いっちの1000字読書感想文

一応平成生まれ。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

【芥川賞予想】第162回芥川賞候補作発表、掲載誌まとめ(2019年下半期)

第162回芥川賞候補作決定

 2019年12月16日、芥川賞の候補5作品が発表されました。

 受賞作の発表は、2020年1月15日(水)です。

 以下、候補作と掲載誌をまとめます。

 

木村友祐『幼な子の聖戦』

 初の候補です。

 前回(161回)の芥川賞で、古市憲寿さんの『百の夜は跳ねて』の参考文献に、木村さんの小説『天空の絵描きたち』が入っていて話題になりました。

 今回は、木村さんの作品が候補です。(古市さんの『奈落』(新潮12月号掲載)は候補になりませんでした)

すばる 2019年 11 月号 [雑誌]

すばる 2019年 11 月号 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 雑誌
 

 単行本はこちらです。

幼な子の聖戦

幼な子の聖戦

  • 作者:木村 友祐
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: 単行本
 

 感想はこちらです。

髙尾長良『音に聞く』

 第148回の候補『肉骨茶』、第152回の候補『影媛』に続いて3度目の候補です。

文學界 9月号

文學界 9月号

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: 雑誌
 

 単行本はこちらです。

音に聞く

音に聞く

  • 作者:〓尾 長良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: 単行本
 

 感想はこちらです。

千葉雅也『デッドライン』

 初の候補です。

 同作品で第41回野間文芸新人賞を受賞しました。

新潮 2019年 09 月号 [雑誌]

新潮 2019年 09 月号 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: 雑誌
 

 単行本はこちらです。

デッドライン

デッドライン

  • 作者:千葉 雅也
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: 単行本
 

 感想はこちらです。

乗代雄介『最高の任務』

 初の候補です。

 『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞を受賞しました。

群像 2019年 12 月号 [雑誌]

群像 2019年 12 月号 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 雑誌
 

 単行本はこちらです。

最高の任務

最高の任務

  • 作者:乗代 雄介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/01/11
  • メディア: 単行本
 

 感想はこちらです。

古川真人『背高泡立草』

 第156回の候補『縫わんばならん』、第157回の候補『四時過ぎの船』、第161回の候補『ラッコの家』に続いて4度目の候補です。 

すばる 2019年 10 月号

すばる 2019年 10 月号

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 雑誌
 

 単行本はこちらです。

背高泡立草

背高泡立草

  • 作者:古川 真人
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: 単行本
 

 感想はこちらです。

受賞予想は、古川真人『背高泡立草』

 受賞作を○△×で予想しました。

  • 木村友祐『幼な子の聖戦』:×
  • 髙尾長良『音に聞く』:△
  • 千葉雅也『デッドライン』:×
  • 乗代雄介『最高の任務』:△
  • 古川真人『背高泡立草』:○

 先をぐいぐい読ませるのは『幼な子の聖戦』です。受賞すれば売れるでしょう。

 この作品以外は、受賞しても前回の受賞作(『むらさきのスカートの女』)ほど売れないと思います。(売れることがすべてではないですが、娯楽が多様化した現代、売れなければ文化が衰退していきます)

 今回は、難解な言葉や表現が多く使われ、物語性に乏しい作品が目立ちました。

 普段、純文学を読まない人が手に取って、さくっと読めるのは『幼な子の聖戦』しかありません。

 近年の受賞作(『むらさきのスカートの女』、『1R1分34秒』)を見ても、読みやすさや物語性は重要だと思います。

 芥川賞の近年の傾向は、「読みやすいが、読者に考えさせる」作品です。「作品の言いたいことはわかる。だが読者としてはこう考える」という余地を残した作品です。

 となると、『幼な子の聖戦』の受賞は難しいです。展開や先を読ませる力はあるのですが、物語が軽いのです。現代を象徴するものの上辺をすくい取って、張り付けた感じがあります。

 すると、

  • 物語に展開があり、ある程度読みやすい
  • 狭い世界でありながら、物を起点に時空を超えることで、大きな物語に挑戦している

 古川真人さんの『背高泡立草』だと予想します。

 ちなみに、前回の受賞作(今村夏子『むらさきのスカートの女』)は予想が当たりました。

 前回の予想はこちらです。

 前回の結果はこちらです。

 第162回芥川賞・直木賞を予想した番組、ラジオ日本『大森望×豊崎由美 文学賞メッタ斬り!スペシャル(予想篇)』の感想はこちらです。

 第162回芥川賞・直木賞の結果発表、会見、選評の感想はこちらです。