログ。』の感想【このままだと滅びてしまう】

このままだと滅びてしまう 今のままだと、このブログは滅びます。 すでに滅んでいると言っても過言ではありません。 アクセスが伸びない 稼げない いつ滅んでもおかしくありません。 続けているのは、私の自己満足によります。 ブログを書くと、自分を認めら…

読書感想ブログ(書評ブログ)は読まれないのか【「本しゃぶり」と比較】

「本しゃぶり」と比較 書評ブログは、 稼げない 読まれない と言われます。 本当なのでしょうか。 正直に言います。 2019年2月開始のこのブログ、稼げません。 当然、読まれてもいません。 2021年1月に月6000PV(閲覧数)を超え、 次は月9000PVと意気込んで…

本について本音で話すのが難しい理由【相手と自分に気を遣う】

相手と自分に気を遣う 以前、好きな小説家についての記事を書きました。 読んでくださった方から、以下のような質問を受けました。 「本について本音で話すのは、気を遣うから難しいのです。」について、もっと詳しく知りたいです。 面白い質問です。 本につ…

『書く習慣』いしかわゆき(著)の感想②【読書感想文の書き方】

読書感想文の書き方 感想①はこちらです。 いしかわさんの読書感想文の書き方が、参考になります。 本を読むときは、 心に引っかかる箇所があれば、付箋やドッグイヤーで印をつけていく 私の場合は、 紙の本なら付箋 kindle本ならハイライト機能 を使っていま…

『書く習慣』いしかわゆき(著)の感想①【読者に届く記事を書く方法】

読者に届く記事を書く方法 書く習慣を身につけたい。 そう思って本書を読みました。 著者のいしかわさんは、書くことで、新しいキャリアが開けたそうです。 わたしはライターでもなんでもなく、ブログに日記を書いているだけの、ただの会社員でした。 しかも…

好きな小説家は誰ですかという難問に答えてみる

好きな小説家は誰ですか? と、いきなり聞かれることは、ありません。 聞かれるには、順序があります。 「趣味は何ですか?」から始まり(そんな会話はほとんどありませんが)、 「読書です」や「小説を読むことです」と言った場合に(私は決して言いません…

第168回芥川賞受賞作発表と、近年の受賞作で一番良かった作品

第168回芥川賞受賞作発表 2023年1月19日(木)、芥川賞の受賞作が発表されました。 ダブル受賞です。 井戸川射子『この世の喜びよ』 この世の喜びよ 作者:井戸川射子 講談社 Amazon 佐藤厚志『荒地の家族』 荒地の家族 作者:佐藤厚志 新潮社 Amazon 受賞予想…

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想②【やめる勇気はあるか】

やめる勇気はあるか 感想①はこちらです。 一度始めたことをやめるのは、つらいです。 今まで時間をかけてきたものを、チャラにするようで。 今までの自分を、否定するようで。 最初からやらなければ良かったと、思うこともあります。 私が社会人になってから…

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想①【それでも捨てないものは】

それでも捨てないものは 『ぜんぶ、すてれば』というタイトル。 そしてこの装丁。 読んでみたいと思わせます。 著者を存じ上げませんでした。 中野……なんて読むんだろう。よしひさ様でした。 中野さんは、75歳で現役の、すごい人でした。 一刻も早くセミリタ…

【コロナ陽性と後遺症(胸の痛み)】『最高の体調』鈴木祐(著)の感想

コロナ陽性と後遺症(胸の痛み) 12月下旬。頭痛から始まりました。 結論から言います。 発症から3週間以上たった今も、コロナ前の体調には戻っていません。 特に強かった症状は、以下のとおりです。 1日目:発熱(38度台)、喉の痛み、寒気、だるさ 2日目:発…