いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『バリ山行』松永K三蔵(著)の感想【本当の危機】(芥川賞受賞)

本当の危機 読み方は、バリ山行(さんこう)です。 読む前は、バリ山に行く話だと思ってました。 全然違いました。 主人公は、建物の外装を修繕する会社に転職して2年。 前の会社から紹介してもらって、今の会社に勤めました。 前の会社には、首を切られた形…

『転の声』尾崎世界観(著)の感想②【無観客ライブ】(芥川賞候補)

無観客ライブ 感想①はこちらです。 転売の仕掛人(カリスマ転売ヤー)は、無観客ライブを企画します。 客を入れない ボーカルはステージに立たない、歌わない 配信もしない チケットは売る 私にはわかりません。 配信なしで客を入れないのに、チケットを売る…

『転の声』尾崎世界観(著)の感想①【転売されたいバンドボーカル】(芥川賞候補)

転売されたいバンドボーカル タイトル「転の声」は、転売にも使われるSNSアプリの通称名です。 「転」は、転売からきてるのでしょう。 主人公は、バンドのボーカルです。 生放送のテレビの音楽番組(Mステを想起させる)に、初登場します。 デビュー当初はそ…

『日曜日(付随する19枚のパルプ)』福海隆(著)の感想【アライ女性に邪魔される】(文學界新人賞受賞)

アライ女性に邪魔される 選評を読んで、「アライ」という言葉を知りました。 アライとは、 LGBT(中略)の当事者ではない人が、LGBTに代表される性的マイノリティを理解し支援するという考え方 (「人事労務用語辞典」から抜粋) 主人公は、社会人二年目のゲ…

『私は無人島』旗原理沙子(著)の感想【受精卵が堕胎に向かう旅】(文學界新人賞受賞)

受精卵が堕胎に向かう旅 私は無人島。強烈なタイトルです。 私は人間なのに、無人島とはどういう意味か。 考えながら読みました。 主人公は、都内のタワーマンションに住んでる女性です。 占い師をしています。 夫はおりますが、子どもはいません。 主人公に…

『AU』遠野遥(著)の感想【自分の顔を叩くことを希望する女性】

自分の顔を叩くことを希望する女性 タイトルにある「AU」は、マッチングアプリの名前です。 主人公は、クリニックで働く医師です。 二重手術の件数において、私はグループでトップクラスだし、患者満足度も高い。 主人公は、院長の座を狙ってます。 クリニッ…