いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『ぜんぶ、すてれば』中野善壽(著)の感想②【やめる勇気はあるか】

やめる勇気はあるか

感想①はこちらです。

一度始めたことをやめるのは、つらいです。

今まで時間をかけてきたものを、チャラにするようで。

今までの自分を、否定するようで。

最初からやらなければ良かったと、思うこともあります。

私が社会人になってから始め、うまくいかなかったことは以下のとおりです。

  • 司書への転職活動:面接で落ちる(最終面接の4人中2人採用で落ちた)
  • 脚本の公募:ラジオ脚本は一次通過。テレビ脚本は一次通過せず
  • 小説の公募:最高で、約2000作品中、上位30

中野さんは、始める勇気と同じくらい、やめる勇気も大事だと言います。

どうやって”やめどき”を見極めるかと聞かれたら、

「がんばり過ぎている」と気づいた時じゃないかと答えます

転職活動は「がんばり過ぎた」と思いませんが、脚本や小説は「がんばり過ぎて」いました。

司書への転職活動は、未経験では採用されないと、どこかで思っていました。

脚本や小説は、書き終えたときの達成感はありますが、書いている間は辛いです。

人はある種の諦めがないと、次に進めないことがある

向き不向きがよくわからなければ、 もっと単純に「やりたいか、やりたくないか」で判断したっていいと思います

どうも気持ちが向かないのに「あれもこれも、なんとしてでもやらなければ」と、

なんでも抱え過ぎていてはいけない。

諦めの背中を押してもらえた気がしました。

司書の仕事や脚本は諦めましたが、小説には未練がありました。

上位30作品に入ったから、このまま書いていれば受賞できると夢見ました。

しかし、2022年の公募では一次選考も通過できませんでした。

小説を書き終えた自分、小説家になった自分が好きなだけで、小説を書き続けるのは「やりたくない」のかもしれません。

それに、このまま書いても結果が出ないと諦めてしまったからです。

一方、続いていることもあります。

  • 仕事(10年以上勤務)
  • ブログ(500記事以上)
  • 読書メーター(感想800件以上)

なぜ、続いているのでしょうか。

仕事は、働かないと生活できないからです。

仕事は当初、脚本や小説がうまくいくまでの、食い扶持を稼ぐ目的でした。

脚本も小説もうまくいかなかったので、働き続けています。

ブログや読書メーターは、読んだ本の感想を書くためです。

本の感想を書けば、小説や脚本の執筆にも活かせると思っていました。

最近は、小説を読まなくなりました。

自分が書くために小説を読んでいたところもあるので、書かなくなると、小説を読む気力が出ませんでした。

コロナ陽性になって、2019年上半期から毎回やっている芥川賞の予想を、やらなくなってしまいました。

コロナになったのは12月下旬なので、続けることはできたでしょう。

候補作発表は昨年12月16日なので、すぐ候補作を読むことはできましたし、文芸誌を毎月読んでいれば、候補作発表の時点で候補作を読み切っていたかもしれません。

そこまで小説への熱がなかった結果でしょう。

では小説をやめて何をやるのか。

まだわかりません。

今はただ、コロナ後遺症を早く治したいです。

ぜんぶ、すてれば

ぜんぶ、すてれば

  • 作者:中野善壽
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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